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ダメ出し上司に「だったらお前がやれ!」と反撃 書類を机にバン!と叩きつけて怒りの早退、ある女性の回想

キャリコネニュース

画像はイメージ

「大学出てこんなこともわかんないの?」――嫌味ばかり言う上司はいつの時代にもいるものだ。福島県に住む田中さん(仮名、50代女性)は20代の頃、陰湿で理不尽な上司の下で働いていた。まだ新人だったこともあり、上司に意見するだけでも大変だったが、毅然と言い返したことがあるという。

「当時の部長に何を提案しても、説明もアドバイスも無く『ダメ』と押し返されるので、頭にきて『だったらお前がやれ』と書類を部長の机にバン!と置いて早退しました」

積もり積もった不満が爆発した結果だったが、部長は田中さんの胸の内を知る由もなく、呆然としていた。編集部は田中さんに当時のことを詳しく聞いた。(文:天音琴葉)

「せっかく大学出たのに頭悪くない?」

田中さんは当時27歳で、勤続7年目。人事部に所属し、新入社員教育を担当していた。問題の部長は直属の上司にあたり、50代後半の男性。田中さん曰く「昭和の、悪い価値観しか持ち合わせていないような人」だった。

しかも、この部長自身は高卒だったというが、大卒の部下に対して事あるごとに嫌味を言ってきた。

「『大学出てこんなこともわかんないのか?』や『せっかく大学出たのに頭悪くない?』、『高卒は素直で一生懸命仕事するけどなあ』などの発言が日常茶飯事でした」

大卒だった田中さんも、いわゆる“逆学歴差別”をされていた。部長に提案をしても、具体的な説明やアドバイスは一切なく、返ってくるのは「ダメ」の一言のみ。不毛な日々が繰り返されていた。

部長に査定で最低評価の「D」をつけられ……

田中さんは当時、新卒採用を任されていた。部長にされて一番腹が立ったというのが、就活生から届いた会社の資料請求ハガキを隠されたことだった。

「担当が私だったので、宛名も私になっていました。しかし部長は私には一通も渡さずに、全部自分の引き出しに隠していました。『ハガキ、部長のところに来ていませんか?』と聞いても『知らないね』ととぼけて、『ハガキ来ないね~やっぱり君のやり方がダメなんじゃないの?』と言われていました」

この事実は、部長の不在時に別の部署の上司が机の引き出しを開けたことで発覚。「これ……なに? このハガキ全部、きみ宛じゃない?」と、大量のハガキを渡されたのだ。志願者に会社案内の資料を送付できなければ、応募に影響が出る。田中さんを陥れようとした部長の幼稚な行いは、会社に損害を与えただろう。

そんな問題だらけの部長に付けられたボーナス査定が、まさかの最低評価「D」だったことも……。田中さんは心底、納得がいかなかったに違いない。この評価には、さらに上の役員も疑問を感じたようだ。役員による査定面談で、こう言われたという。

「Dってさ、病気とか怪我で長期間出社しない人がもらう評価なんだよね。部長には君の姿が見えなかったのかな(笑)」

その頃、会社説明会で上司とたびたび出張していた。その際、片道3時間、往復6時間かかる運転は、すべて田中さんが担当していた。「そこまでしていたのに……」と、田中さんの悔しさは相当なものだった。

「だったらお前がやれ!」反撃後、取締役に一部始終を報告した結果

不条理な状況にやるせなさが続く中、冒頭の出来事が起きた。田中さんが新人研修の改善案を提案したときだった。

「始めの2日間で名刺の受け渡し方や電話の受け応え方、またその取り次ぎ方、来客の対応の仕方や、これからは男性もお茶出しをしてはどうか、と」

この提案に問題があるようには思えないが、部長の答えはいつもの通り「ダメ」。これまで何度も繰り返されてきた理不尽な対応に、ついに田中さんの怒りは頂点に達した。

「またか! もうこれって何度目? と頭に血がのぼってしまいました」

持っていた書類を部長の机に叩きつけ、「だったらお前がやれ」と言い放ち、その日は早退してしまった。突然の反抗に、部長は呆然としていたという。

「『え? 俺は今何を言われちゃったわけ?』と呆然としていたと思います。『まさか女の分際で、しかも年下の部下の立場で、この俺に何を言ってんだ?』という顔に変わっていきましたが、それを見届けて『帰ります!』とサッサと帰りました」

後日、田中さんは一連の出来事を部長の上司である取締役に報告。幸いなことに役員たちは、とても穏やかに話を聞いてくれる人たちだった。結果、部長は大目玉を食らった。

「取締役がどういう言葉で注意したのかはわかりませんが、注意後に私のところに来て、『まったくA部長の学歴コンプレックスには困ったもんだなあ(笑)。あれは直らないから何かあればまた言ってこいよ』と言葉をかけてくださいました。感謝しかありません」

役員からの注意が効いたのか、その後は田中さんの意見を頭ごなしに否定することはなく、耳を傾けるようになった。田中さんの勇気ある行動が、少しだけ職場環境を改善させたのかもしれない。

ハラスメントに厳しくなった昨今だが、理不尽な上司が根絶したとは言い難い。一対一で反撃するのはそれなりに勇気が必要だが、同じ思いをしている同僚がいるはずだ。周囲を巻き込んで解決を図るという方法もあるだろう。

※キャリコネニュースでは「上司に反抗したエピソード」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/XKVBU3NE

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