長澤まさみが体現する、謎多き天才女性絵師 “光と影、そして恋に揺れる応為の姿”『おーい、応為』キャラクターPV
主演に長澤まさみ、共演に永瀬正敏、髙橋海人らをむかえ、大森立嗣が監督を務めた映画『おーい、応為』が、10月17日(金)より公開される。このたび、葛飾応為(長澤まさみ)のキャラクターPVが解禁となった。
時代をまっすぐ駆け抜ける、空前絶後のヒロイン誕生
監督・脚本を手がけるのは、『日日是好日』『星の子』などで人間の奥行きを繊細に描いてきた大森立嗣。主人公・葛飾応為を演じるのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)で脚光を浴びて以来、日本映画界を牽引し続ける長澤まさみ。『MOTHER マザー』(2020)以来となる大森監督との再タッグにして、長澤にとって本作は初の時代劇主演作となる。共演に、応為の父、葛飾北斎役で永瀬正敏、応為の気心知れた友人・善次郎(渓斎英泉)役にKing & Princeの髙橋海人が出演する。葛飾応為を取り巻く人物にも大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太、寺島しのぶら実力派キャスト陣が集結し、知られざる天才絵師・応為の物語に彩りを与えている。
江戸時代、破天荒な天才絵師・葛飾北斎の娘として生まれながら、現存する資料は極端に少なく、その実像はいまだベールに包まれている葛飾応為。背が高く長身で、家事は大の苦手。それでも筆を取れば誰よりも緻密で大胆な線を描き、美人画では父を凌ぐと評された。型破りで常識にとらわれないその姿は、時代を超えて<ミステリアスな存在>として語り継がれている。
映像では、火事を「格好が良くて、綺麗でしょ」と見つめ、その体験から応為の代表作「吉原格子先之図」が生まれる瞬間を捉えている。一度、夫と離縁して北斎の元に戻るが、北斎の門弟で売れっ子絵師・初五郎/魚屋北渓(大谷亮平)から「俺は好きだな、お栄ちゃんの美人画」と告げられ、淡い恋心に揺れながら生き方を模索する姿も描かれている。兄弟のような存在の善次郎(髙橋海人)から「寂しくなったりしないのかい」と問われるシーン、さらに母・こと(寺島しのぶ)に「女は赤いものをつけると優しくなれるものだよ」と諭されるシーンなど、絵師としての才気と、一人の女性としての孤独や恋心が交錯する応為の姿が映し出されている。
応為の現存作には「吉原格子先之図」や「夜桜美人図」のように、光と影のコントラストが際立つものが多い。浮世絵監修の向井大祐、松原亜実は「光と影のコントラストや色彩感覚は北斎とは異なる独自性を感じる」「大量に複製される版画とは異なり、肉筆画が多く残されているのも応為の特徴。依頼や注文がなければ描かれない肉筆画を多く手がけていたこと自体が、彼女の確かな技量を物語っている」と分析。そのうえで「女性だからではなく、一人の絵師として確立した存在。現代的なバイタリティを持っていた」と評価している。大森立嗣監督も「才能があるのに、さらに上をいく天才である北斎のそばで生きることを選んだ。その姿が描きたかった応為なんだと思う」と語り、長澤まさみは「知れば知るほど、味わい深い人物で、実際に彼女に会ってみたいと思った。絵や北斎に対しては、まるで人生そのものをかけているようで、勇ましく神々しい。その全てに憧れを抱きながら演じていた」と振り返る。
豪胆で自由な絵師でありながらも、恋に迷い、傷つきながら自分の信念を貫き、男社会を駆け抜けた応為。その先駆的な存在を、長澤まさみが初の時代劇映画主演で体現する。
『おーい、応為』は10月17日(金)より全国公開