イモト、ショッキングピンクの“仕切りオバはん”
イモトが、雪山で思わぬトラブルに遭遇するもコメディ映画のような展開に! 2月に鳥取に帰省していたイモトが、家族で遊びに行っていたスキー場での帰り道でトラブルに遭遇。“ショッキングピンクの仕切りオバはん”として登場したイモトが解決に導くのだが、そこには予想もしない出来事が・・・
イモト、ショッキングピンクの“仕切りオバはん”
イモト、大雪の中、鳥取に帰省
イモト:2月に、久々に家族3人で、私の実家の鳥取に帰省したんですよ。ちょうど3連休だったんですけど、ちょうど大寒波が来た時期で日本海側が大雪の時でした。実家に帰ったらお母さんが、昔着ていたスキーウェアがあるからこれを着てスキー場に行けば?って言われたんですけど、私が小学生の時に使っていたスキーウェアなんですよね。小学生の頃は毎週末、家族でスキーをやっていたんですよ。
30年前のellesseのスキーウェアはショッキングピンク!
イモト:いうても、30年前のスキーウェアなんですよ。でも私、今ヴィンテージが好きじゃん!? 30年前のellesseというブランドのスキーウェア、超カッコよくて! ellesse、懐かしい~! 私も見た時、「ヒィ~!」ってなっちゃって!心がときめいて。でもサイズが150センチとか160センチだったけど、なんとかギリ(笑)。ショッキングピンクの超カッコいいやつ! 今、スキー場で誰も着てないよ(笑)。
鳥取は四駆が当たり前
イモト:夫と私と息子、妹と姪っ子(モアちゃん、レアちゃん)と、「大山桝水高原スキー場」という昔家族でよく行っていた所に行ってきました。私は鳥取の雪国出身だったけど、上京して20年経つから雪の知識が無くて。クルマも都内にいたら冬タイヤを付けることは無いじゃないですか。うちの実家、今9人家族でクルマが5~6台あるわけ(笑)。田舎は1人1台だから(笑)。で、当たり前のように全部四輪駆動なわけよ。私が今乗っているハイエースは四駆だけど東京では必要ないじゃない?
大雪の山道でハイエースがスタック
イモト:でも雪道は四駆なんだね。四駆じゃ無くても、二駆でも前輪駆動といって前のタイヤが回るようにしておかないと、雪道はすごく不便なんですって。で、けっこう雪が降ってきたので、「大山桝水高原スキー場」までうちの父が四駆のクルマで迎えに来てくれたんですよ。スキー場から家に山を下っていた途中で、私が乗っているハイエースより少し大きめのハイエースが雪道の中、ずっと空回っていたんですよ。スタックしてなかなか雪から出られない状態のハイエース。下りと上りの二車線をハイエースが塞いじゃっていて、渋滞が起こっていたんですよ。
イモト「うちの夫はカッコいい!」
イモト:たぶん、ペンションに宿泊されていて、ここからどこに行くのかわからないけど、脱出しようにも雪が多くて出られない。ペンションの人が1人で後ろからハイエースを押している状況で、うちのクルマが止まって。少し様子を見ていたんだけど、どうにも出られなそうだったんですよ。そしたら、うちの夫はカッコいいっすね、何の躊躇も無く「オレ、行ってくるわ」って言って、ペンションのおじさんと一緒にクルマを押し始めたんですよ。けっこうな吹雪よ。その様子を見て、後続のクルマからも男性陣がチラホラ降りてきて。男性陣が6人くらいでハイエースを押してるわけ。
ショッキングピンクの“仕切りオバはん”、登場!
イモト:私が冷静にずっと見ていて・・・どう見てもそのクルマが右に曲がったら上り、左に曲がったら下りなんだけど、右に曲がって上に上ろうとしているわけ。それを男たちが上に押しているわけ。いや、待てよ、と。上に押したところで山の上はもっと雪があるわけ。こんな状況になっているクルマが、上に行っても同じことになるのに、という疑問が湧いてきて。
イモト:段々とイライラしてきて、何やってんだろう、と。5分くらい見ていて、「あー、これダメだ! 私、見て来るわ!」って、ショッキングピンクのスキーウェアを着たオバはんが(笑)。吹雪の中、ハイエースのドライバーさんに大きな声で「どうした? どうした?」って(笑)。
イモト「今からどこに行こうとしてます?」
ハイエース「家族でスキー場に行くところです」
イモト「ムリムリムリムリ! ここでこんな状況になっているのに、上に行ったらもっと雪がありますよ! 帰れなくなりますよ! 同じことになりますよ!」
ハイエース「・・・そうなんですか。」
イモト:クルマを中を見たら、50、60代のドライバーさんと奥さん、後ろに娘さん家族が乗ってらしたんですよ。ハイエースのタイヤが後ろしか空回って無いから、後輪駆動といってすごく雪道に適してないクルマなんですよ、大雪なのに。
イモト「これ、上に行くようなクルマじゃないから、ダメです! 1回戻ってバックして、下に下りましょう! はい、下がって! 右に切って!右に切って! はい、左! はい、アクセル踏んで!」
イモト:急に仕切りオバはんが出てきて(笑)。めちゃくちゃ仕切ったんですよ。1人ショッキングピンクオバはんの私が男たち6人を仕切って、「今、押す! はい!」って言って男たちが押し始めて。
吹雪の中、ジーパンとスニーカー姿でハイエースを押す外国人観光客
イモト:男たちの中の3人くらいがジーパンとスニーカーで観光で来たような人たちで、手袋もせず押していて。めっちゃ良い人たちだなと思ったら、3人がショッキングピンクの私の所に来て、めちゃめちゃ韓国語で喋りかけてきたんですよ(笑)。韓国語というのはわかるんだけどわかんないから、「イングリッシュOK?」って聞いたら全然ダメで。でも、優しいよね。異国に来て助けてくれるって、私はそこにほっこりして。
雪の中に突然現れた花嫁
イモト:ハイエースが上りも下りも塞いでいるわけですから、ちょっと渋滞が起こるわけですよ。そうすると、クルマが止まって脱出するまで待つしかないんだけど。ハイエースを押し始めて30分くらい経った頃に、2台後ろのクルマから急に女性が降りてきたんですよ。雪がすごく降っているのに、ふわっとしたスカートで、上に灰色のパーカーを被っている感じで。その女性がやってきて泣きそうな声で「すみません! 私、この後、結婚式があって、急ぎで行かせてもらってもいいですか?」って、花嫁!? 「もちろん!」って言ったけど、早く行かないと結婚式は山を下って米子市内で行われるっぽいんだけど。
イモト:でも、クルマが降りるにもクルマが詰まっているから下りれないから、とにかく1回クルマを整理しなければ!と思って。仕切りオバはんが交通整理をし始めて。1度、上りの方のクルマを退けて、花嫁のクルマだけを通して「行ってらっしゃい!」って。あの人、結婚式に間に合ったかな~。この状況に花嫁ってすごくない!?
“チーム・仕切りオバはん”、解散
イモト:でも、ハイエースはなぜかなかなか抜けることができなくて。私も「遅い! もっともっと右!」って、明らかに60代くらいの年上のドライバーさんに向かって(笑)。最後はタメ語で「今、今、今! だから右!」ってイライラしてきて(笑)。私は口だけで、いっさい何もしないんだけど。で、30、40分かけてバックして、左に方向転換できて。道を下りれば下りるほど雪は減って来るから、ここを下りることができればまあ大丈夫だろうと、“チーム・仕切りオバはん”の体制は解散して(笑)。
イッテQの海外登山の時を思い出す
イモト:体力もけっこう使ったし、やり切った感じでクルマに戻って。その様子を一部始終、近くで見ていたのがうちの夫なんですけど、「めちゃくちゃ楽しんでたぞ! テンション上がりまくってたな! 仕切りオバはんが出まくってたぞ!」って(笑)。私としては大変だったみたいな空気を出していたんだけど。そういうトラブルの時、私はテンションが上がるんだろうね。先日のイッテQの「海外登山」のトラブルの時にこれは私が行くしかない!やってやるか!みたいな感じが出てて(笑)。(あ、これ、あの時と一緒だ!)と思って(笑)。仕切りオバはんのスイッチが入る瞬間があるの、「よし、私の出番だ!」みたいな。私はそういう時にいちばん力を発揮するのかもしれないって、思いましたね。
地ビール1000円飲み放題とピザ@ガンバリウス
イモト:これからスキー場に行くとせっかく家族で旅行に来ているのに言っていたのに、ショッキングピンクの私にやめろと言われて、ね。でもしょうがない、どこか下の方で遊んでくださいと思って、そこでハイエースの家族とはそこでお別れして。私も、その日が鳥取最後の日で。地元の地ビールとピザが美味しいお店があって、実家の9人家族に、うちの3人家族を合わせた12人で食べに行ったんですよ。地ビールも1時間1000円で飲み放題で自分で注ぎに行けて。ビール好きからしたらありえない値段ですよ! クルマを運転しない男たちは飲みまくって。釜で焼いたピザを食べて。そこのお店、ほんとに美味しいんですよ、「ガンバリウス」というお店で。
隣のテーブルにいたのは、なんとハイエース家族!
イモト:横にも同じくらいの大人数の家族のテーブルがあって。ふと横を見たら・・・(あれ? あのピザを食べている人、あのハイエースのおじさんじゃね?)って。家族の人数的にもそうで、めっちゃピザ食べてビール飲んで、よかったじゃん!って思って。楽しんでてよかったと思って。
イモト:しばらくして、向こうのご家族が夫と私に気づいたらしく、イモトということは気づいてなくて。夫の顔を見て気づいたらしく、おじさんが夫の所に来て「先ほどは助けていただき本当にありがとうございます!」って夫に頭を下げて。次に、私に向かって「的確な指示をテキパキと出していただき、本当に助かりました!」って。私はいっさい何もしてないけど、それを言うってことはよっぽどだったんだね(笑)。
まるで三谷幸喜さんの舞台のような展開!
イモト:いや~、なんかワンシチュエーションでいろんなことが起こって巻き込まれるという、三谷幸喜さんの舞台でもいけるし、映画でもいけるというか。本当にそういう展開でしたね。三谷さん、この話でキャスティングしてくれないかな!? 良い原作になると思うんですけどね。なんかありそうだよね、クルマがスタックしている所から始まって、人間模様も見えて。ハイエースのスタックでこんなにドラマが起こるんだなって思いましたね。私が仕切りオバはんの役で出たいけど、三谷さんのキャスティングでいうと、まあ戸田恵子さんあたりが仕切りオバはんをやられるんだろうなあ。
イモト、「理想の上司」に近づいた!?
イモト:私が「理想の上司を目指したい!」って前に言いましたけど、イッテQの海外登山といい、このハイエースのスタックもそうですけど、ちょっと近づいたんじゃないかな。まあ、トラブルが起きるとですけどね(笑)。雪でトラブルがあると、私は異常にリーダーシップを発揮するんで。トラブルでテンション上がるのは良くないんだけど、人間ってそういうところ、あるよね。私はそういうことがあると、どんどん首を突っ込みたくなるんだよね。そういう自分の性格が見えましたね。
(TBSラジオ『イモトアヤコのすっぴんしゃん』より抜粋)