「他の釣りとは違う?」渓流釣りに適した服装を徹底解説【アウター・トップス・ボトムス・靴】
全国各地で渓流釣りが解禁となり、各地で釣果情報が聞こえ始めた。大自然を満喫するため、渓流釣りや釣りキャンプをしてみたい、でもどんな格好で行けばいいのかわからない…。今回はそんなあなたの為に、渓流餌釣りを10年以上楽しんでいる著者が、渓流釣りの服装について詳しく紹介していきたい。
渓流という環境を知る
まずは渓流がどのような環境なのかという事を知るところから始めよう。
文字通りの大自然
渓流釣りは、山の中を流れる自然河川で釣りをする。時折山歩きや藪漕ぎのような状況に遭遇したり、「遡行」と呼ばれる「川の中をザブザブ歩いて登っていく」といった状況になる事が多い。護岸化されて歩きやすい場所はほぼないと心得ておこう。
季節の影響
解禁してしばらくは各所に雪が残っている。仮に河川の源流部まで行く場合は、4月下旬であっても雪が残るケースもある。行く場所によっては5月頃まで冬用タイヤやチェーンが必要になる場合もあるので注意が必要だ。事前に道路状況を調べておくことをオススメする。
動物の住処
山中に入っていくため、シカやイノシシ、クマと遭遇する危険性も考慮しておきたい。さらに足元にいるかもしれないヘビやヒル・マダニ、初夏以降はアブやブユ・ハチなどの羽虫対策も必須となる。
解禁後~春先の服装
では実際に釣行する際の服装をみていこう。まずは寒さが厳しい解禁直後~春先だ。
アウター
解禁直後の渓流はそこら中に雪が残っていて大変寒く、朝一は氷点下が当たり前。かなり分厚めのアウトドア用ジャケットやダウンを必ず持参してほしい。著者はその下にパーカーも着込んで行く。さらに、釣具を満載したベスト(著者はフローティングベスト)も着用することになる。頭部を保護するための帽子も忘れずに着用しよう。
トップス
寒さ対策に、腕がすっぽり隠れる長袖を着用したい。著者は発熱素材の分厚いインナーの上にスポーツ用インナーを重ね着し、さらに厚手のトレーナーを重ね着している。気温に応じて脱げば調整が可能だ。それでも寒いと感じる人はホッカイロを使用しよう。ちなみに、渓流釣りは歩き回るアクティブな釣りなので、動いていると案外体が温まりやすい事を追記しておく。
ボトムス
とにかく川の中を歩く機会が多いので、厚手のインナータイツは不可欠だ。著者はその上にスポーツジャージを履き、さらに水弾きの良いナイロン/ポリエステル素材のジャージを重ね着している。フィッシングベルトを着用することを考えると、ボトムスにはベルトが無い方が好ましいように思う。さらにこの上からチェストハイウェーダーを着用するという形だ。
靴
釣り場まではコンビニや釣具店に立ち寄る事を考慮し、普段使いの靴でOK。著者はスニーカーを着用している。釣り場で入渓する際はウェーダーを履くため、こちらがそのまま靴として機能する。
初夏~夏以降の服装
次に、暑さが厳しくなってくる初夏以降の服装だ。著者は1シーズンウェーダー着用で通しているが、近年はゲータースタイルの方も釣り場でよく見かけるようになった。という事で、両方のスタイルを紹介していこう。
アウター
夏場は暑い為アウターの類は不要となる。代わりに、釣りアイテムを収納して歩けるベストがあると大変便利だ。著者は安全面から、オールシーズンフローティングベストを着用している。
トップス
これはウェーダー、ゲータースタイル共に同じになるのだが、薄手の長袖が基本。太陽光による日焼け対策、植物のかぶれ対策、さらにはヒル・マダニ対策にもなるためだ。速乾性の高い素材なら着心地も良くオススメ。勿論、夏場も帽子着用を忘れないようにしよう。
ボトムス
著者はスポーツ用インナータイツを着用し、その上にウェーダーを履くというシンプルなスタイル。しかし、暑さが気になる方はやはり「積極的に濡れに行く」ゲータースタイルが良い。この場合、撥水パンツ+ウェットパンツ(スパッツ)に、砂利の侵入を防止するグラベルガードを着用という形になり、装備品が増えることになる。コストが気になる方は、作業服を多く扱っているショップを物色してみると良いだろう。
靴
ウェーダーを着用するなら不要だが、ゲータースタイルならウェーディングシューズが必要になる。これは言わば「水抜き穴が空いている水中用の靴」で、そのまま川の中へ入ることが出来、帰宅後は乾かせばOKというスグレモノだ。この靴に合わせて、ウェットソックスを着用するのが基本となる。
その他に必要な物
上記で紹介した物以外で、渓流釣りならではの装備品も併せて紹介しておきたい。
偏光サングラス
川の照り返しから目を守るだけでなく、底の形状や仕掛けの流し方を把握するための偏光サングラスは必要不可欠だ。是非着用して頂きたい。
雨合羽
基本的に、増水の危険性があるような雨天時は釣行すべきではない。とはいえ、晴天だと思って釣行したら不意の雨に遭遇した…なんてことは「山の天気は変わりやすい」ため普通にあり得る話だ。雨合羽は念のため持参しておこう。ただし、「結構な雨の中、合羽を着て強行する」という行為は危険なのでやめておこう。
虫よけスプレー
4月以降になると、渓流は山の中という事もあり羽虫の類が一気に増える。さらに、動物の移動も活発になるため、ヒルやマダニの被害に遭う危険性もある。肌の露出が少ない恰好を心がけているとはいえ、首や顔・手など、露出している場所には虫よけスプレーをしっかりふっておきたいところだ。
クマ鈴
渓流という場所は、動物の住処で釣りをするようなもの。不意の遭遇を避ける為、クマ鈴は必需品だ
服装を整えて大自然を満喫!
以上が、著者が考える渓流釣りに適した服装だ。このほか、渓流釣りで必要な道具については著者の過去記事をご覧いただきたい。
海釣りやバス釣りに比べて環境がやや特殊なため、ウェーダーやゲータースタイルのような「渓流釣りならでは」の装備が登場するので、オシャレな恰好で楽しみ辛いのは間違いない。だがこれらを正しく着用することで、大自然を満喫しながら、渓流釣りを快適に楽しむことが出来るのだ。是非その足で、渓流を訪れてみてほしい。きっとその先には感動が待っているはずだ。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>