リガ(ラトビア)を訪ねて~作家・秋山秀一「旅の記憶(27)」
訪れた国や地域90以上、海外への旅は222回。
旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。
秋山秀一さん 旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
美しい建築物が数多く立ち並ぶ街
ラトビアの首都リガの魅力は、旧市街に残る歴史的な建物の数々、それに、新市街に残るアール・ヌーヴォー様式の建築群である。
新市街のアルベルタ通りとエリザベテス通りにあるアール・ヌーヴォー様式の建物群を初めて見た二十数年前には傷んでいた建物も、現在ではかなり修復が進み、建築当時の華やかな姿が再現されている。
赤タイル付の柵のようなファッサードのある建物、最上部に2匹のライオンと3つのメドーサのある建物、最上部のデフォルメされた人物の顔が目立つ建物など、必見だ。
リガに「ブレーメンの音楽隊」の銅像がある理由
市庁舎広場の中央にはリガの守護聖人・ローランドの像が立っている。
その像を挟んで、市庁舎と向かい合うように、華やかな建物、ブラックヘッドの会館が建っている。
この建物はリガ創設800年を記念して再建されたもので、正面上方に、月、日、時間、それに月齢を刻むブルーの大時計が掲げられている。
時計の下には4つのハンザ都市(リガ、ハンブルク、リューベック、ブレーメン)の紋章の浮彫がある。
その下にギリシャ神話の神々の像が並んでいる。
リガとドイツのブレーメンとは姉妹都市の関係にある。
ロバの上にイヌが乗り、その上にネコが乗り、一番上にニワトリが乗っている。
そんなブレーメンの音楽隊の銅像がリガにもある。
この銅像のロバの前足を撫でながら願い事をすると、願いがかなうと信じる観光客が多く、ロバの前足は光り輝いている。(文・写真/秋山秀一)