これってファウル? サッカーにおけるショルダーチャージの基準
サッカーはコンタクトスポーツであるため、ピッチ上では激しい攻防が繰り広げられます。
その中でも、ショルダーチャージは、正しく行えば合法的なプレーですが、一歩間違えるとファウルとなる、非常に判断の難しいプレーの一つです。
この記事では、サッカーにおけるショルダーチャージの定義、ルール、そしてファウルとの境界線について詳しく解説し、試合観戦をより一層楽しめる知識を提供します。
<目次>
1.ショルダーチャージとは?
2.サッカーにおけるショルダーチャージの定義
3.ルール上のショルダーチャージの基準
4.ショルダーチャージとファウルの境界線
5.審判によるショルダーチャージの判断基準
6.シーズン初戦でのショルダーチャージの扱い
7.ゴールや得点に影響を与えるショルダーチャージ
ショルダーチャージとは?
ショルダーチャージとは、文字通り自分の肩を使って相手選手に接触し、ボールを奪ったり、進路を妨害したりするプレーです。ただし、単に肩と肩をぶつければいいというわけではなく、ルールに基づいた正しい方法で行われなければなりません。
サッカーにおけるショルダーチャージの定義
国際サッカー評議会 (IFAB) が定めるサッカー競技規則では、ショルダーチャージは「肩を使って、相手競技者と同じ方向に走っているか、または走ろうとしているときに、ボールをプレーするために行うもの」と定義されています。
つまり、以下の3つの条件を満たす必要があります。
肩で接触する:肘や腕、頭を使ってはならず、肩で接触することが必須条件となります。
相手と同じ方向に走っている:真横や後ろから来る相手に対してショルダーチャージを行うことはできません。
ボールをプレーするため:単に相手選手を転倒させることが目的であってはならず、ボールを奪う、あるいはキープするためにショルダーチャージを行う必要があります。
ルール上のショルダーチャージの基準
競技規則では、ショルダーチャージが合法となるためのより具体的な基準も定められています。
例えば、 腕の位置: 腕を広げていたり、肘を上げていたりする場合は、たとえ肩で接触していてもファウルとみなされます。腕は体に密着させておく必要があります。
勢い:過剰な勢いで相手選手に突っ込む行為は危険とみなされ、ファウルの対象となります。
ボールとの距離:ボールから離れた場所でショルダーチャージを行うことは、チャージングとみなされファウルとなります。
これらの基準を満たさないショルダーチャージは、ファウルとみなされ、フリーキックやペナルティキック、場合によっては警告や退場の対象となります。
ショルダーチャージとファウルの境界線
ショルダーチャージとファウルの境界線は非常に曖昧で、審判の判断に委ねられる部分が大きいと言えます。
特に、試合の状況や選手の体格差、接触の強さなど、様々な要素が考慮されるため、同じようなプレーでもファウルと判定される場合もあれば、そうでない場合もあります。
例えば、わずかに腕が開いていた、勢いが強すぎた、ボールから離れた場所でチャージしたなど、些細な違いがファウルとなるかどうかの分かれ目となることがあります。
審判によるショルダーチャージの判断基準
審判は、ショルダーチャージの際に以下の点を考慮して判断を下します。 選手の安全: 選手の安全を第一に考え、危険なプレーと判断した場合は、迷わずファウルの笛を吹きます。 有利の原則: ファウルかどうかの判断が難しい場合には、有利の原則に基づき、より競技を円滑に進めるために有利な方に判定を下すことがあります。 試合の流れ: 試合の流れや両チームのプレーの激しさなども考慮し、一貫性のある判定を心がけます。
シーズン初戦でのショルダーチャージの扱い
シーズン初戦など、審判がまだ試合の雰囲気や選手のプレー傾向を掴みきれていない段階では、ショルダーチャージに対してやや慎重な判定となる傾向があります。
ゴールや得点に影響を与えるショルダーチャージ
ショルダーチャージが、ゴールや得点に直接繋がるような重要な場面で発生した場合は、審判はより慎重に判定を下す必要があります。ビデオアシスタントレフェリー (VAR) の導入により、このような重要な場面での判定の精度向上も期待されています。 この様に、ショルダーチャージは状況によって判断が変わる非常に難しいプレーです。
ルールや基準を理解した上で、試合を観戦すると、よりサッカーの奥深さを感じることができるでしょう。