犬が『ご飯を残してしまう』時の心理3つ 確認すべきポイントから対処法まで解説
犬がご飯を残してしまうときの心理
犬がご飯を残すとき、身体的なトラブルだけでなく心理的な問題が影響していることもあります。まずはなぜご飯を残すのか、理由を知るために、犬の様子をしっかりと観察しましょう。
1.体調が悪い
普段はよく食べる犬がご飯を残すとき、まず考えられるのが体調不良です。実際に痛みを抱えているだけでなく、なんとなく体に違和感や異変を感じているときにも、犬は食べることをやめて休むことを重視することがあります。
一時的な不調であれば、自然とご飯を食べるようになりますが、3日以上ほとんど食事をとらない場合や1日中水分もとれていない場合は動物病院に連れて行くようにしましょう。
特に、下痢や嘔吐などの症状が見られたり、元気がなく寝てばかりいたりする場合は、すぐに受診するようにしましょう。
また、胃腸のトラブルなどではなく、歯や歯茎など口内のトラブルで食べられない場合もあります。食べようとしているのに時間がかかったり、途中でやめてしまったりする場合は、口内に傷やできものなどがないか確認してみましょう。
2.不安やストレスを感じている
人間でも不安やストレスが大きいとき、あまり食欲がわかないという人もいるのではないでしょうか。それは犬にも同じことが起こるとされていて、精神的な負担をかかえているとご飯を食べなくなってしまうことがあります。
特に引っ越しや旅行など、慣れない場所に行ったときや環境が変わったときにご飯が食べられなくなる犬は多くいます。
その多くは、環境に慣れると自然にご飯も食べられるようになるので、あまり心配しすぎずに見守りましょう。また、犬を安心させるためにスキンシップやコミュニケーションを多くとるようにするのもおすすめです。
3.ほかの食べものが欲しい
基本的には食べることが好きな犬が、定期的にご飯を残すようになる場合、今食べているものに飽きてしまっていることも考えられます。
愛犬がご飯をきちんと食べないと、健康面を心配して食いつきの良いご飯に変えたり、トッピングをしたりする飼い主さんは多いでしょう。
犬はそうした経験から、「ご飯を残すともっと美味しいものが出てくる」という学習をしてしまうことがあります。
そのため、体の不調はなく、変えた食べものであれば喜んで食べる様子が見られる場合は、対応に注意が必要です。
様々な食べものを与えることは、栄養バランスを整えたりアレルギーを予防したりするために必要なことですが、犬の態度や要求に従う形でご飯を変えることはやめましょう。
犬がご飯を残してしまうときの対処法
犬がご飯を残すとき、いつもよりも元気がない場合や嘔吐・下痢症状がある場合、水分もとれない場合は、体調不良が原因の可能性が高いため、動物病院に行きましょう。
食欲は健康状態をはかるための大切なバロメーターでもあるので、排泄とあわせてきちんと確認するようにしましょう。
体調に問題がないようであれば、「環境や生活リズムに変化がなかったか」「不安や恐怖を感じることはなかったか」を考えてみてください。
引っ越しなどわかりやすいことだけでなく、留守番の時間がいつもより長い、散歩中に他の犬に吠えたてられたといったことが原因になることもあります。
また、食べるものが偏っていたり、食欲があって食べものに興味を示したりする場合は、ワガママや甘えによってご飯を残していることも考えられます。
愛犬がご飯を食べないからと、安易に食事の内容を変えてしまわないように、しっかり観察と判断をしなければなりません。
まとめ
ご飯を楽しみにしている犬が多い一方、ご飯を残す愛犬に悩まされる飼い主さんも少なくありません。
確かに食欲は心身の健康をはかる手段のひとつなので、日頃からきちんと観察して状況を把握することは大切です。
体調不良やストレスによって食べられなくなってしまうこともありますが、愛犬のワガママが原因の場合もあるのでしっかりと見極めましょう。
判断がつかない場合や普段と違う様子が見られる場合は、獣医師に相談してみてくださいね。
(獣医師監修:寺脇寛子)