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井上尚弥を負かすとしたら中谷潤人かも…ボクシング「夢の対決」に期待高まる

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中谷潤人,Ⓒゲッティイメージズ

無敗の3階級制覇は史上3人目の快挙

プロボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチが24日、東京・両国国技館で行われ、同級1位・中谷潤人(26=M.T)が王者アレハンドロ・サンティアゴ(28=メキシコ)に6回TKO勝ちし、日本男子選手では史上7人目の3階級制覇を達成した。

試合は序盤から身長173センチの体格とスピードで勝る中谷が159センチの王者を圧倒。5階級制覇のノニト・ドネア(41=フィリピン)に勝ってベルトを巻いた王者の強打を空転させ、リズムに乗らせない。6回に左ストレートで最初のダウンを奪うと立ち上がったサンティアゴを連打で再び倒し、レフェリーはカウントせずにストップした。

中谷は27戦全勝(20KO)と無敗レコードを伸ばし、WBOフライ級、WBOスーパーフライ級に続く3つめのタイトルを獲得。無敗での3階級制覇は井上尚弥(30=大橋)、田中恒成(28=畑中)に次いで史上3人目の快挙だ。

WBCバンタム級王座は辰吉丈一郎、長谷川穂積、山中慎介、井上尚弥ら歴代の名王者が名を連ねるタイトル。試合後のインタビューでは「光栄に思うし、気が引き締まるのでこれからも頑張りたい」と初めて手にした緑色のベルトに笑顔だった。

比嘉大吾、武居由樹ら日本人ランカー多数のバンタム級

気になるのは、強い勝ち方で一気にバンタム級の“主役”に躍り出た感のある中谷の今後だ。

現在WBCバンタム級2位にランクされるのはヴィンセント・アストロラビオ(26=フィリピン)。19勝(14KO)4敗の強打者で、井上尚弥が返上したWBOバンタム級王座を2023年5月にジェイソン・モロニー(33=オーストラリア)と争って12回判定負けしたが、同年8月のWBCバンタム級挑戦者決定戦ではナワポーン・ポーチョークチャイ(32=タイ)に11回TKO勝ちしている。中谷が王者となったことで、順当ならアストロラビオが1位に上がるだろう。

また、バンタム級には日本人の世界ランカーが多く、WBC6位は東洋太平洋バンタム級王座に3度の返り咲きを果たしている栗原慶太(31=一力)。7位に15連続KO勝利の日本タイ記録を持つ比嘉大吾(28=志成)が続き、9位は前日本バンタム級王者・堤聖也(28=角海老宝石)、10位はK-1からボクシングに転向後8連続KO勝利の武居由樹(27=大橋)と国内で腕を撫すボクサーがひしめく。

日本人同士の世界戦なら盛り上がることは間違いなく、いずれもハードパンチャーのためKO必至の好カードとなる。

ネクスト・モンスターがモンスターに挑む?

さらに同日のリングで9回KO勝ちし、WBAバンタム級王座の初防衛に成功した井上尚弥の弟・拓真(28=大橋)との統一戦も、実現すれば話題性は高い。

中谷は「ネクスト・モンスター」の異名を持ち、元祖「モンスター」井上尚弥の弟を倒せば、「次は兄と」という期待も高まる。ネット上ではすでに井上尚弥との対戦を期待する声もあり、体格的にも中谷がスーパーバンタム級に上げることへの違和感はない。

バンタム級で防衛を重ねるか、統一を果たせば、自然と井上尚弥への挑戦も現実味を帯びてくるだろう。

しかも、中谷ならモンスターに初黒星をつける可能性も決して否定できない。もちろん、すぐに実現するわけではなく、お互いに勝ち続ければの話だが、そう遠くない将来、「夢の対決」が見られるかも知れない。

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記事:SPAIA編集部

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