お土産屋の片隅にある立ち食いそばが実は伝説の店! 金沢駅『白山そば』で感じるカレーそばの下剋上
誰が呼んだか北陸四大立ち食いそば。その概念は前回福井で訪れた『今庄そば』の記事でお伝えした通りだが、金沢にも北陸四大立ち食いそばと言われる店がある。それが金沢駅の『白山そば』だ。
北陸に来たことだしせっかくなら食べておこう。そう思った私(中澤)は金沢駅の改札を出た。どうやら、白山そばは駅そばだけどあるのはホームじゃないらしい。
・隠れてる
新幹線駅である金沢駅は北陸を代表するような巨大さを誇る。ドームみたいな形状は街のシンボルになっているレベルだ。ゆえに、駅直結のショッピングモールもあったりする。
改札を出てすぐに「デーン!」と目の前に入口を開けていたのが『金沢百番街 Rinto』だ。白山そばはこのRintoの1階にあるらしい。デパ地下みたいな雰囲気なんだけど、本当にこの階に立ち食いそば屋があるのだろうか? と思いきや……
お土産屋の奥に立ち食いそば屋らしきスペースがチラ見えしている。よく見ると、確かに白山そばの文字も確認できた。駅そばが改札外ショッピングモール内なのはまだしも、さらにお土産屋の奥の片隅に潜んでいる。隠れすぎだろ!
・実は開業71年
思ったより目立ってなかった白山そばだけど、金沢経済新聞によると開業は1954年だから今年で71年目となるようだ。2009年まではホームにも店舗があったけど、色々あって今の場所となっているようである。
メニュー価格的には「かけそば(390円)」からあるのでデパートの中にあれど駅そば然とした安めの価格。「白えびかきあげそば(620円)」や「能登牛コロッケそば(560円)」など金沢みを感じられるならではなメニューもある。
・裏メニュー
さらに、この店において一部で知られているのが天ぷらラーメンだ。「天ぷらそば(税込560円)」のそばをラーメンに変更するというもので、「和風ラーメン(580円)」も提供しているからこそ対応可能な裏メニューというわけだ。
ただ、私はラーメンよりそばが食べたい。ラーメンに天ぷらトッピングを対応してくれるなら、ひょっとして、他のメニューに明記されてないアイデアも対応してくれるのではないだろうか? そう思って注文したのが……
能登牛コロッケカレーそばである。
バッチリ対応してくれた! カレーそばが650円で能登牛コロッケが単品170円なので合計税込820円だった。カレーはレトルトパウチを入れていたけど安っぽい味じゃなくて、食べてみるとしっかりコクがあるカレーソースである。
・邪道ゆえに
さらに、出汁中心の関西風のそばつゆが、カレーに甘みと奥行きをプラスしていた。そんなカレーつゆが分厚くほくほくな柔らかさがある能登牛コロッケに非常に合っている。
そばの風味が塗りつぶされるゆえ、誕生時から邪道と位置付けられているカレーそば。しかしながら、他に変えがたいこのカレーとつゆとコロッケの三位一体。邪道がウマくて何が悪い。むしろ、邪道だからこそ奇跡が起こせるんじゃ!
贅沢さすら感じられる『白山そば』の裏メニュー。凄いものを見つけてしまったかもしれない。旅で疲れた体に染みこむ味にカレーそばの下剋上を見たのであった。
・今回紹介した店舗の情報
店名 加賀 白山そば
住所 石川県金沢市木ノ新保町1番1号 JR金沢駅 金沢百番街 Rinto
営業時間 6:00~21:00
定休日 無休
参考リンク:金沢経済新聞
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.