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2月7日公開の映画『大きな玉ねぎの下で』はデジタル社会だからこそ世代を超えて共感できる!爆風スランプのサンプラザ中野の名曲に泣かされた

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2月7日公開の映画『大きな玉ねぎの下で』はデジタル社会だからこそ世代を超えて共感できる!爆風スランプのサンプラザ中野の名曲に泣かされた

 青春映画か? 青春恋愛物か? と年甲斐もなく、疑い深く斜に構えて試写室に出掛けた団塊世代が、平成、令和の若者のラブストーリーに泣けた。ためらいながら涙目のまま試写室を出ることになろうとは、自分の感性は鈍っちゃいないぞと一人合点。この映画、いいじゃないか! 昭和の日本人が泣いた、あの数寄屋橋の氏家真知子(岸惠子)と後宮春樹(佐田啓二)の『君の名は』(松竹1953年)がふっと過ぎったのだ。

 行き違いありの代筆から始まる、平成のペンフレンドの物語。昭和から平成になる頃(1989年)、大樹(窪塚愛流)好みの明日香(瀧七海)を雑誌のペンフレンド(文通)募集欄で発見し、代筆を虎太郎(藤原大祐)に頼み込む。実はペンフレンドのはずの明日香(瀧七海)は入院中の今日子(伊東蒼)の身代わり。代筆する男子、入院中の親友に成り代わった女子、互いに見知らぬ高校生男女4人の友情の結末に期待を持たせながら、もう一つ令和の物語も行き違いが起点なのだ。

 昼はカフェ、夜はバー、二つの顔を持つその名は「Double」。昼のアルバイト村越美憂(桜田ひより)と夜のアルバイト堤丈流(神尾楓珠)は、互いに顔を合わせることはなかったが、一冊の業務用ノートが二人を次第に近づけてゆく。はじめは、トイレットペーパーの買い溜めの業務報告から、やがて趣味や就活の悩みまで綴るようになって…。顔を知らないぶん、会ったことがないぶん素直になれる、自分をさらけ出せる。やがて二人は互いを知らぬまま、九段下の大きな玉ねぎの下で会う約束をする。

 さて、平成になった頃の文通相手との恋の行方が、あるラジオ番組を通して語られていた。当時、代筆した堤丈流と偽物ではないペンフレンド今日子とのその後の出会いから30年を経て、大きな玉ねぎの下で初めて会う約束をしたことだった。平成、令和にはじまった見知らぬ同士の二つの恋が、大きな玉ねぎの下で出会うことになるのか?

 本作は、1985年爆風スランプの2枚目のアルバム「しあわせ」に収録された1曲のバラードソング「大きな玉ねぎの下で~はるかな想い~」(作詞:サンプラザ中野、作曲:嶋田陽一)を原案に、恋愛小説の名手、中村航がストーリーを仕立て脚本家・高橋泉コラボしたという。武道館でのコンサートが空席だらけだったらどうしようとサンプラザ中野が祈るようにして書き上げたというエピソードは知られているが、その題材が小説と実写映画、さらにコミカライズ(コミック本)まで3つのメディアを横断したプロジェクトだという。

 デジタルが溢れる時代、LINEやeメールの全盛時代に手書き(直筆)で気持ちを伝えること、貯金箱をひっくり返して求めた武道館のコンサートのチケット、30年前の文通から恋が生まれた話がラジオの投書として読まれ、「まだ見ぬ君に会いたい」という切ない思いetc.…。やっぱりアナログがもたらす人間的なやさしさ、切なさは、我ら団塊世代が見ても心に染み入るものなのだ。これはサンプラザ中野くんら爆風スランプの名曲とともに同時代を生きてきた世代も、ずっと後の世代も、そして遥か前の世代も、皆がやさしくなる映画なのである。

『大きな玉ねぎの下で』
2025年2月7日(金)全国公開
R出演者:神尾楓珠 桜田ひより 
山本美月/中川大輔/伊東蒼 藤原大祐 窪塚愛流 瀧七海 
伊藤あさひ 休日課長 和田正人 asmi/飯島直子 西田尚美 原田泰造/江口洋介
監督:草野翔吾 脚本:髙橋泉 ストーリー原案:中村航 音楽:大友良英
主題歌:asmi「大きな玉ねぎの下で」(Sony Music Labels Inc.)
配給:東映
©2024映画「大きな玉ねぎの下で」製作委員会
《映画公式ホームページ》:tamanegi-movie.jp

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