冬の風物詩「川渡餅」 上越市の菓子店で12月1日まで販売
郷土の戦国武将、上杉謙信の故事にちなんだあんころ餅の「川渡餅」が2025年11月30日と12月1日の2日間、新潟県上越市内の菓子店などで販売されている。コメの価格高騰を受け、昨年より20円値上げし150円(税別)での販売となったが、初日には朝から多くの人が買い求めていた。
《画像:川渡餅を買い求める客(御菓子処かの子本店)》
川渡餅は上杉謙信が川中島の戦いで千曲川を渡る際に、餅を兵に配って士気を高め、武田軍に勝利したという故事に由来する。毎年11月30日、12月1日限定で販売され、上越地域では無病息災を願って食べる冬の風物詩として親しまれている。
《画像:つぶあんとこしあんの2種類がある》
市内で2店舗営業する御菓子処かの子では、11月30日の深夜から仕込みを始め、県産餅粉と北海道産小豆を使ったつぶあんとこしあんの2種類を、約5万個製造する。スーパーに卸すほか、店舗では2日間で約1万5000個を販売する予定。
《画像:パック詰め作業に追われる従業員》
同市栄町の本店では、朝から途切れることなく客が訪れ、川渡餅を手に取っていた。育児休暇で市内の実家に帰省していた神奈川県の会社員男性(31)は「寒くなってきた頃に食べる季節を感じる味。今年第1子が生まれたので、家族みんなで健康に過ごせるように食べたい」と微笑んだ。
かの子の町田善久専務取締役(52)は「各菓子店で同じものを販売する特別な日。あんこの味などにそれぞれの特徴が出るので、ぜひ食べ比べを楽しんでほしい」と話している。