大学内にレトロな薬局が出現!経営者の生涯と時代を学ぶ、神戸・学園都市の『中内㓛記念館』 神戸市
神戸市西区学園都市にある『流通科学大学』。ここには「大学の中だっけ?!」と思わず驚いてしまう、“レトロな薬局”があるんです!この薬局を再現した展示の地下にある『中内㓛記念館』は、経営者として名高い実績を数多く残し、さらにこの大学を設立した中内㓛さんの足跡をたどるスポットなんです。
同大学内にあり、国民お馴染みのスーパーマーケット「ダイエー」の歴史を肌で感じられるスポット『ダイエー資料館』に感銘を受けた筆者はさっそくこの施設を訪問。まずは地階の記念館から見ていきましょう。
以前より「学生に熱い思いを伝える空間」としてこの資料館を構えていたそうですが、中内さんが亡くなられた2005年に本格的に記念館として展示を開始。経営者として、そして大学理事長として活躍した功績を、貴重な資料と共に振り返ることができます。
入ってすぐのエントランスホールでは、中内さんの激動の半生を描く映像資料が来館者をお出迎え。8分ほどの内容ですが、かなり見ごたえたっぷりでした!
中内さんの人生のターニングポイントがしっかりと描かれているので、これから見られる資料がより分かりやすくなるので、ぜひ座ってじっくり観てくださいね。
同じスペースで見ることができる年表では、中内さんの人生とその時代の社会情勢、流通政策がまとめられています。
内容を更に深めたい人には音声ガイダンスを利用することにより、展示内容をより詳しく知ることができますよ。
突如現れた「握手してみませんか?」のメッセージとこの手形では、中内さんと時を超えて握手することができますよ。
お次の部屋へ進むと、奥にはダイエー第一号店の商品棚を再現した展示が登場。今でも販売される馴染みのある商品も並んでおり、思わずテンションが上がります。
映像資料も豊富な同館。こちらの「流通革命映像コーナー」では、流通の世界で中内さんが戦い続けた軌跡を多彩な映像コンテンツで紹介。
中内さんが在籍されていた神戸三中(現・兵庫県立長田高等学校)の運動会の映像もあり、地元の人にも楽しめる内容でした♪
さらに館内では中内さんの写真や肖像や、野球チーム『福岡ダイエーホークス』のグッズや、ダイエーでの功績を称え贈られたとっても大きな地球儀など、じっくり見ても飽き足らないほどのコンテンツが満載。当時の様子や中内さんの人柄も伺えます。
筆者が興味深かったのはこちらの「執務室再現」。机の上には経営学の書物や認印のほか、実際に使用されていた様々な名札も数多く展示されています。
中でも、亡くなる前年(当時81歳)に自動車の運転免許を取得した際の領収書も掲示されており「こんな資料も!」と思わずびっくり。何度も試験に挑戦したことが分かり、旺盛なチャレンジ精神が伺えます。
ほかにも在学生や卒業生に宛てて書かれたハガキ「from理事長」をまとめた冊子もありました。直筆で書かれたメッセージも多く、中内さんの“筆まめさ”も伝わってきます。
同館地上では冒頭でも紹介した『サカエ薬局』が。1926年に神戸市兵庫区東出町に中内さんの父・中内秀雄さんが開業した『サカエ薬局』を見ることができるんですが、実は室内も見学できるようになっています。
実際の写真も掲示されているため、その様子を想像しながら観るとさらにイメージが湧きます。記念館でも紹介されている、中内さんが戦地のフィリピンからこの場所へ帰還した際のエピソードは必見です。
個人の記念館としては想像以上に膨大な資料数があり、当時の経済界や社会情勢を学びながらもその生涯を体感できるような臨場感たっぷりの展示は必見。じっくりと観ると1時間以上は楽しむことができそうな同館で、経済界をリードし続け学生たちに熱い想いを託した中内さんをより身近に感じることができました。
ほかにも同学内の学食2階には日本で唯一の『キャッシュレジスター博物館』があり、こちらも見どころが満載です!
場所
中内功記念館
(神戸市西区学園西町3丁目1番 流通科学大学キャンパス内)
時間
10:00〜15:00
※要予約
休館日
土日祝
入館料
無料