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サッカーと麻雀の二刀流プロ・田島翔がブラジルクラブのダイレクター就任、ピッチ内外で「三足の草鞋」

SPAIA

田島翔とエドソン・モレッティ会長,本人提供

ポルトゲーザ・ロンドリネンセの選手兼ダイレクターに

これまで海外8カ国でサッカー選手としてプレーし、プロ競技麻雀団体「RMU」所属のプロ雀士としても活動する異色の二刀流プロ・田島翔(41)がブラジルのサッカークラブ「ポルトゲーザ・ロンドリネンセ」の国際交流ダイレクターに就任した。

今夏に選手としてブラジルに渡り、本場の選手とトレーニングを積んでいたが、11月1日付で選手兼ダイレクターとして契約。今後はピッチを走るだけでなく、ダイレクターとしてクラブ強化や日本とブラジル選手の交流、日系企業のスポンサー探しなどピッチ外でも奔走する。

「これまで8カ国を渡り歩いた経験やコネクションを生かせるので、憧れのブラジルで大変喜ばしい仕事をいただきました」と意気込んでいる。

1950年設立のポルトゲーザ・ロンドリネンセは2006年にパラナ州2部で優勝した実績を持ち、現在はパラナ州3部に所属。SEマツバラに所属していた若き日の三浦知良を指導したコーチもいるという。

現在はポルトゲーザ・ロンドリネンセの会長として育成にも力を入れており、サンパウロFCやコリンチャンスなどブラジルの強豪だけではなく、ヨーロッパにも若手選手を送り込んでいる。

田島は日本で小中高向けサッカースクール(アリエテ・サッカースクール)も経営しているため、ポルトゲーザ・ロンドリネンセのアカデミーに教え子たちを送り込み、交流を図りたい意向。日本の若い選手たちがブラジルで困らないように、クラブが提携するホテルや病院、学校などの環境も整えた上で、年明けから募集を開始する。

プレーヤーとしても現役貫く

田島は函館工業高を卒業後、シンガポール、クロアチア、スペイン、ニュージーランド、アメリカ、韓国、サンマリノ共和国、ブラジルの8カ国と、日本のFC琉球、ロアッソ熊本などでプレー。41歳にして、幼い頃から憧れていた三浦知良もプレーしたブラジルに渡った。

11月で終了した今シーズンの試合出場はなかったものの、トレーニングでは手応えもつかんだ。「3部と言ってもレベルは高いし、みんな体が大きい」と驚いたというが、「韓国やヨーロッパのような組織的に動くサッカーとは違うので、個人的にはやりやすい」と話す。

41歳となり、疲労も取れにくくなっているが、「まだまだ体は動きますし、情熱を失っていないので、2部昇格に貢献できたらと思います」とプレーヤーとしても現役を貫く構え。持ち前の行動力と親しみやすいキャラクターでチームに溶け込んで欠かせない存在となったことがクラブ首脳からも評価され、選手兼ダイレクターの誕生となった。

日本人プロ雀士として初めてブラジルの麻雀大会に参加

兼務するのはサッカー選手とダイレクターだけではない。

11月にはプロ雀士として、サンパウロで行われたブラジル麻雀協会主催の麻雀大会に参加。日本のプロ雀士がブラジルの麻雀大会に参加したのは初めてで、現地のブラジル人や日系人と麻雀卓を囲んだ。

本人提供


2017年に設立されたブラジル麻雀協会には300人の会員が所属。日系人だけでなく、ゲームで麻雀を覚えたブラジル人の若者も増えている。

自動卓はないため麻雀牌は手積みだが、ルールは日本と同じで「サンショク」「コクシムソウ」など日本語を使う。日本と違うのは審判がいること。点数計算やトラブル裁定などは審判が行うため、初心者でも参加しやすく裾野が広がっているという。

サンパウロの大会は屋外で行われたため、参加者以外が見にくることもあった。「日本では部屋の中でしかやったことがなかったので、開放的で楽しかったですね」と笑顔で振り返る。

今後はブラジル麻雀協会と協力し、日系人やブラジル人と交流しながら現地の麻雀人口を増やしたい考えだ。

日本とブラジルの架け橋に

ロンドリーナは日系人が開拓した街で、約2万人の日系人が暮らす。田島は10月末にロンドリーナ州立大学で講演するなど、「ロンドリーナ市全体で応援してもらえるように頑張りたいです」とさらなる交流に意欲的だ。

ポルトゲーザ・ロンドリネンセのエドソン・モレティ会長は「私たちが田島翔選手を迎えられたことはとても嬉しかったです。そこで私たちはサッカーやクラブのすべてについて話し、トレーニングにも参加してもらい、特別な訪問となりました」とコメント。

さらに「ポルトゲーザ・ロンドリネンセがブラジル国外への事業拡大を検討しているこのタイミングを利用し、ダイレクター及び日本コミュニティの代表者に田島翔選手を任命しました。彼が自分の役割をうまく発揮できることを願っていますが、私たちにとって最も重要なことは、ブラジルと素晴らしい歴史を持つ日本との友好の絆を深めることです」と田島が日本とブラジルの架け橋となることを期待する。

田島は現在、帰国しており、サッカーのトレーニングを積みながらプロ雀士としても国内で活動。来春、再びブラジルに渡る。

サッカー選手、ダイレクター、プロ雀士と“三足の草鞋”を履く田島。世界を股に掛けた「サッカー&麻雀放浪記」はまだまだ終わらない。

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記事:SPAIA編集部 請川公一

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