【下郷町・川内村・西会津町】古民家を受け継ぎ、新たな挑戦を始めたカフェ&レストラン3選
古くから残る古民家を受け継ぎ、形を変えて新たな挑戦を始める店。下郷町の『茶房 やまだ屋』、川内村の『cafe&gallery 秋風舎(しゅうふうしゃ)』、西会津町の『KURA.(クラ)』に次世代へ繋いでいく、その想いを聞きました。
福島県内きっての観光名所で、母と2人でカフェを経営
江戸時代に会津と日光今市を結ぶ街道の宿場町として栄えた大内宿。福島県を代表する観光地の一つとなっている。そんな大内宿で、母の久美子さんとカフェ兼雑貨店『茶房 やまだ屋』を営む諸岡泰之さん。
店舗となっている建物は築400年ほどになろうかという古民家で、諸岡さんの祖父母の代までは土産物店と民宿を営んでいたという。カフェへと業態を変えるにあたり、一部をリノベーション。モダンさも取り入れつつ、建物が重ねてきた年月が刻まれた太い柱や梁はそのまま残している。
カフェのメニューは地元の食材をできるだけ使いながら、無理なく提供できるものを2人で考案。母が調理を担当し、諸岡さんはドリンクに専念する。
「大内宿は本当に貴重な場所。当事者として地域の残し方は考え続けなければと思います。そして僕の存在が、今後ここで店をやる人の励ましになればいいですね」と諸岡さん。時が止まったような懐かしい風景が残る大内宿で、未来を見据える諸岡さんの奮闘はまだまだ続いていく。
茶房 やまだ屋
住所
南会津郡下郷町大内字山本46
電話番号
0241-68-2943
営業時間
9:00~15:00
休み
毎週火・水曜日(4月~11月)※臨時休業あり、12月~3月は冬季休業
駐車場
なし
リンク
https://www.instagram.com/yamadaya_ouchijuku/
備考
キャッシュレス決済/VISA、PayPay、d払い、他
川内村をぎゅっと詰めた、ここにしかないカフェ
川内村の緑豊かな山間に建つ、築200年の古民家カフェ『秋風舎(しゅうふうしゃ)』。オーナーの志賀風夏さんは、「この古民家はまだ私が生まれる前、陶芸家の両親が創作活動をするためにいわき市から移築したものです。震災以降は使われなくなっていましたが、村の人も外の人も、みんなが集まれる場所にしたくて。食事やドリンクを提供するお店なら、誰でも気軽に立ち寄れると考えて、カフェとしてオープンしました」。
店で使っている野菜は、川内村で採れた旬のもの。カレーなどの大まかなメニューを用意しているが、具材や副菜はその日の野菜に合わせて考えるのだとか。
他にも、空き家をゲストハウスにしたり、地元の店とコラボしたメニューを提供したり、川内村のために様々な活動をしている。いずれは秋風舎を次の人へ託して、陶芸と畑仕事だけをして暮らしたいと話す風夏さん。次世代へつなげたいという真っすぐな想いが、とても頼もしく感じられた。
cafe&gallery 秋風舎(しゅうふうしゃ)
住所
双葉郡川内村下川内字牛淵509
電話番号
070-2811-6899
営業時間
11:00~17:00
休み
毎週火~木曜日※1月~3月は冬季休業
駐車場
あり
備考
キャッシュレス決済/クレジットカード各種、PayPay、他
幅広いファンに愛される、宿場町の古民家イタリアン
西会津町の『KURA.(クラ)』は、築110年を超える古民家をリノベーションしたイタリア料理店。2016年に西会津町内の別の場所で営業を開始し、2019年に現在の建物へと移転した。
「町に昔からある建物を残したかったんです」と、オーナーの笠間拓朗さんは語る。料理人には福島県内外の飲食店やホテルで腕を奮ってきた父の毅さんを迎えた。笠間さんの町への思いと、いつかは自分の店を持ちたかったという父の願いが重なり、『KURA.』はオープンした。
メニューに町の特産であるミネラル野菜や季節の食材をふんだんに使ったプレートスタイルで提供し、ボリュームも満点。ご飯は毅さん自らが育てたブランド米「西会津げんき米」を提供。
2020年には物販スペース「DOMA.(ドマ)」を開設。地元のクラフト作家や地域おこし協力隊の作品の販売を始めた。他、隣接する空き家を改装したゲストハウス「ふくの屋」も始動。西会津が多くの人でにぎわう日を夢見る笠間さんの挑戦は、始まったばかりだ。
KURA.(クラ)
住所
耶麻郡西会津町野沢字原町乙2211-1
電話番号
0241-45-2204
営業時間
11:00~14:30(14:00ラストオーダー)
休み
毎週水曜日
駐車場
あり
リンク
https://www.instagram.com/kura._nishiaizu/
備考
キャッシュレス決済/不可