「罰ゲーム級に地味だけど美味!」東京湾で【天然の海苔摘み】を満喫 今年は豊漁か
昨年は発育がイマイチ、しかも天候にも恵まれなかったため行かず仕舞いだった東京湾産の天然海苔摘み。今年は順調に育っているとの情報を受け出かけてきました。下処理を含めた「地道すぎる食材調達」をレポートします。
東京湾で天然の海苔摘み!
海苔といえば、パリパリ食感でお馴染みの板海苔が真っ先に想像できるかと思いますが、勿論これは加工品。加工前、いわゆる実際の海苔は、海中の岩等に苔のようについている藻類をさします。
養殖物のように網についたものを専用の機械で効率よく採る作業に比べ、はるかに非効率な……もはや「超」が10個位つくと言っても決して言い過ぎではない位地道な作業になってしまいますが、天然海苔は実際に採ることも可能。晴れた大潮の休日、満を持して出かけてきました。
海苔摘みの時期とタイミング
この、超が20個付く地道な作業の海苔摘みの時期は、年にもよりますが東京湾奥エリアでは大抵1月中旬から2月中旬頃まで。タイミングは晴れて程よく風が吹く大潮の干潮時限定。テトラポットや岩についた天然の海苔は養殖のものとは違って、苔のように短くヌルヌルしていることから、干潮で水面から出たタイミングで適度に乾いた状態で採らなくてはなりません。
かといって、あまり乾きすぎてしまうと剥がれなくなってしまうので不可。更に言うと、この時期に雨が続いてしまうと干潮時に現れる所に生えている海苔は枯れてしまうのでこれも不可。天然海苔を採るには、意外とクリアすべきハードルは高いです。というわけで私自身、3年ぶりの参戦となりました。
採り方
準備する道具等は、濡れたテトラポットがポイントとなることから専用の磯シューズがあればベストですが、なければしっかり溝のあるアウトドアシューズ。それとコンビニ袋の2点。以上。天然海苔採りはとてもお手軽な食材採取です。
ただし先にも軽く触れた通り、作業自体はテトラにへばりついた、例えるなら日焼けして剥けかかった肌(皮)をはがすように、適度に乾いた海苔をペリペリ剥がして採っていくといった、超が30個付く地道な作業。今回は千葉在住の友人に付き合ってもらったのですが「わざわざ埼玉からこのために来るなんて」と笑われてしまいました。とにかくこの天然海苔採り、非効率なんです(汗)
せっかくなので釣りも
わざわざ埼玉から高速道路を使って2時間かけてやってきたので、釣りもセットでやろう、ということで、とりあえずカレイ、シロギス、イシモチが釣れる可能性に賭けぶっこんでおきます。そしてそのまま竿を放置し、突端のテトラ帯へ。
「稀に大物が掛かって竿がもっていかれることもあるよ」と友人から忠告を受けたので、筆者はダイソータックルをチョイスしました。ダイソータックル、こういう使い方もあるんだな、と(笑)
海苔採り開始!
土曜日、大潮。晴れで風はそよそよ。絶好の釣り日和と共に絶好の海苔採り日和。
とりあえず干潮時刻の1時間前に現地入りし、仕掛けをぶっこみ、海苔のポイントに向かいます。この日は東京の最高気温16度。
2週間前に友人が順調に育っていることを確認してくれていたのですが「暖かすぎると枯れるのも早い」と車中で言っていただけにやや心配していたのですが、現場につきテトラ帯をのぞくと、その心配は払しょくされました。
テトラには黒い海苔がびっしりついていました。しかも程よく乾きかけています。これは大漁間違いなしパターン!
袋いっぱいゲット
1時間頑張って天然生海苔コンビニ袋中サイズにいっぱい。
コスパ、タイパ……これをどう評するかは人それぞれの価値観の問題なのですが、少なくとも筆者は座布団ヒラメを釣った時、ラスト1投で提灯行列をやった時、ダイソータックルでオマールエビを釣った時と同等レベルで満足しました!
因みに釣りの方は……エサをかじられた形跡すらなし(汗)冬の陸っぱりちょい投げ釣りはやはり厳しかったです。
帰宅後は地道な下処理
帰宅後はボールを2つ用意し、移し替えながら水洗いし、混じった小石を取り除いていきます。
それが済むと、今度は少しずつ手で磨り潰すようにして「根」を見つけて取り除いていきます。実はこの根、混じった小石同様に硬いので、全て取り除いてやらないと後で食べた時に「ガツッ」と。採る際と同様、とても地道な作業となります。
板海苔を作る
海苔パスタ用、甘露煮用等はこの根を取り除く作業で下処理は終了なのですが、板海苔を作るとなるともう一手間、二手間が必要。写真で説明していきます。
本来なら翌朝にこの作業をして、そのまま天日干しがベストなのですが、翌日筆者は外出の予定があることに加えて朝方雨予報であったことが重なり、この作業を当日の夕方に済ませそのまま冷蔵庫へ。
風味は若干落ちてしまうかもしれませんが(そうでもなかった!)、今回はこの方法で板海苔を作りました。
海苔料理色々!
家族の評価は、余った生海苔で作った磯辺揚げが一番でした(笑)
※海苔は一部漁業権が設定されている区域があるので事前に必ず確認を!
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>