愛猫があなたの『お布団に入ってきたがる』3つの理由 一緒のお布団を使うときの注意点も
猫がお布団に入りたがる理由3つ
猫が飼い主と同じお布団に入りたがるのは、単なる気まぐれではなく、猫としての本能や飼い主との関係性が深く関わっています。
その主な3つの理由を紹介します。
1.飼い主のニオイが安心できるから
猫がお布団に入ってくる理由のひとつは、お布団についている飼い主のニオイが猫にとって安心できるからです。
猫は人間の約14倍もの嗅覚細胞を持ち、人間にはわからない微細なニオイからもたくさんの情報を得ています。寝具には、知らずしらずに飼い主のニオイもついているので、猫にとっての布団のなかは、もっとも安全な場所なのです。
猫はお互いのニオイを交換することでコミュニケーションする習性があるので、一緒に寝ることでお布団に自分のニオイをつけ、飼い主のニオイと混ぜ合わせようとしているのかもしれません。
猫が布団に入るのは、飼い主のニオイで安心している証拠なのです。
2.せまいところが好きだから
もし、飼い主のニオイで安心したいだけなら、ソファやクッションも同じです。しかし、猫がお布団に入ってくる理由は、それだけではありません。秘密は布団のなかにあります。
猫は本能的にせまい場所を好みます。体がギリギリ入るような空間は、捕食者から隠れて安全を確保し、待ち伏せ型の狩りに適しています。野生動物だったころの猫は、このような小さくせまい場所で寝て過ごす習性を獲得しました。
現代の猫もこの習性を受け継いでおり、せまくて囲まれた場所を心地よく感じます。まさに、布団のなかの環境がぴったりです。周囲を覆われつつ、体が自由に動ける状態は、猫にとって理想的な快適空間となるのです。
3.お布団の肌触りが快適だから
安心できるニオイと、ほどよいサイズの空間が整っていれば、次に大切なのは肌に触れる素材です。お布団が快適であればこそ、猫は飼い主の布団に入りたがるのです。
眠るときは全身の力が抜けるので、基本的には筋肉の負担にならないようなやわらかい寝床を好みます。しかし、人でも寝具に好みがあるように、猫もやわらかさや肌ざわりの好みには個体差があります。
たとえば、暑いときには、冷感素材の寝具を好む猫と通気性のよいコットン製のワッフル生地を好む猫がいます。寒い時期には、保温性の高い羽毛布団やウール素材を好む猫もいる一方で、中に潜ると通気性が悪いので苦しくて好まない猫もいます。
もし、愛猫がお布団に入ってくるなら、それが愛猫の好みの素材で快適だからなのかもしれません。
猫をお布団に入れるときの注意点
愛猫と一緒に布団で寝るときには、いくつかの注意点があります。
飼い主・猫の双方が快適な睡眠が取れるように、以下の点に気をつけましょう。
猫の安全面に注意
猫をお布団に入れると、掛け布団の奥までドンドン入ってしまうことがあります。
このような猫には、睡眠中の窒息の危険や寝返りの際の蹴とばし・圧迫などには十分気を付けなくてはいけません。
特に子猫は体が小さく、体重が3〜4キロある成猫と比べると、寝返りで圧迫してしまう危険度がうんと高くなります。子猫のうちは、寝る場所を一緒にしないほうが安全です。
清潔さの維持
猫はキレイ好きな動物だと言われますが、手足や口の中は、決して無菌なわけではありません。
お布団の中に入るとペロペロと毛づくろいする猫もいますが、思わぬ感染症をもらわないためにも、過剰な接触はしないようにしましょう。
また、猫の抜け毛も寝具についているので、猫アレルギーなどの配慮も必要です。猫と一緒に寝るようになったら、シーツや布団カバーは、これまで以上に定期的に洗濯するなどして衛生面を保つことが大切です。
飼い主の睡眠の質への配慮
日本人は世界的に見ても睡眠時間が少ないと言われています。
健康的な毎日を送るためには、成人でも8時間程度の睡眠が必要です。ところが、猫と一緒のお布団で寝ることで、夜中の途中覚醒や緊張感から睡眠の質の悪化につながる可能性もあります。
猫と一緒に寝た日の朝に「寝た気がしない」「疲れを感じる」などの疲労感が残るようなら対策するようにしましょう。
愛猫と一緒に寝る日を曜日ごとで決めたり、寝室内に別の寝床を用意したりするなどして、自分自身の睡眠も大切にしてください。飼い主が健康でいることは、猫のためにも大切な要素です。
まとめ
猫が飼い主と一緒に寝るのは、完全に信頼している証拠なので、飼い主としてはうれしいばかりの行為です。安心感や快適さを求めた結果だからです。
一緒のお布団で寝るためには、いくつか守るべき注意点があります。
猫の安全を確保することや寝具の清潔さの維持は、猫と飼い主両方のために必要です。
また、自分自身の睡眠の質にも配慮するようにしましょう。猫と一緒に寝ている緊張感から、寝不足が続いたりすれば健康面でマイナスになってしまうからです。
上手に対策して、猫と人がどちらも気持ちよく眠れる睡眠環境を作るようにしましょう。