【ボタニカ・アートスペースの「丹羽菜々個展」】 心に「快」をもたらす作品群
静岡新聞論説委員がお届けする“1分で読める”アート&カルチャーに関するコラム。今回は静岡市葵区のボタニカ・アートスペースで9月7日に開幕した「丹羽菜々個展」から。
静岡市葵区出身で三島市在住の美術家・丹羽菜々さんによる昨年から今年にかけての作品群は、鮮やかな色のにじみや重なりが心に「快」をもたらす。
ざらついた絵肌からすると支持体は一見キャンバスのようだが、違う。木のパネルに厚い画用紙を貼ったものという。クレヨン、インク、アクリル絵の具が発色を競っている。
丹羽菜々さんといえば、風にたなびく色とりどりの帯が頭に浮かぶ。外に向かって色を放射するかのような作品とは正反対に、今回は多くの色を一つの画面に「閉じる」手さばきを見せている。
不調和から調和への移り変わりがスリリング。ここでしか味わえない視覚体験と言ってもいいだろう。(は)
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■ボタニカ・アートスペース
住所:静岡市葵区研屋町25
開館:午後1時~7時(月曜休館)
会期:9月15日まで