レトロな老舗喫茶で優雅な朝を。銀座『トリコロール本店』のモーニングには「カフェオレ」が外せない
喫茶店のモーニングは、トーストとゆで卵にコーヒーが相場だと思っていた。ところが、想定外のモーニングを提供しているカフェがあるという。
【全画像】朝から贅沢気分!銀座『トリコロール本店』のモーニングが最高だった
それが、銀座5丁目にある『トリコロール本店』だ。
趣のある、荘厳な外観に心をうばわれた
そもそも店舗からして想定外…レンガと煙突と回転ドア、そして趣のある荘厳な外観にも心をうばわれた。
回転ドアの向こうに広がる1階の雰囲気も想定外。
モーニングの時間帯では使用しない2階は、もっと想定外。文化財的な雰囲気の客室に度肝を抜かれた。
その頃、1階では、店長がコーヒーをいれている真っ最中。
昨今、喫茶店の大半がペーパードリップを愛用している。ところが、この店はネルドリップ派だった。
電動ミルでひいたコーヒー豆をネルドリップに移した。そのネルドリップに銅のポットでわかしたお湯を注ぎ、時間をかけてコーヒーを抽出する。
「お待たせしました、『アンティークブレンドコーヒー』(モーニング時は600円/以下すべて税込)です。中南米の高地で収穫した豆を少し強めに焙煎したものを使っています」
中煎り特有のコクと、若干酸味がある奥深い味わいだった。
カフェ・オ・レをいれるパーフォマンスにびっくり
アンティークブレンドコーヒーを堪能した後、「モーニング」(930円)を用意してもらった。
「アンティークブレンドコーヒーか、プラス50円で『カフェ・オ・レ』に変更できます」
もちろん、この店で人気だという「カフェ・オ・レ」をお願いした。
しばらくするとスタッフが料理をはこんできた。皿にはトースト、サラダ、バター、ジャムがもられている。
続いて店長が、コーヒーカップと2つのポットをはこんできた。
「コーヒーとミルクは半々でよろしいですか。どちらかを多めすることもできます。お客様のお好みにあわせたカフェ・オ・レをいれさせていただきます」
カフェ・オ・レを頼んだ際、どちらかを多めにするかと訊かれたのははじめて。初回なので半々でお願いした。
コーヒーとミルクが入ったポットを、カップに近づけてそそぎはじめたかと思うと、2つのポットを頭上高く持ち上げてカフェ・オ・レをいれてくれた。
泡立ったカフェ・オ・レを見るのもはじめて。
「泡立てることで空気を含んだ、軽い味わいのカフェ・オ・レを召し上がっていただきます」
このユニークなパフォーマンスが大人気なんだそう。
眼の前でカフェ・オ・レをそそぐパフォーマンスが見たくてカフェ・オ・レを注文するお客が多いそうだ。わかる、わかるその気持ち。
実際、多く人がそのパフォーマンスをスマホで動画撮影している。
カフェ・オ・レをそそぐパフォーマンスが脚光をあびがちだが、豆にも注目したい。ミルクをそそぐので、コーヒーの味わいが残るように深煎りの豆を使っている、そんなこだわりもあるそう。
みずみずしいサラダと厚いトーストに大満足
みずみずしいだけでなく、なかなかのボリューム。レタスのサラダに、パプリカとトマトがそえてあった。
トーストはパン好きが嬉しくなるぐらいおいしかった。サクサクで小麦の風味もある、どこのパンだろうか、
「『ブルディガラ』のパン・ド・ミです。広尾や東京駅にある店舗で同じパンを購入できます」
最近コンビニでは、8枚切りの食パンが人気らしい。けれど、この店のモーニングのトーストは、4枚切りほどの厚みがあり、なかなか食べごたえがあった。
モーニング後にいただいたケーキも美味
モーニングでお腹がいっぱいになるどころか、もう少し食べたくなってきた。
「エクレア」「ショコラ」などもあるが、一番人気は「アップルパイ」(710円)。
「地下の厨房でリンゴの皮をむくところから作っている自家製です。私はアップルパイが苦手でしたが、うちのを食べてアップルパイが好きになりました」
フォークで切ると、パイが音をたててわれた。とろとろに煮込んだ、角切りのリンゴがゴロゴロ。
クリームが甘すぎず、アップルパイのほのかな甘みをひきたててくれる。
6月頃から2階でコースのモーニングを提供
モーニングでは使用していなかった2階で、6月頃から「コーヒーを愉しむ」をコンセプトにしたモーニングを提供するそうだ。
文化財の雰囲気が漂う2階でどんな朝食を食べさせてくれるのか。大いに気になる。
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【店舗情報】トリコロール本店
◼︎住所:東京都中央区銀座5-9-17
◼︎電話:03-3571-1811
◼︎営業時間:8:00~19:00(LO18:30)※モーニングは11:30まで
(うまいめし/中島 茂信)