上根子神楽 初舞
150年以上前から伝承されてきた、花巻市指定民俗文化財上根子神楽が、2月9日(日)に、本拠地である上根子熊野神社社務所にて初舞公演を行います。
花巻市内に40ほどある神楽団体のうち、多くを占めるのは早池峰神楽流(岳系、大償系)ですが、上根子神楽は円万寺流。円万寺神楽、小瀬川神楽と上根子神楽の3団体しかない希少な流派です。花巻城を治めた北松斎と縁が深いといわれ、今も花巻のまちの鎮守である鳥谷崎神社での奉納は円万寺流派が担っています。
早池峰神楽流と同じく山伏神楽の1派に数えられていますが(他には大乗神楽がある)、円万寺流は勇壮な早池峰系とは違う流麗な舞が特徴ともいわれます。
明治3年に書かれた神楽本が残っていて、そのことから江戸期後期には始まっていると考えられる上根子神楽の特徴は、なんといっても保存会メンバーの若さです。中心メンバーはほぼ30代。子どもの頃から切磋琢磨してきた仲間たちで、古い演目を復活させたりして盛り上げてきました。
三番叟
山の神舞
鳥舞
神楽は面をつける舞とつけない舞、そして舞の途中で面を外す舞があります。面をつけている舞手は神様を演じているといわれています。神楽幕の裏は神様の世界であり、そこから人間界に神様が姿を現して舞っているということになります。そして舞の後半に面を外す演目では、人間に戻った舞手が神様を寿いで舞う(クズシと言います)のだといわれています。
神楽の最後に必ず舞うのは権現舞。権現様は熊野神社の化身で、最後に権現様に頭を齧ってもらうなど、祈祷として舞います。
そんなミニ知識を持ってご覧いただくと、より楽しめると思います。社務所の中なので、温かいところでご覧いただけます。入場無料、ゲストもお招きする予定ですので、ぜひ足をお運びください。
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