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猫の『目ヤニ』が増えたら…考えられる6つの原因 上手なお手入れ方法も解説

ねこちゃんホンポ

猫の『目ヤニ』考えられる6つの原因

1.目のキズ

猫の目ヤニが増える原因の一つに、「目のキズ」があげられます。猫は活動的で好奇心旺盛な生き物であるため、日常生活の中で目を傷つけてしまうことが少なくありません。

たとえば他の猫との喧嘩や遊びの最中に爪や物が目に当たったり、外で草木や砂が目に入ったり、室内飼育の猫であっても、家具の角や尖ったおもちゃに触れることで目を傷つける場合もあります。

こうした外傷によって目に傷がつくと、一時的に涙や目ヤニが増加します。

小さく浅いキズであれば、1週間ほどでよくなるケースがほとんどですが、深い傷や感染を伴っている場合は目の表面の角膜が貫通するリスクがあるので、しっかりと治療を受ける必要があります。

2.アレルギー

アレルギーは猫の体が特定の物質に過剰に反応することで起こり、結膜炎といった目の炎症を引き起こします。そしてその結果、涙の分泌量が増加し、目ヤニが発生しやすくなります。

主なアレルゲンとしては、花粉やホコリ、カビ、さらには人間が使用する洗剤やスプレーといった日用品などさまざま。食べ物が原因となる場合もあります。

アレルギーによる目ヤニの増加を抑えるには、アレルゲンを排除する必要がありますが、それが難しかったり、アレルゲンが不明な場合は早めに獣医師に相談しましょう。

3.感染症

猫の目ヤニが増える原因のひとつが感染症で、猫の場合、猫ヘルペスウイルスや猫クラミジアなどがあります。

感染猫の鼻・口からの分泌物を介して感染することが多く、接触はもちろん飛沫でも感染します。子猫や免疫力が低下している猫は、重症化リスクが高いので注意が必要です。

猫がこれらのウイルスに感染すると初期のほうはサラサラの目ヤニが出てきますが、やがて涙が増えるなどの症状に加え、目ヤニが黄色や緑色に変色することがあります。

そのため症状に気づいたら、なるべく早く動物病院で診察を受けることと、ワクチン接種や室内飼育といった感染症の「予防」も行いましょう。

4.眼科疾患

代表的な眼科疾患は結膜炎、角膜潰瘍や緑内障、ブドウ膜炎などです。これらの疾患は、目の表面や内部に異常をきたすのですが、それに伴って猫の目ヤニの分泌が増えたりします。

注意すべきは、こういった眼科疾患は痛みや不快感だけでなく、放置すれば失明の危険性があることです。そのため飼い主の迅速な対応が重要となってきます。

目ヤニが増える原因が眼科疾患によるものかどうかを判断するには、他の症状(目の充血、腫れ、まばたきの頻度増加、全身状態など)を確認する必要があります。

目に影響を及ぼす全身疾患が隠れている可能性もあるので、1日で改善が見られない場合や、元気食欲の低下など他の症状がある場合は早急に動物病院で診察を受けましょう。

5.腫瘍

猫の目ヤニが増える原因として、鼻の腫瘍が関与していることがあります。意外に思うかもしれませんが、目と鼻はつながっているため、鼻の異常が目に影響を及ぼすことがあるのです。

猫の鼻に腫瘍ができると、涙腺や涙の排出口が圧迫され、涙の正常な分泌や排出が滞って目ヤニが増えたり、膿んでしまうことも…ほかにも鼻血や顔の変形、くしゃみなどの症状が見られることがあります。

とくに高齢の猫に多く見られるため、気になる症状があらわれた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

6.異物

異物とは目に入り込んだ小さなゴミやほこり、さらには砂や毛など、日常生活の中で目に触れるあらゆるもののほかに、逆さまつげなどの慢性的なものも含まれます。

これらの異物が目に入ると、猫の目はそれを排除しようと反応を起こすのですが、それによって目ヤニが増えるのです。そして、その目ヤニや異物を押し流そうとして涙も増えます。

また異物が入ると目に違和感が生じるため猫はしきりに目をかいたりするのですが、それが原因で炎症が広がると、ほかの弊害が発生するリスクも高まるので注意が必要です。

飼い主は目ヤニの増加や猫の異常行動を観察し、異物が疑われる場合は無理に取り除こうとせず、獣医師に相談しましょう。

上手なお手入れ方法

猫の目ヤニのお手入れですが、ぬるま湯で優しくふき取るようにしてください。

柔らかいコットンやガーゼを準備し、ぬるま湯で湿らせたら、目の周りに付着した目ヤニを軽く湿らせながらゆっくりと拭き取ります。固まっている場合は無理に引っ張らず、湿らせた状態でふやかしてから除去しましょう。

ただし目ヤニが頻繁に出る、もしくは膿みのような目ヤニが出ている場合は、早めに動物病院で相談してくださいね。

まとめ

猫の目ヤニが増える原因には、今回紹介したものの影響が考えられます。

中には全身疾患の影響で目ヤニが増えることも。

一時的なもの以外は放置すると危険なので、なかなか改善されなかったり、他の症状があらわれた場合は必要に応じて獣医師の診察を受けましょう。

ただの目ヤニと侮らず、猫からのSOSかもしれないと思って対応してくださいね。


(獣医師監修:唐野智美)

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