MLBが5選手を「スポーツベッティング規則と方針の違反」で処分 パドレスのトゥクピタ・マルカノが永久追放に
現役選手の永久追放は100年ぶり
MLBは現地時間4日(日本時間5日)、サンディエゴ・パドレスのトゥクピタ・マルカノをリーグのスポーツベッティング規則と方針に違反したとして、永久資格停止リストに加えたことを発表した。
また、オークランド・アスレチックスのマイケル・ケリーとマイナーリーガーのジェイ・グルーム(パドレス傘下)、ホセ・ロドリゲス(フィリーズ傘下)、アンドルー・サールフランク(ダイヤモンドバックス傘下)の4名もリーグのギャンブル規則に違反していたことが明らかとなり、1年間の出場停止処分が言い渡された。
MLBでは「いかなる選手、審判、クラブやリーグの役員または従業員が、自らの職務に関連する野球の試合に対して、いかなる金額でも賭けを行った場合、永久資格停止となる」と規則に明記がある。また、この中には「職務に関係のない野球の試合に対する賭けについても、1年間の資格停止」という記載もある。
マルカノは2022年から2023年にかけて、合法的なスポーツブックメーカーを通じて387回の賭博を行い、うち231回はMLBに関連するベッティングが行われていたという。その金額は15万ドル(約2330万円)以上にのぼり、このうち8万7319ドル(約1350万円)がMLBに関するベッティングだった。
さらにこの期間に行ったMLB関連のベッティングのうち、25回は当時自身が所属していたパイレーツの試合が含まれていたことも明らかに。ただし、マルカノは昨年7月に膝の故障で負傷者リストに入っており、賭けを行った試合には出場していなかった。
今季から古巣パドレスに復帰して故障からの復活を期すところだったが、24歳の若さで球界から去ることが決定。現役選手の賭博による永久追放は、1924年のジミー・オコネル以来で実に100年ぶりとなる。
5選手全員異議申し立てはなし
このほか、ケリーは2021年10月に9つのMLBの試合で10回のベッティングを行っていたことが判明。合計99.22ドル(約1万5400円)を賭けて5回賭けに勝ち、28.30ドル(約4400円)の利益を得たという。なお、当時はアストロズ傘下の3Aに所属していたため、賭けを行った試合への出場はなかった。
グルームは2020年から2021年にかけて32回のMLBに関する賭けを行い、総額は453.74ドル(約7万円)。433.54ドル(約6万7000円)の損益を被ったという。こちらも自身がマイナーリーグに所属していた時期で、賭けを行った試合には出場していない。
ロドリゲスは2021年から2022年にかけて野球に関するベッティングを31回行い、うち28回がMLB関連、残りの3回は大学野球の試合に関するもの。合計749.09ドル(約11万6000円)を野球に賭け、うち724.09ドル(約11万2000円)がMLB関連の賭けに費やされた。こちらも当時はマイナー契約下にあり、賭けを行った試合への出場はない。
サールフランクは2021年から2022年にかけて29回の野球に関するベッティングを行い、そのうち28回がMLB関連、1回は大学野球に関する賭けだった。賭けに使った金額は合計445.87ドル(約6万9000円)で、うち444.07ドル(約6万9000円)をMLB関連の賭けに使用。損失額は272.64ドル(約4万2000円)だった。こちらもベッティングが行われたのはマイナーの負傷者リストに入っていた期間で、賭けを行った試合への出場はなかった。
なお、5選手はいずれも今回発表された処分に関して異議を申し立てていないという。
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記事:SPAIA編集部