【ワンピース】ビンクスの酒の伏線考察｜歌詞のメッセージ、神典とエルバフの壁画との関連性【ネタバレ注意】
本記事は『ONE PIECE』に登場する「ビンクスの酒」の解説・考察です。
本記事は『ONE PIECE』単行本最新刊および、ジャンプ本誌最新話のネタバレを含みます。
ビンクスの酒とは
ビンクスの酒とは、最低52年以上前から海賊の間で親しまれた楽曲。ブルックが演奏した際には、ルフィ「シャンクス達が唄ってた」ロビン「懐かしい曲」と現在の認知度の高さも伺えました。
陽気なメロディと海賊の旅路を綴ったような歌詞で構成されており、その中には、物語の展開を示唆する重大な伏線が隠されているのではないかと考察されています。
商品化され、ウタの楽曲も担当した「Ado」。サンジまでの麦わらの一味がcoverしています。
作詞作曲した尾田栄一郎曰く「実は目標は音楽の教科書に載る舟唄だったんだけど、“酒”って単語使っちゃったので、もうあきらめました。」とビンクスの酒を通して、『ONE PIECE』をさらに広めたい意図が窺えました。
また歌詞の「ヨホホホ」は、ブルックの笑い声とも重なり、音楽家として影響を受けたと考えられます。
各パートの解説
ビンクスの酒は大きく4つのパートで構成されています。
第一節「旅立ち」
第二節「冒険と航海」
第三節「別れ」
第四節「ラフテルへ」
一部の歌詞は作中の要素と重なっており、全体を通してポーネグリフを各地にばら撒いたもしくは、探して「ラフテルで宴をしよう」というジョイボーイからのメッセージと考えられます。
ジョイボーイの関連情報
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第一節「旅立ち」
第一節は大海原に揉まれる様子や、「さよなら港」「おれ達ゃゆくぞ 海の限り」とあるように出航を表現しています。
注目すべきは光月家の特徴と一致する歌詞が2回に渡っての登場。光月家はポーネグリフを製造した石工一族でもあり、ポーネグリフはイムの思惑を阻止するべく各地にばら撒いた意図があります。
よって、第一節の裏メッセージは光月家が世界の各地にポーネグリフをばら撒く様子を表現していると解釈できます。
イムの正体
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空にゃ 輪をかく鳥の唄
「輪を描く鳥」は光月家の家紋の特徴と一致します。
さよなら港 つむぎの里よ
「つむぎ」とは絹織物。
ここでも光月家の住まうワノ国で流通している着物と一致します。よって、「里」とはワノ国を指していると考えられます。
第二節「冒険と航海」
第二節は船内の生活や、航海中に見たであろう情景が読み取れます。冒険と航海の様子を表現しているのでしょう。
ルフィの冒険と重なる点が多々あり、裏メッセージはジョイボーイの航海記録と考えられます。
ジョイボーイの関連情報
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我ら海賊 海割ってく
歌い手は海賊と明言されました。ジョイボーイは原初の海賊なので、関連性が生じます。
割れた海は、エニエス・ロビーの特徴と一致します。
帆に旗に 蹴立てるはドクロ
「ドクロ」とは、海賊旗の象徴でもあります。前の歌詞が「我らは海賊」だったので、海賊船の航海と分かります。
嵐がきたぞ 千里の空に
千里の空とは4000kmの上空を意味します。（一里=4km）
空島は白海が上空7000m。白々海が上空10000mと、空島の情景を表していると考えられます。
波がおどるよ ドラムならせ
「ドラム」は、ニカの心音や伝承のリズムにある「どんとっと♪」との「解放のドラム」を指していると考えられます。ジョイボーイも、ルフィと同じくゴムゴムの実の覚醒者でした。
ルフィとジョイボーイの関連性
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第三節「別れ」
第三節は「もう会えないよ」と悲観的になりつつも、「明日も月夜よ」と明るい意味も含まれています。仲間達との別れを表現していると解釈できます。
ルフィ達の冒険も各パート終了後には、島の住民達と別れる際に涙を浮かべつつも、笑って出航していました。
第一世界は死と闇で包まれた
「宵」とは、ゆうべ。よるを意味します。神典でも、業炎の蛇によって第一世界が死と闇に包まれました。
宵闇という言葉がある様に、「宵」は第一世界が滅びた情景を表現しているという見方もできます。
神典の解釈
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第四節「ラフテルへ」
最終節である第四節は、ラフテルの由来が「Laugh tale（笑い話）」であるように、最後にラフテルへ到着する様子を表現していると考えられます。
全体的に明るい意味合いが多く、何らかの目的が達成されたような印象も受けます。
ひとつなぎの大秘宝の正体
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どうせ誰でも いつかはホネよ
やや皮肉めいた死生観を表現しつつも、どことなく愉快な印象を受けます。
処刑台で笑ったロジャーとルフィも死の直前で笑っており、関連してジョイボーイも同じような結末を辿ったのではないかとも考えられます。
果てなし あてなし 笑い話
「笑い話」はラフテルの由来と完全に一致します。
ラフテルに到着したロジャーは、島にあった莫大な宝を見ては「ジョイボーイ。お前と同じ時代に生まれたかった」と共感していました。2人の思想が共通しているとの見方から、歌詞全体がジョイボーイとの関連性を示唆しています。
ロジャー海賊団の航海のリンク
96巻966から967話にかけるロジャー海賊団の航海では、主に以下の出来事がありました。
ロジャー海賊団の航海
目的はロードポーネグリフを探し、ラフテルを目指す
道中に歴史の本文を発見していた
途中、何度かビンクスの酒が挟む
ビンクスの酒の歌詞と共通点が多く、ロジャー海賊団の旅路こそがビンクスの酒を体現していると考えられます。
道中に歴史の本文を発見
ロジャー海賊団の目的はロードポーネグリフを探す事でしたが、道中に他のポーネグリフも発見していました。
第一節には、ワノ国の特徴と一致する点があり、ロードポーネグリフを探す直前にはおでんを仲間に加えています。
空島はジョイボーイと所縁がある
突き上げる海流によって空島へ飛ばされたジャヤは、1000年以上の歴史を持つ国です。原住民は先祖代々からポーネグリフを守る役割を担っています。
ポーネグリフの内容は、ポセイドンの在処に関する情報で、ポセイドンの前任者はジョイボーイとも交流がありました。
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空島とジャヤ、月の人との関連
神典の第二、第三世界に登場する月の人と思われる人物は、月の壁画にも登場します。そして空島とジャヤの住民は、月の人の特徴と酷似しています。
月の人
下向きの翼
下向きの翼
獣の被り物
カタツムリのような角
※左から
獣の被り物
カタツムリのような角
神典とエルバフの壁画のリンク
ビンクスの酒がラフテルへの道中と仮定すると、神典とエルバフの壁画と以下の内容でリンクします。
神典とエルバフの壁画
ビンクスの酒
彼らはきっと会えるだろう
届けに行く=誰かと酒盛りする
アイランドクジラが登場
ラブーンはビンクスの酒が好き
ハッピーエンド
明るい雰囲気で締める
神典の第三世界は、これから起きる現世の話と言われており、上記の関連性からラフテルを目指すルフィ達の旅と重なります。
神典とエルバフの壁画の解釈
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神典全文
神典
「第一世界」
地に炎あり
人は欲望に負け 禁断の太陽に触れた
隷人は願い “太陽の神”は現れた
地の神は怒り 業炎の蛇と共に世界を死と闇で包んだ
彼らはもう会えないのだ
「第二世界」
虚無に息吹あり 森の神は魔を遣わせた
太陽は戦火を広げるばかりだ
半月の人は夢を見た 月の人は夢を見た
人は太陽を殺し神となり 海の神は荒ぶった
彼らはもう会えないのだ
「第三世界」
混沌に空白あり
不都合な残影は約束の火を思い出し 片われ月の声を聞く
“太陽の神”は踊り、笑い 世界を終末へと導く
太陽は回帰し 新しい朝が来る
彼らはきっと会えるだろう
まとめ
ラフテルに眠るひとつなぎの大秘宝の正体は、一説ではジョイボーイが設けた全種族を交えた宴の準備と考察されています。
各パートの終了後は、宴をするのが恒例です。ジョイボーイの目的が宴を通しての全種族の和平だとしたら、最終回のエンドロールでビンクスの酒が流れるかもしれません。そして、歌詞に込められたメッセージの答え合わせをするように意味深なコマが挿入され…。
あくまで考察に過ぎませんが、そんな展開になったら800年という年月をかけて、ジョイボーイの悲願がロジャーからルフィへと引き継がれてる展開に一層こみ上げてくるものがありますね。
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