セ・リーグ球団別2024年MVP DeNAオースティンがセ界最高!巨人・岡本和真も主砲の活躍
首位打者のオースティンはwRAA48.1
プロ野球セ・リーグは全日程が終了した。最後までもつれる大混戦となったが、巨人が4年ぶりにペナントを奪回。9月1日時点で首位だった広島は4位まで転落する、まさかの展開となった。
ただ、チーム成績とは別に個々の選手で見ると、孤軍奮闘していたり、打線を牽引していたり、活躍度は人それぞれだ。SPAIAでは開幕から143試合のwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「年間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
セ・リーグでwRAAが最も高かったのはDeNAのオースティン。ケガで離脱した時期もあったものの106試合で打率.316、25本塁打をマークし、最後の最後でヤクルト・サンタナをかわして首位打者に輝いた。強力打線のDeNAは牧秀悟がwRAA36.4、宮﨑敏郎がwRAA30.1を記録しているが、オースティンのwRAA48.1は抜きん出ている。
来日1年目の2020年は20本塁打、2021年は打率.303、28本塁打をマーク。ここ2年はケガに苦しんだが、3年契約の最終年でようやく本領を発揮した。
前身の大洋時代からシピン、ポンセ、パチョレック、ローズ、ラミレスら球団史に残る右の強打者が多かったが、オースティンも間違いなくその系譜に名を連ねる優良助っ人だ。
ヤクルト・サンタナ、中日・細川成也も好成績
優勝した巨人は岡本和真がwRAA41.3でチームトップ。タイトルにこそ届かなかったものの、143試合フル出場して打率.280、27本塁打をマークした。好不調の波があっても全試合で4番として出場し、リーグ制覇に導いた主砲として貢献度は高い。
ヤクルトは首位打者こそオースティンに譲ったものの、打率.315、17本塁打をマークしたサンタナがチームトップのwRAA40.9。33本塁打、86打点で二冠王に輝いた村上宗隆のwRAA40.8をわずかに上回った。195センチの大柄ながら広角に打ち分ける打撃技術は特筆ものだ。
3年連続最下位に終わった中日は細川成也がチーム最高のwRAA38.7を記録した。今季は143試合にフル出場して打率.292、23本塁打。現役ドラフトでDeNAから移籍して2年連続20発をクリアし、スラッガーとしての資質が見事に開花している。
阪神・森下翔太、広島・坂倉将吾も貢献
“アレンパ”を逃した阪神は森下翔太がwRAA28.5でチームトップ。2年目の今季は佐藤輝明と並んでチーム最多の16本塁打を放ち、打率(.275)、出塁率(.363)、打点(73)、四球(53)とも昨季を上回った。2年連続日本一へ、ポストシーズンでも爆発が期待される。
9月の急失速で4位に終わった広島はwRAA12.4の坂倉将吾がチームトップ。捕手とファーストで併用されながら打率.279、12本塁打をマークしたのは立派の一語だ。攻守でチームに貢献した点はきちんと評価されるべきだろう。
その他の選手では阪神・近本光司(wRAA20.39)、中日・福永裕基(wRAA20.37)、巨人・丸佳浩(wRAA19.1)、阪神・佐藤輝明(wRAA15.7)、巨人・吉川尚輝(wRAA14.6)らの活躍も目立った。
空前の大混戦となった2024年セ・リーグ。年間MVPに輝いた各チームの選手たちが、その盛り上がりを演出した一人だったことは間違いない。
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記事:SPAIA編集部