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倉敷美観地区での2024年越しレポート ~ 誓願寺から阿智神社まで

倉敷とことこ

倉敷美観地区での2024年越しレポート ~ 誓願寺から阿智神社まで

2023年12月に関東から倉敷に移住してきた私にとって、2024年から2025年への年越しは、倉敷で迎える初めての年末年始でした。

せっかくの機会なので、倉敷らしい年越しを経験したい!と思い、倉敷美観地区で年越し行事に参加してきたので大晦日(おおみそか)の倉敷美観地区のようすをお伝えします。

大晦日の美観地区散策は、倉敷東小学校の駐車場からスタート

倉敷美観地区といえば大原美術館や昔ながらの町屋が思い浮かびますが、神社仏閣も数か所あります。

そのなかでも、倉敷美観地区唯一の神社で倉敷の総鎮守(そうちんじゅ:地域の守り神)としても知られる阿智神社は、大晦日の12月31日から1月3日まで倉敷市立倉敷東小学校のグラウンドを臨時駐車場として開放しています。

倉敷市立倉敷東小学校グラウンド

私も倉敷東小学校のグラウンドを午後11時にスタートして1月1日の午前1時まで、以下のルートを歩きました。

年越しルート

倉敷東小学校→誓願寺→阿智神社→倉敷東小学校

誓願寺で除夜の鐘を

倉敷東小学校のグラウンドを出発してまず向かったのは、誓願寺(せいがんじ)。

大晦日の深夜0時付近に街中にきこえる除夜の鐘(じょやのかね)を打たせていただくためです。

私が到着した午後11時頃はすでに倉敷美観地区に除夜の鐘が鳴り響いていたので、間に合うだろうか、長蛇の列なのではないかと少し心配でしたが、数人並んでいた程度で列に並んで5分程度で鐘にたどり着けました。

鐘の前では和尚さんが待ち構えていて、鐘をつく前に鐘の前で一礼することや鐘をつくタイミングを教えてくれるので安心です。

鐘をつき終わると、自分のついた順番が記された散華(さんげ)をいただきました。散華は、仏教で仏を供養する花を意味するお札です。幼少期に祖母に連れられて通ったお寺でもいつもいただいていたものなので、懐かしい気持ちになります。

受け取った散華

多くのお寺で除夜の鐘は108回つかれます。この108は、欲望・怒り・迷いなどのように、心を惑わせたり、身を苦しめ悩ませたりする心のはたらきである人間の煩悩(ぼんのう)の数を表しているのだとか。

鐘の音を聞きながら、一年間の煩悩を供養して新しい年を迎える除夜の鐘。そのうちの大事な一つきを自分の手で鳴らすし、心が引き締まります。

阿智神社で年越しを

誓願寺で甘酒をいただいて身体の内側から温まりながら、倉敷美観地区を歩いて阿智神社へと向かいます。

倉敷美観地区は夕方には店じまいしてしまうお店が多いので、夜の街を歩くのは新鮮な気持ちです。

年越しそば・うどん

阿智神社の境内に到着すると、お出汁の良い香りが漂ってきます。

匂いのするほうへ歩いていくと、年越しそば・うどんが提供されていました。

年越しそば・うどんには細長く続く形状から長寿や健康を願う意味が込められていますが、それ以外にも厄除けの意味もあるのだとか。2025年が前厄の私にはもってこいな年越し行事なので、いただくことにしました。

私はうどんが好きなので、うどんをチョイス。うどんの麵は、ぶっかけうどん「ふるいち」のものを使用しているとのことで、つるつるっとしたのど越しの良い麺でした。

鏡開き・舞の奉納

阿智神社の新年は、鏡開きからスタート。お酒は、倉敷美観地区にある酒蔵、森田酒造の「萬年の雪」。

第26代阿智三女神のみなさんとともにカウントダウンをして、2025年1月1日になった瞬間に鏡開きが執りおこなわれ、無事に2025年を迎えました。

続いて、阿智三女神による舞の奉納に移ります。全国各地、巫女が舞を奉納する神社は数多くありますが、自身が神を身に宿し人々を想って奉納するのは阿智神社ならではなのだとか。

初詣で賑わう境内とは対照的に、拝殿内は厳(おごそ)かな雰囲気のなか舞が奉納されていましたよ。

新年ならではの縁起物の数々

新年ならではの縁起物の数々も、初詣の楽しみのひとつではないでしょうか。

倉敷美観地区には商売をしているお店も数多くあるので、熊手(くまで)や破魔矢(はまや)などの縁起物が数多く取り揃えられていました。

新年ならではの干支人形に入ったおみくじも発見。おみくじも気になるし、自宅にもお正月らしい置物が欲しいと思っていた私にはうってつけと、干支人形に入ったおみくじを受けてきました。

その他にも、花纏守(はなまきまもり)など阿智神社ならではのお守りもありました。
この花纏守は、阿智神社と岡山レース株式会社が共同で作っているもので、阿智神社内地に生息する県指定天然記念物「阿知の藤」のツルのように、太く長いご縁を結んでいただくよう縁結びの祈念が込められているそうです。

私は2月生まれなので、冬季限定の「よごと」を受けました。今年一年たくさんの良いことが私の心身に降り積もってくれたらと思います。

おわりに

臨時駐車場も整備され、振舞われた甘酒はアルコールの入っていないものだったので、倉敷美観地区が徒歩圏内ではない人でも年越し行事に参加しやすい環境ではないでしょうか。

昔ながらの町並みが残る倉敷美観地区中に響き渡る除夜の鐘は大変趣があり、静かな夜の町歩きは一年を振り返るのにはぴったりなロケーション。倉敷らしい年越しうどんや神社の境内で鏡開きされた倉敷美観地区の日本酒にも舌鼓を打ち、倉敷ならではの年越しとなりました。

日本酒をいただく筆者(高石真梨子)

昔から守り続けられている、倉敷美観地区の伝統的な年越し行事の数々。これからもこの地で続いていってほしい年中行事のひとつです。

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