【横浜市西区】西消防署・岩崎学園学生 防災啓発アプリ制作 「若年層にも関心を」
西消防署は、岩崎学園情報科学専門学校=神奈川区=の学生2人と共同制作した消防局初の予防啓発アプリ「防災すごろくゲーム」を10月29日にリリースした。子育て世代を中心に、楽しみながら防災知識を学んでもらうことが目的。アプリストアで「防災すごろくゲーム」と検索し、ダウンロードできる。
西消防署から、若年層の防災意識が低下していると伝えられた同校が、今年5月に横浜市が民間に公民連携事業を募集する「共創フロント」に提案したことで共同制作が始まった。
開発に先立ち、学生は消防署を見学。7月からは、署員と2週間に1回程度打ち合わせを重ねてきた。
ゲームで大切にしたのは「家族で楽しく気軽に防災を学べる」こと。制作した先端ITシステム科3年の山口悠真さんは「子どもでも直感的に操作が分かるような作りにした」と説明する。
市消防局や西消防署のマスコットキャラクターが主人公となり、火災・救急・地震・風水害に関する問題を解きながらゴールを目指す。
止まったマスに応じてアイテムを獲得したり、火災などの事案を回避することで得点が加算。継続して遊んでもらえるよう、ゴールするごとにスタンプがもらえ、ためると隠れキャラクターが使えるように工夫した。
背景はみなとみらいの風景や掃部山公園の井伊直弼像などが描かれ、西区らしさも取り入れた。
60%が不参加
今年3月に公表された横浜市のアンケートでは、直近3年間で地域の防災、減災の研修や訓練に何も参加していないと答えた人は60・9%。年代別では、20・30代で70%を超えていた。
西区の子育て世代の人口割合は高い傾向だが、地域の消防訓練などの参加率は低く、防災意識を持ってもらうことが課題とされている。情報セキュリティ学科3年の内田結斗さんは「若い人にも防災の知識を伝えていきたい」と話した。