【ワンピース】クザン(青キジ)の考察・情報まとめ|目的、黒ひげと行動を共にする理由、ガープを殺すつもりだったか【ネタバレ注意】
本記事は、『ONE PIECE』のクザンの解説・考察です。モチーフと思われる要素にも言及しています。
本記事は『ONE PIECE』単行本最新刊およびジャンプ本誌最新話のネタバレを含みます。
クザンの真意とは
スモーカーに次いで麦わらの一味を早々にマークしたり、ロビンが危険分子と知りながら見逃すなど、掴みどころのないキャラとして活躍してきたクザン。その独自の正義感と目敏さから、新世界編以降の暗躍に多くの謎を呼んでいます。
敵か味方か、はたまた、ひとつなぎの大秘宝を目論んでいるのか?その真意を、目的や黒ひげと行動を共にする理由などから考察していきます。
目的
結論から言うと、クザンの目的は世界政府の態勢を是正する事と考察します。
根拠は以下の5つです。
ひとつなぎの大秘宝を狙っている
スモーカーが納得
ドフラミンゴ談
サウロと親友
立場によって見え方は変わる
ひとつなぎの大秘宝を狙っている
クザンはひとつなぎの大秘宝に近しい人物に挙げられていました。※ひとつなぎの大秘宝を狙う理由は、「それを手に入れる者に世界の運命は委ねられるのじゃ」とのベガパンクの言葉通り、世界の変革を望んでいると考えられます。
他にもネームバリュートップクラスの人物が勢揃いしており、最終局面における活躍が期待されます。
※ 1121話〝時代のうねり〟
ひとつなぎの大秘宝の正体
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スモーカーが納得
スモーカーは友人であるクザンに真意を問いただし、「ならいい」と納得しています。※1そしてスモーカーは、以下のように一本筋が通った少々型破りな軍人です。
スモーカーの軍人としての性質
クロコダイルに囚われた際にゾロに救出され、追及を一時的に控える※2
部下たしぎの無念に対して、クロコダイル失脚に関する捏造と、不本意に功績を与えようとする政府の対応を真っ向から非難※3
麦わらの一味を追うため、クザンに問題だらけだと聞かされても構わずG5への移籍を志願※4
三段アイスを持ってはしゃいでいた子供とぶつかった際には、「おれのズボンがアイス食っちまった」と別人のように穏やかに対応するなど※5、民間人に対する優しさも見せていました。このような人間性であれば、納得した理由は少なくとも不条理な目的ではなかったからと言えるでしょう。
※1 70巻699話〝朝刊〟
※2 19巻176話〝Rush!!〟
※3 23巻212話〝いくつかの正義〟
※4 60巻594話〝メッセージ〟
※5 11巻98話〝暗雲〟
ドフラミンゴ談
ドフラミンゴは海軍脱退後のクザンと接触した際に、その印象を語っています。
ドンキホーテ・ドフラミンゴ
『お前今…!!何者なんだ!!!クザン!!!いい評判は聞かねェぞ』
『ただの放浪者と何かを決断した男の顔は違う…!!!』
出典: 『ONE PIECE』70巻699話〝朝刊〟
クザンは当時黒ひげ海賊団として活動しており、悪事の片棒を担いでいました。時に黒ひげの命令を背きつつも、犠牲者を少なからず出しています。※また「何かを決断した」と語っている通り、多少の犠牲を払ってでも叶えたい目的があるのは明白です。
※ 「尾田っちが答える10問10答」
サウロと親友
サウロとの関係はクザン本人が語っています。
クザン
『20年前オハラと戦った巨人 ハグワール・D・サウロと俺は…親友だった。
あの日奴の意志をくみ…お前を島から逃がした俺にはその後人生を見届ける義務がある…!!!』
出典: 『ONE PIECE』45巻433話〝その海の名は〟
当時中将だったクザンもオハラのバスターコールに出動していました。その際、サウロに正義について問いかけられるも、毅然と態度で粛々と海軍としての使命を全うしようとしていました。
結果的にロビンを助けたものの、これは親友に対する義理であり、自身の信条を元に行動するというある種の一貫性がありました。
正義は立場によって形が変わる
サウロにオハラの対応に正義があるのかと問いかけられた際、「正義なんてのは立場によって形を変える」と語っていました。憤るサウロに対する戒めとしてでしたが、逆に言えば、「例え立場が変わろうと自分の正義は変わらない」というクザンのスタンスを語っているとも解釈できます。※
つまり、海軍を離れて黒ひげ海賊団になったとしても、クザンの正義が変化した訳ではないと言えます。
※ 40巻397話〝未来へ届きますように〟
元帥の座を狙っていた
クザンはセンゴクが元帥の座を降りた後、次期元帥の座を懸けて赤犬と決闘し、敗北しました。※その後は海軍を辞め、黒ひげ海賊団に入団するなど独断で行動を続けています。
これは裏を返せば、決闘に勝利し、元帥となっていれば海軍を辞める事は無かったと言えるでしょう。元帥となれば、海軍全軍を指揮する権力を持ちます。つまり、それ程の権力を用いる必要性があるくらいのビジョンを抱いていたという裏付けになります。そのビジョンこそが、クザンの思い描く正義だったのでしょう。
しかし敗れてしまったので、元帥の立場を用いずとも叶えられる方法を模索した結果、今に至ると考えられます。
※ 66巻650話〝知っておくべき2つの変化〟
黒ひげと行動を共にする理由
結論から言うと、クザンが黒ひげと行動を共にする理由は、赤犬から元帥の座を奪うためと考察します。
根拠は以下の2つです。
利害の一致
赤犬との確執
利害の一致
クザンが黒ひげ海賊団にスカウトされた際、「お前ら何か信用できるか」と一度は断りますが、これに対し黒ひげは「海賊なんてのは利害が一致してりゃいいのさ」と返し、その後黒ひげ海賊団に入団しました。※
※ 107巻1081話〝黒ひげ海賊団10番船船長クザン〟
黒ひげの目的
黒ひげの目的は”世界”であり、※黒ひげと只ならぬ因縁を匂わせているロックスも、かつて世界の敵として君臨していました。
目的や動向も概ね一致しており、黒ひげの目的とは世界の支配者として君臨する事。平たく言えば世界征服です。それは世界を牛耳る世界政府を排除する事に繋がります。
※ 109巻1107話〝あんたを捜してたんだ!!〟
黒ひげとロックスの関連性
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赤犬との確執
クザンにとって赤犬の掲げる「徹底した正義」は相容れないものでした。
赤犬の正義まとめ
オハラの学者を一人足りとも逃がすまいと避難船をも撃破※1
藤虎の独断によって海軍の面子を潰され、海軍の敷居は跨がせないと言い渡す※2
オハラの一件が確執を生む原因となったのは明白であり、元帥の座を懸けて決闘する程の事態へ発展しました。結果として敗北したクザンは赤犬の下には就けないと、海軍を辞職する程追い込まれてしまいます。※3
さらに昔はクザンの掲げる正義は「燃え上がる正義」でしたが、現在は「ダラけきった正義」に変わっています。※4この変化はオハラの一件が特に影響していると考えられます。それ程までに赤犬は邪魔な存在であると言えるでしょう。
※1 40巻397話〝未来へ届きますように〟
※2 79巻793話〝虎と犬〟
※3 65巻660話〝知っておくべき2つの変化〟
※4 66巻SBS
ガープを殺すつもりだったのか
結論から言うと、クザンは元々ガープを殺すつもりは無かったと考察します。
根拠は以下の4つです。
迷っていた
サウロの前例
人質として利用
ガープの生き様に惹かれていた
ガープの生存と今後
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迷っていた
ガープとの戦闘時に気遣いを見せたり、「愛弟子を救う為にかつての一番弟子を殺せんのか!?」と問いかけています。さらに迷いも見抜かれており、全体的に消極的でした。※
※ 107巻1088話〝最後の授業〟
サウロの前例
オハラのバスターコールに出動したクザンは、裏切り者のサウロを粛清し、氷漬けにしました。その後は島の炎によって氷が解けて海に流れ落ち、一命を取り留めています。※
サウロの生存は赤犬に対する反抗意識や、技名などが伏線になっていました。
※ 1133話〝褒めてほしい〟
サウロの動向・考察
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赤犬に対する反抗意識と罪悪感
サウロから民間人を虐殺する事に対して「この攻撃に誇りが持てるのか」と問いかけられた際に「それが今後の世界の為なら仕方ない」「現に学者達は法を破ってんじゃない」と毅然とした態度で対応しました。
しかし、その後に赤犬が避難船を砲撃し、行き過ぎた正義にサウロと同様に憤りを感じています。さらにその後、ロビンを追って来た際に「徹底した正義は時にを人を狂気に変える」と自戒を込めて語り、最終的にサウロの意志を汲み取り、ロビンは見逃すこととなりました。※これには、赤犬に対する反抗意識の芽生えと罪悪感が強く影響していたと読み取れます。
※ 40巻397話〝未来へ届きますように〟
アイスタイムカプセル
クザンの技「アイスタイムカプセル」はタイムカプセルが以下の意味を持つように、サウロ生存の伏線となっていました。
現代文明の成果を、時間の推移と切り離して容器づめにし、未来(例えば5000年後)まで保存し、未来人の現代解明の手がかりにしようとするもの。
出典: 世界大百科事典
人質として利用
ガープが囚われる前、黒ひげはコビーを人質に政府と交渉するつもりでした。
マーシャル・D・ティーチ
『この「海賊島」を一つの国家にしてェのさ!!!「世界政府」に所属する国にな!!おれが国王「黒ひげ王国」ゼハハハハどうだ!?』
コビー
『バカな事言わないでください。罷り通るわけないでしょ!?犯罪者達の国なんて!!!』
マーシャル・D・ティーチ
『おい人の夢を潰すんじゃねェよ!!お前の命と引き換えに交渉するんだ!!』
出典: 『ONE PIECE』107巻1080話〝伝説の英雄〟
その後、コビーを取り逃がした代わりにガープを捕えた件について、黒ひげは上機嫌になっていました。さらに海軍会社「UMIT シッピング」本社に居るラフィットと連絡を取った際には、準備を整えろと指示しています。※
これらの一連の流れから、ガープは黒ひげの海賊島「ハチノス」を世界政府所属の王国にする野望を叶えるための人質となる展開が予想されます。
※ 1126話〝落とし前〟
ガープの生き様に惹かれている
クザンはサウロが道を踏み外し、命を賭してロビンを守ろうした姿勢に親友としての義理を果たすなど、海軍としての使命よりも自身の信条に基づいて行動します。
ガープに対しても、「あんたのそういう所大好きだから、俺も今やりてェ様に生きてんのさ!!」と敵として立ちはだかりつつも、ガープの教えを胸に秘めていました。なので、例え危険な綱渡りだったとしても恩人を生かす道を選ぶと考えられます。
さらに男気や義理など、軍人には相応しくない人情味のあるとして描写されています。(掲げる正義)
基本情報
本名
クザン
通称
青キジ
年齢
47歳 → 49歳
身長
298cm
懸賞金
不明(クロスギルドにおける大将の懸賞金は約30億ベリー)
所属
海軍本部中将(22年前)
→海軍本部大将
→黒ひげ海賊団10番船船長(現在)
悪魔の実
自然系 ヒエヒエの実
覇気
武装色、見聞色
出身
南の海 ベスパ王国領
趣味
昼寝、自由気ままな自転車旅
掲げる正義
燃え上がる正義
→ダラけきった正義
初登場
アニメ:226話〝最も無敵に強い奴? と最も危険な男!〟
漫画:34巻318話〝閉会〟
WT100
36位
声優
子安武人
モデル
松田優作(公式)
変遷
デービーバックファイト編
独断で麦わらの一味を偵察。ロビンの殺害を決断するも、ルフィとの一騎打ちにより阻まれる
ウォーターセブン編
エニエス・ロビーでの一件を見届けた後、再度ロビンに接触し、真意を問う。
新世界編突入直後
赤犬とパンクハザードにて決闘する。敗北後に海軍を辞職。その後、黒ひげのスカウトを受けて黒ひげ海賊団に入団する。
エッグヘッド編
海賊島「ハチノス」にてガープ率いるSWORDと交戦し、ガープを生け捕りにする
年表
49年前
誕生
30年前
海軍入隊
30年前~
海軍士官学校を卒業。後にガープに弟子入りする
~22年前
海軍本部中将に就任
22年前~2年前
海軍本部大将に昇格
2年前
時期元帥の座を懸けて、赤犬とパンクハザードにて決闘。敗北し、海軍を辞職する
1年前
新世界のとある島で黒ひげにスカウトされ、黒ひげ海賊団に入団する
現在
黒ひげと共に海軍会社「UMIT シッピング」本社にて暗躍
時期不明
ゼファーから教えを受ける(FILM Zは魚人島~パンクハザード編の間)
掲げる正義
クザンの掲げる正義は「ダラけきった正義」。昔は「燃え上がる正義」でした。※1その他にクザンの人柄や正義感が読み取れる描写は以下の通りです。
クザンの人柄と正義感
親友サウロの意思を汲み取り、ロビンを見逃す※2
赤犬の徹底した正義に対して憤りを覚える※2
友達であるスモーカーの危機に駆け付ける※3
ガープの自由な性格に好印象を持ち、その姿勢を倣う※4
ゼファー離反後に酒を酌み交わしたり、死後は残された部下を激励する。また生き様に共感して、かっこいい男になりたいと思う※4
※1 66巻SBS
※2 40巻397話〝未来へ届きますように〟
※3 70巻698話〝ドフラミンゴ現る〟
※4 『ONE PIECE FILM Z』
赤犬との決闘
2年前クザンと赤犬は時期元帥の座を懸けて決闘しました。ある島とはパンクハザードを指しています。
ジンベエ
『あの2年前の戦争の直後センゴク元帥が職を下りてな。センゴクは時期元帥の座には部下からの信頼も厚い青キジを推したが政府上層部には赤犬を推す者が多く有力になった。
普段は特にやる気など見せん青キジじゃが赤犬が元帥になる事にだけは強く反発した…二人は対立し前代未聞の大将同士の抗争はついにある島での”決闘”にまで発展した。死人に口なし敗者には一切の口出しはできぬ。海軍の指揮は勝者の手に委ねられる。
十日にも及ぶ死闘はもはや世界の語り種。実力はほぼ拮抗したが決着は…ついた。勝者は「赤犬」!!海軍の”新元帥”はサカズキじゃ…!!!』
モンキー・D・ルフィ
『青キジは死んだのか?』
ジンベエ
『両者は壮絶な深手を負い目の前で立ち上がれぬ同志に…さすがの赤犬も情けをかけた…─赤い布下になど就けぬ青キジは…海軍を出たわい』
出典: 『ONE PIECE』66巻650話〝知っておくべき2つの変化〟
まとめ
未だ真意が掴めないクザンですが、ひとつなぎの大秘宝に近しい人物にも挙げられた事は大きなヒントとなっていました。これまでの動向から海賊王の野望を抱いているとは考えにくいので、「ひとつなぎの大秘宝を見つけた者に世界の運命が委ねられる」というベガパンクの言葉通り、何らかの大望を抱いている線が高いでしょう。
最終的には黒ひげを裏切る展開が予想されるため、黒ひげが政府と交渉した末には一悶着が起こる事となるでしょう。
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