坂本⿓⼀の幻のドキュメンタリー、4Kで2026年に劇場公開が決定
1984年に「フランス国⽴視聴覚研究所」が制作し、近年修復を経てデジタル化が実現した坂本⿓⼀の幻のドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』。2025年1⽉に開催された「坂本⿓⼀|Birthday Premium Night 2025」で特別上映が⾏われた際には、チケットがわずか2時間で完売となった。
今回、多くのファンの熱い要望に応え、4Kレストア版として2026年に劇場公開されることが決定した。
本作の監督は、ニューヨーク出身のマルチメディアアーティスト、エリザベス・レナード(Elizabeth Lennard)。1983年、「カンヌ国際映画祭」で『戦場のメリークリスマス』のプレミア上映を観たことが、ドキュメンタリー制作のきっかけになったという。
完成後、本作は1985年の「ロッテルダム映画祭」「ロカルノ映画祭」「サンパウロ国際映画祭」で公開され、⽇本では同年に「第1回東京国際映画祭」でのみ上映。その後、販売されたVHSとDVDは⼊⼿困難な状況が続いていたが、最近になって倉庫に眠っていた16ミリフィルムが発⾒された。
撮影は、坂本が4枚⽬のソロアルバム『⾳楽図鑑』を制作し始めた時期に、東京でわずか1週間で行われた。スタジオでのレコーディング⾵景やインタビューを通して、30代だった坂本が⾃⾝の⽣い⽴ち、価値観、⾳楽哲学、⽂化について語る姿が収録されている。
また、映画『ラストエンペラー』の劇伴制作の様⼦や、坂本が⾳楽を担当し、主演した⼤島渚が監督した作品『戦場のメリークリスマス』の映像、YMOの「散開コンサート」やプロモーションビデオの映像も含まれる。さらに、1980年代の東京の⾵景が⽣き⽣きと映し出され、「坂本の⽬と、彼のポートレートを通して⾒た東京の⾳」を体感できる。
この公開決定に合わせ、平⽇でも待ち行列ができるほどの大注目の展覧会「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」では、特報版フライヤーを限定配布中だ。貴重な作品の公開を心待ちにしたい。