山口県内経済情勢は「緩やかに回復しつつある」 4期連続で山口財務事務所が判断を据え置き
2025年1月判断の「山口県内経済情勢」について財務省山口財務事務所(TEL083-922-2190)は、「県内経済は、緩やかに回復しつつある」と総括判断。2023年7月以降、4期連続で前回判断を据え置いた。
企業へのヒアリングや各種経済指標をベースに3カ月ごとに発表しており、今回の要点は「『個人消費』は、緩やかに回復しつつある。『生産活動』は、持ち直しつつある。『雇用情勢』は、緩やかに改善しつつある」とした。さらに、2024年度の「設備投資」は前年度を上回り、同じく「企業収益」は減益の見込み。さらに「住宅建設」「輸出」とも前年を上回る見込みだ。
そして、2月以降の「先行き」については「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、アメリカの政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」との判断を示した。
企業の声
ヒアリングした企業からは、
「新米が出回り始めてからもコメの価格高騰が続いているが、今もなおよく売れている。また、11月下旬から寒くなり入浴剤や保湿クリームなどが好調。加えて、インフルエンザやコロナが流行しているのでアルコール消毒液やマスクなどの売り上げも良い」(ドラッグストア)「11月下旬から寒い日が続いており鍋物食材が好調であるほか、引き続き時短ニーズの高まりから総菜や冷凍食品の売り上げも伸びている。また、クリスマスケーキやチキン、おせちなども好調だった。さらに、年末年始が大型連休であり、帰省などで家族が大勢で集まる機会が増えたことで、寿司やカニ、オードブルなども好調だった」(スーパー)「クリスマスにチキンがよく売れたほか、新商品や値引きなどによりカウンターフードの売り上げが良い。また冬季限定のチョコレートデザートなどもよく売れている」(コンビニ)「11月中旬までは例年になく暖かい日が続いていたことから、冬の苗ものや苗木が売れなかったほか、こたつや電気毛布も低調だった。12月に入り、ようやく例年並みの売り上げになってきている」(ホームセンター)「パソコンは、コロナ禍の巣ごもり需要の反動により低調な状況が続いており、2025年10月のウインドウズ10サポート終了による買い替え需要もまだ見られていない」(家電大型専門店)「一部の自動車メーカーが生産を停止した影響を受け、軽乗用車などの販売台数が減少している」(自動車販売店)「旺盛な旅行需要が続いており、特に年末年始は大型連休ということもあってツアーの予約が好調で、海外旅行はヨーロッパなど、国内旅行は東京や大阪が人気となっている」(旅行代理店)「物流業界の人手不足問題への対応策として、商品の運搬などを行う物流ロボットに対する需要が高まっていることから、生産量が増加している」(生産用機械)「半導体市況が底を打ち回復の兆しがあることを受け、半導体製造装置向けの需要が堅調なことから、生産量が増えている」(鉄鋼)「国内外でSUV車種に対する需要が堅調なものの、車種によっては新型車効果が一巡し生産量が減少している」(輸送機械)「大型の定期修理が行われたほか、建設需要の低迷によりプラスチックの原料となる基礎化学品の需要が低調なことから生産量が減少している」(化学)「アルバイト・パートを募集するものの必要な人数を集めることができないため、単発で短時間働くスポットワーカーを活用して人手不足を補っている」(小売)「セルフレジや配膳型ロボットの導入など省人化を進めることで、人手不足の解消に取り組んでいる事業所がある」(公的機関)「カーボンニュートラルの実現に向けて関連設備を新設するなどの設備投資を進めている」(化学)「前年度は旅館の大規模リニューアル工事を行ったことから多額の設備投資となったものの、今年度は設備の維持更新が中心となるため、前年度と比較すると設備投資が減少している」(宿泊)
などの声が聞かれた。