今どきの20〜30代は恋愛に消極的？「一生結婚するつもりがない」が過去最高。“いい恋愛”への第一歩を専門家がアドバイス
40代以上の世代とは異なる恋愛事情
第16回出生動向基本調査（結婚と出産に関する全国調査）で「一生結婚するつもりがない」と答えた人の割合が男性で17.3％、女性で14.6％と男女とも過去最高を記録しました。
20〜30代が恋愛をしなくなった状況について、生活情報サイトAll About「恋愛・人間関係」ガイドのコラムニスト、ひかりさんにSBSアナウンサー近江由佳が話を聞きました。
近江：早速ですが、20〜30代の人が結婚や恋愛に消極的な心理についてどうお考えですか。
ひかり：良い原因と悪い原因の２つがあると思います。まず良い原因として、今の20〜30代の人たちは40代以上の世代と違って「無理に恋愛をしない」ところがあります。つまり恋愛至上主義に染まっていません。
40代以上の世代は若い頃に恋愛ドラマが全盛期だった影響を受け、好きな人がいなくてもとにかく恋愛しなくちゃという人がすごく多かったんです。でも今の若い人は好きな人がいなければわざわざ恋愛しようと思わないところが大きな違いだと思います。
近江：ポジティブな面もあるんですね。では悪い面はいかがですか。
ひかり：「時間とお金がなくて恋愛する余裕がない」、「傷つきたくなくて踏み込めない」、「恋愛していない人が周りに多いため自分もしなくてもいいと安心してしまう」の3つが挙げられると思います。
近江：出会いの場もかなり変わってきていますよね。その点はいかがですか。
ひかり：40代以上と同じように、友達の紹介、合コン、職場や趣味を通しての出会いは変わらずあると思いますが、今は婚活アプリやSNSで出会うことが増えていると思います。
近江：婚活アプリ、SNS、そうかぁ...。20〜30代の男女は「恋愛したいけどできない」のか、「恋愛が重要ではなくなった」のか、どう捉えたらいいですか。
ひかり：逆に言うと、「不必要に恋愛をしなくなった」というのが大きいと思います。40代以上の世代は好きな人がいなくてもドキドキや楽しみを求めて恋愛をしたいと思っていました。でも今はゲームや推し活など恋愛以外の楽しみが増えているので、そちらに気が行きやすいのは大いにあると思います。
近江：そう考えると恋愛しないことも悪くないと思ってしまいますね。
ひかり：そうですね。今は世の中的にも独身でも生きていきやすいので、無理して恋愛しようと思わないところがあるかもしれませんね。
女性の働き方が変化することで...
近江：最近の社内恋愛事情はどうですか。
ひかり：好きな人が現れれば必然的にしたくなると思います。ただ、一昔前のように職場で結婚相手を見つけて寿退社を目指そう！という人が減ってきている分やはり減ってきているのではないかと思いますね。
近江：飲み会も減ってきた影響もあるんでしょうか。
ひかり：そうですね。やっぱり仕事だけの会話だと表面的でその人本来の魅力は分かりづらいですよね。飲んだ時に見せるその人の普段の姿に惹かれて恋に落ちることもあると思うので、“飲みにケーション”が大事な場面もあります。
上司が部下を飲みに誘いづらくなったと聞きますが、逆に後輩から先輩を誘うなど無理にではなく、飲みたい人とは飲みに行った方がいいんじゃないかと思います。
近江：勉強になります（笑）。
自分を愛することが恋愛の第一歩
近江：恋愛に踏み出しきれない人にアドバイスをお願いします。
ひかり：まずはいろいろな人に会って「好きになれそうな人に出会う」ことですね。人ってやっぱり好きになってしまえば気持ちが高まって動かざるを得ないんです（笑）。
ですが、気持ち的に恋愛できる段階ではない人も意外といるんです。それは自己肯定感が低く、自分を愛せていない人です。自分を愛せない人は人を愛する余裕がないので、まずは自分を受け止めて愛することから始めた方がいい恋愛をしやすくなると思います。
恋愛は片思いから始まることが多い
近江：え〜！どうしたらいいんでしょう？自分を愛するためにやるべきことはありますか。
ひかり：まずは自分をよく知ることです。意外と自分のことを分かっていない人が多いので、良いところと悪いところを紙に書き出したり、友達に聞くのもいいと思います。自分という人物をちゃんと受け止めて、魅力を高めていこうと心がけることです。昨日より今日、今日より明日とちょっとでも痩せ我慢をして魅力を高めると人は自分のことをだんだん好きになっていくんですよ。
近江：恋もアップデートしていくんですね（笑）！ちなみに「いい人が自分に寄ってこない」と嘆く人が結構周りにいますが、それについてはどう思いますか。
ひかり：まずは知らなくてはいけないことがあって「相思相愛は奇跡のようなもの」なんです。だから恋愛はどちらかの片思いから始まることが多いです。人は「自分に興味を持ってくれる人を好きになりやすい人」と「自分の好みでなければ興味を持てない人」の2種類がいて、後者の場合は積極的に素敵な人を見つけたらアプローチをして、ハートを掴んだ方がいいと思います。
近江：おぉ〜。好みの人にしか興味を持てない人はこっちからまず行けということですね。
ひかり：ただ、単に「好き好き」「私を受け止めて」ではなく大事なのは相手をよく観察して理解することです。相手がどうしたら喜ぶのかな、どうしたら幸せになるのかなと考えることでアプローチの仕方が変わってきます。どうしても相手に理解されたいが先に来てしまいがちですがまず「相手を理解する」、「相手を受け止める」ことが大事だと思います。
近江：ちゃんと相手を見て変えなくてはいけませんね。
最後にひかりさんの近著「“子供おばさん”にならない、自分らしい恋愛」はどんな内容ですか。
ひかり：不倫や都合のいい関係など、残念な恋愛をしている人たちに、考え方のアドバイスをした1冊です。恋愛をしなくても幸せになっている人もいるので、無理に恋愛する必要はないことも伝えた恋愛をテーマにした生き方本になっています。
近江：皆さんぜひ手に取ってみてください。ひかりさんありがとうございました。
※2024年5月2日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。今回お話をうかがったのは……コラムニスト ひかりさん
オールアバウト恋愛・人間関係ガイド。2009年に夕刊フジでのコラム連載をきっかけにコラムニストに。近著に書籍『“子供おばさん”にならない、自分らしい恋愛』、書籍『愛される人の境界線』（KADOKAWA)など。ブログ「ホンネの “子供おばさん”日記」で、アメブロ公式トップブロガーとして活動。