【南立石公園】植物や土地の歴史に触れ豊かな自然を堪能できる別府市の公園
別府市で取材を行っていると、犬の散歩をしていたご夫婦から声をかけてもらいました。
なんでも散歩をしながら様々な植物が楽しめて、変わった名前の橋のかかる穴場な公園があるのだとか。
ということで今回は、別府市に暮らすみなさんの憩いの場『南立石公園』を調査してきました。
アクセス
『南立石公園』へは、別府駅西口より車で10分。
青山通りを西に進み、県道218号線と合流すると道沿いにあります。
無料駐車場には、70台以上の車が停められるようになっています。
金曜日と土曜日、日曜日、祝日は終日開放していますが、月曜日から木曜日は8時30分から22時までの間のみ駐車が可能ですのでご注意ください。
『南立石公園』について
『南立石公園』は、『南立石緑化植物園』とも呼ばれ、昭和46年(1971年)に都市公園として整備に着手。昭和51年(1976年)に都市緑化植物園の機能を備えた公園として整備されました。
更に昭和53年(1978年)には園芸など植物に関することについて相談できる「みどりの相談所」が開設され、市民に開かれた総合公園として多くの人に親しまれています。
敷地面積はレゾナックドーム大分2個分の10.85ヘクタール。
別府市では別府公園に次いで2番目に広い敷地を持つ公園です。
公園内には植物についての知識を得ることができるように、県内に自生する樹木を中心におよそ150種2600本を植栽しています。
全ての木に解説プレートがついているので、散歩を楽しみながら気になった植物の名前や生態を知ることができます。
特に別府市のシンボル木に指定されている楠(くすのき)は200本以上、キンモクセイは30本以上植栽されているそうです。
また南立石公園は、ブンゴウメや枝垂れ梅、ソメイヨシノや枝垂れ桜などが咲き誇る名所でもあり、春になると毎年多くの人が足を運びます。
園内について
駐車場に車を停め園内に足を踏み入れると、「石垣原合戦古戦場」と書かれた看板が。
天下分け目の関ヶ原合戦の2日前に大友氏の第22代当主で大友宗麟の嫡男・大友義統(よしむね)と黒田官兵衛との間で行われた石垣原合戦で、南立石公園は序盤の激戦地になったと伝えられています。
最終的には黒田官兵衛の勝利で終了し豊後大友氏400年の歴史が幕を閉じることなった石垣原合戦ですが、今看板の建っているあたりで大友軍は黒田軍の有力武将たちを討ち取り反撃したといわれています。
歴史に想いを馳せながら改めて歩みを進めてみると、公園の広さがよくわかります。
頭上に木が生い茂り涼しく感じる園内にはこの日も多くの人たちがジョギングや犬の散歩、日光浴をしていましたが、歩いていると誰もいない場所もちらほら。
なんだかこの広くて気持ち良い場所を独り占めしているような、贅沢な気持ちになります。
私が訪れたのは5月の終わりだったのですが、よく目にするツツジや聞き慣れないミズモチという花など多様な花を目にすることができました。
蕾の膨らんだ紫陽花もありました。
別府市が管理する南立石公園のHPには、「季節の楽しみ方と樹木や草花等の紹介」がされていますので、そちらも是非参考にしてください。
園内には池も整備されており、迷路のような橋がかかっています。
写真には残せませんでしたが、池には魚もいる模様。
ベンチやトイレなども整備されています。
別府市による管理も徹底されており、この日も暑い中清掃活動が行われていました。
また、川が流れる方へ向かうと境川にかかる橋が見えてきます。
この橋はイナコスの橋というつり橋式サスペンアーチ橋で、別府市の友好都市である中華人民共和国山東省烟台市産の御影石78枚を木琴状に並べ、石の内部に太いピアノ線を通して川の両端に固定しています。
橋の両端が唯一の支えになっているため、川に弓を渡したような曲線美が楽しめます。
橋からは別府湾や鶴見岳を望むことができます。
また、別府出身の方いわく「小さい頃はここでザリガニをとって遊んでいた」そう。
皆さんにも是非『南立石公園』で植物や土地の歴史に触れ、豊かな自然を満喫してほしいと思います。