“富士山を眺めながら温泉に入れる無人島リゾート” と “焼津でかつおの藁焼き体験” 富士山を身近に感じながら楽しめる観光スポット(静岡県)
秋から冬にかけての季節は、空気が澄んでいて、天気の良い日には遠くの景色や青空がきれいに見える時期で、日本一の山「富士山」を眺めるにも最適の季節です。今回は、富士山を眺めながら静岡県の旅をしてきましたので、いくつかのおすすめスポットを、レポートを交え紹介していきます。
全客室がオーシャンビューの無人島リゾート「淡島ホテル」
「淡島ホテル」は、静岡県沼津市の駿河湾に浮かぶ島に建つリゾートホテルで、伊豆半島北西の桟橋から船でアクセスします。淡島は、面積が約5万坪、周囲2.5kmの無人島で、島内全域が国立公園特別地区に指定され、海越しにきれいな富士山を望むことが出来る位置にあります。
この熱帯性の樹林が生い茂る自然豊かな島には、淡島ホテルの他に「あわしまマリンパーク」という水族館があり、無人島ならではの自然を生かした展示が特徴となっています。淡島ホテルの中に入ると、吹き抜けのある優雅な空間が、旅人を迎えてくれます。
淡島ホテルの全ての客室は、部屋から海が眺められるオーシャンビューとなっており、海のリゾートに来たという感覚を楽しむことが出来ます。
一部の部屋からは、天気が良ければ富士山を望むことが出来るので、海越しの富士山をゆっくり楽しみたいという人にもお勧めです。
夕食は地元産食材を使ったフランス料理のフルコース
そしていよいよ夕食です。夕食のためのメインダイニングに行くまでの廊下には、絵画や彫刻などが数多く展示されています。
メインダイニング「アイランド」では、駿河湾で採れたお魚や伊豆産地の新鮮な食材を使った、本格的なフレンチ・フルコースを楽しむことが出来ます。
この日のお魚は、沼津港で水揚げされたヒラメを使った料理で、西洋わさびの風味で楽しめる逸品でした。メインは、国産牛フィレ肉のグリエは、添えられたビーツのピューレでの味変を楽しめました。
デザートと食後のコーヒーを楽しみ、夕食を楽しんだ後、ホテルの外に出てみます。
無人島に建つホテルなので、海の波音や遠くの船の音だけが聞こえ、海岸線の夜景や空がきれいに見えます。
この日は、ベランダに出ると雲の切れ間に星もきれいに見えていました。こんな日には、富士山伏流水で作った三島市の地ビール「Fuji Rouge」と富士山をイメージしたご当地サイダー「富士山サイダー」など地元のものを、ベランダで海の音を聞きながら楽しむのも良いですね。
このホテルでの楽しみの一つがお風呂です。富士山の周辺には温泉が数多くありますが、この淡島ホテルでも天然温泉の露天風呂を楽しむことが出来ます。海のすぐ近くにある露天風呂からは、富士山も眺めることが出来、波の音を聞きながらゆったりと体の疲れをいやすことが出来ます。
淡島の中には散策路もあるので、明るくなってから、島内を散歩することもできます。
ホテルをチェックアウトして帰る際にも、行きと同じく連絡船に乗車します。伊豆半島側の船の発着所は、三島駅か沼津駅が最寄り駅になりますが、宿泊者は三島駅からの無料送迎バスも利用できます。
今回紹介をした淡島ホテルへの宿泊は、JR東海の「もれなく富士山キャンペーン」で予約・利用をすることができます。
富士山+αの楽しみ方「もれなく富士山キャンペーン」
JR東海が2025年3月まで実施している、日本が誇る絶景・富士山を眺めるのと一緒に楽しめる様々なプランを提案しているのが「もれなく富士山キャンペーン」です。
きれいな富士山を眺めるという事に加え、東海道新幹線でアクセスが出来る静岡県内での、レジャー体験、観光名所、グルメ、宿泊など様々な旅におすすめのプランが用意されており、JR東海のキャンペーン特設ページを通じて予約が出来るというものです。(「もれなく富士山」でWeb検索をしてみてください。)
次にご紹介する、静岡市に近い焼津での「かつお藁(わら)焼き」体験は、この「もれなく富士山」で予約が出来る特別な体験です。
全国でも屈指の漁港がある焼津で、かつおを藁焼きにして試食が出来る特別な体験
「かつおの藁焼き体験」を行うことが出来るのは、焼津市にある「川直」(かわなお)というかつお加工場で、焼津を代表する特産物でもある かつおの”なまり節”や”燻製”などを扱う専門店です。かつおのなまり節は、かつお節を作る一番最初の行程にあたるもので「生かつお節」や「かつおの燻製」というとわかりやすいかもしれません。
今回は、もれなく富士山キャンペーンならではの「かつおの藁焼きたたきづくり体験」をご紹介していきます。
漁船上で急速冷凍され、焼津港に揚げられたかつお。この大きなかつおは、かつお節やなまり節に使用される事が多いそうです
静岡駅から3駅離れた焼津駅の近くにある焼津港は、2023年の水揚金額が約509億円と8年連続で全国第1位、水揚数量で全国第4位という大規模な漁港です。焼津港ではカツオの漁が特に盛んで、陸揚量全国1位が続いています。焼津で扱われているカツオは、主に遠洋で獲られて船の上で急速冷凍されたカツオになります。一方、藁焼きでも有名な高知などは、近海で獲れる生鮮カツオが主なものになり、新鮮さではそれらの生鮮カツオに利点がありましたが、最近の冷凍技術の進歩によって冷凍カツオでも非常に美味しい刺身を食べることが出来るようになったそうです。
先ほどの写真の大きいサイズのかつおは、南太平洋で巻き網で獲られたかつおで、脂が少ないため、かつお節に加工されるのが多いとのことです。
今回使用するのは、それよりも一回り小さいサイズのかつおで、三陸沖で一本釣りで獲られたもので、主にお刺身用になるものです。船上で生きたままで冷凍にされるため、口が空いているのが特徴です。今回の藁焼き体験には、こちらの一本釣りされたかつおが使用されます。
かつおの解体を目の前で実演
こちらの体験では、用意されたカツオを目ので捌くところから見学ができます。
魚屋は1つの包丁でかつおを捌くことが多いそうですが、かつお節・なまり節屋は、カツオを捌くのには複数種類の包丁を使い分け使用し、それにより短時間で効率的な作業が出来るそうです。
鱗や表面の硬い皮をはいでいき、頭を取り、その後に心臓を取り出していきます。
その後に、お腹を割って内臓を取り出していきます。
内臓を取り出した後は、血をきれいに洗い流し、3枚におろしにします。背骨部分を除き、腹骨と血合い骨を取り、身の部分の切り分けていきます、上手に4つのブロックに分けていきます。
四つのブロックに分けた後、いよいよこの身の表面を焼いていくという作業に移ります。
藁だからこその強火で表面をあぶる
かつおの藁焼きは、かつおのお刺身の表面だけを藁を焼いた炎であぶったもので、表面のみみ焼き色が付き、中は生のお刺身状態というかつおのたたきが出来上がります。一説では、かつおの藁焼きは、戦国時代に生のカツオが原因となる食中毒を避けるために刺身が禁止されたため、高知県で生みだされた食べ方であると伝えられています。
いよいよ、先ほど4つに切り分けたかつおを、強い火に入れて表面だけを焼いていきます。お店の職人さんが手助けをしてくれるので、初めてでも安心です。藁は、中が空洞になっているため、多くの空気が入ることで一気に強い炎がでるそうで、800~900℃という高温で燃焼するといいます。
藁に火をつけると大きな炎が立ち上り、体の前面に熱を感じます。
束ねた藁による非常に強い炎で表面をあぶることで、カツオの硬い皮が短時間で焼かれて生臭さを消し、藁の香ばしさや風味が、かつおの旨味を引き立てます。
表面をムラなく急速に焼き上げた後に、すぐに氷水で締めることにより、中の鮮度をそのまま維持できるそうです。この「川直」では、旨味が逃げないように、海洋深層水を使用しているそうです。
体験で焼き上げたかつおの藁焼きは、すぐに切り分けられて提供されます。
この実際に自分でかつおを火に入れるという体験は、この場所でしかできない特別なものになるでしょう。「川直」で販売しているかつおのなまり節なども扱っていますので、加工場のお土産を購入する事もできますよ。
「川直」の近くには、海に面して親水公園ふぃしゅーなという公園もありますので、天気がよければ、ここから富士山を眺めながら食べるのがおすすめだそうです。
この日はあいにく雲にがあり富士山は眺められませんでしたが、海が見える景色の下で、藁の香りがするぷりぷりのかつおを頂きました。
この体験が出来る焼津市は、静岡駅からも近い場所になります。かつおの藁焼き体験は、JR東海の「もれなく富士山」キャンペーンサイト(「もれなく富士山」でWeb検索)から予約が出来ますので、友人やご家族などで気軽に参加をしてみてください。今回は、静岡県内で富士山を眺めることが出来る無人島のリゾートホテルと、かつおの藁焼きを自分自身で体験できる場所をご紹介しました。ぜひ皆さんも、富士山を眺めながらの旅行をお楽しみください。
鎌田啓吾(鉄道チャンネル)