みんなの知らない『川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム』へ! 何度行っても、ずっと特別な場所
2011年にできた『川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム』は川崎市民にとっておなじみの場所。でも、実は知られていないこだわりがたくさん詰まっている。何度もミュージアムを訪れているライター半澤が魅力を深堀り!
取材・文=半澤則吉
『ドラえもん』は大長編も含め全巻所有するほか、『ミノタウロスの皿』の皿を部屋に飾るほど、ガチのF先生ファン。
【ポイント1】「先生の部屋」の資料はなんと!
F先生が実際に読んだ本や愛用の品々を展示する「先生の部屋」。机の上だけでなく、天井まで延びるタワー状本棚もチェック。なんと約1万点もの蔵書が並ぶ。常に新しいアイデアを追い求めていた先生の頭の中を表現!
【ポイント2】作品に生かされるのは
F先生が好きだった落語のテープを発見。『ドラえもん』には落語をヒントにした話もあり、落語への愛を感じる。
【ポイント3】デスクにはあのキャラクターも
のび太とドラえもんが隠れているので探してみて! F先生が自作したものを展示用に調整したもので、先生の遊び心がにじむ。
【ポイント4】「展示室Ⅰ」の正面奥の壁を、よくよく見ると……
ミュージアムに入ってすぐの「展示室Ⅰ」は2024年にリニューアル。現在はF先生の名作を解説しており見どころ十分だが、展示だけでなく、ぜひ一番奥の壁にも注目してみよう。遠くから見ると巨大なF先生とパイプのシルエットが!
【ポイント5】カラー原画も飽きさせない
「展示室Ⅰ」の原画は色褪せ防止のために2週間に1回程度、頻繁に入れ替え中。何度来ても飽きることがない。
【ポイント6】展示の高さはあのキャラクターの身長!
展示される原画の高さは中心がちょうどドラえもんの身長と同じ129.3cm。小さな子供も楽しめる魅力。
【ポイント7】「ネズミは入館お断り」だけど……?
ドラえもんが苦手とするネズミが館内に4匹隠れている。すべて見つけられたら、かなりのミュージアム通!
【ポイント8】外観にはあの作品のコマ割りが!
窓にも秘密が。てんとう虫コミックス『ドラえもん』の第1話「未来の国からはるばると」の5ページ分のコマ割り!
【ポイント9】「はらっぱ」の土管の中には……
「はらっぱ」には『ドラえもん』でおなじみの空き地があり、土管の中も見どころ。この落書きはヘタな絵でも本物のように見える道具「みせかけ落がきペン」で描かれたもの。ひみつ道具ネタも多く、探しがいがある。
【ポイント10】先生のおうちはどこかな?
「みんなのひろば」の館内サインが面白い! 「先生のおうちはあっち」「空」などの変わった矢印も。
【ポイント11】隠れキャラがいっぱい!
「はらっぱ」にはひみつ道具「ころばし屋」やのび太が助けたキー坊ら、Fキャラが隠れている。全部探してみて。
【ポイント12】「キッズスペース」の本にもこだわりが!
「キッズスペース」には『ドラえもん』ほか、絵本がズラリ。F先生が子供に読み聞かせていた作品も。
【ポイント13】館内サインのイラストは……
館内サインが目を引くが、なんと一切“カブり”ナシ。例えばトイレでも、それぞれ異なるコマが使われている。
【ポイント14】「ミュージアムショップ」の出口に見覚えが!
最後に訪れる「ミュージアムショップ」の出口はドラえもんの手のフォルム。ドラえもんがお見送りしてくれていたとは驚き。
【ポイント15】バスのナンバーは?
シャトルバスにもこだわりが! 登戸駅からの直行バスのナンバーはすべてドラえもんの生誕年2112年にちなみ「21-12」。
2026年で15周年! 愛情ややさしさが詰まった場所
初めて『川崎市 藤子・F・ミュージアム』を訪れたとき、僕は泣いた。藤子・F・不二雄先生が読者に対して向けていた愛情ややさしさが詰まった場所で、感動してしまったのだ。以後、何度となく訪れているが、毎回ときめきドキドキする。ここではそんな僕が「みんなの知らない」ミュージアムのポイントをご紹介。一度行ったきりという人もまた足を運びたくなるはずだ。
まずは「先生の部屋」。仕事机の上にぜひ注目を。先生が実際に読んでいた本の数々を間近で見ることができる。僕は映画の原作である『大長編ドラえもん』や、2024年に24年ぶりにアニメ化され話題となった『T・Pぼん』推しなので、歴史やSFの本を見るだけでワクワクしてしまう。館内随一のおすすめスポットだ。
「展示室Ⅰ」や「みんなのひろば」のこだわりなど、ここで紹介したチェックポイントはどれもファンにはたまらないはず。このほかにも注目してほしいのがミュージアムに入ってすぐのエントランス。天井の青空にはドラえもんが浮かび上がっていたり、レリーフの暗記パンに書いてある日付けが館のオープン日「2011・9・3」やドラえもんの誕生日「2112・9・3」になっていたりと、小ネタ満載なのだ。
さらに、今回取材して衝撃の事実が発覚。自分の誕生月に受付で「今月誕生日です」と言えば、オリジナルカードとステッカーがもらえるのだそう。それは知りませんでした。今度は誕生月を狙ってお邪魔します!
いろいろな楽しみ方ができて、いつも新しい発見があるミュージアムは、2026年で早くも15周年! これからもファンにとって特別な場所であり続ける。
川崎市 藤子・F ・不二雄ミュージアム
住所:神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1/営業時間:10:00~18:00/定休日:不定/アクセス:JR南武線・小田急電鉄小田原線登戸駅生田緑地口から直行バス(有料)「藤子・F・不二雄ミュージアム」行き約9分の終点下車すぐ
撮影=山出高士
『散歩の達人』2025年4月号より
半澤則吉
ライター
1983年福島県生まれ。ライター、朝ドラ批評家。町中華探検隊隊員。高校時代より音楽活動を続けており、40歳を迎えた今もライブハウス、野外フェスに足を向けることも多い。