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AM倉敷 vol.17 高松明日香 ― 光は世界を駆け巡る 〜 作品と作品のコラボに込められた「フック」を探してみよう

倉敷とことこ

AM倉敷 vol.17 高松明日香 ― 光は世界を駆け巡る 〜 作品と作品のコラボに込められた「フック」を探してみよう

2024年2月17日(土)〜4月14日(日)の期間、大原美術館で企画展が開催されています。

AM倉敷 vol.17 高松明日香 ― 光は世界を駆け巡る」は、画家の高松明日香(たかまつ あすか)さんの作品と大原美術館所蔵作品がコラボレーションしているとのこと。

作品と作品のコラボレーションとは、一体どんなものでしょうか。

高松明日香さんのインタビューとともに紹介します。

大原美術館内は通常、撮影禁止です。今回は特別に撮影許可をいただいています。

「AM倉敷(Artist Meets Kurashiki)」とは

大原美術館は、現代作家を迎える事業を大きく3つおこなっています。

有隣荘の特別公開:毎年春と秋に開催
ARKO(Artist in Residence Kurashiki Ohara):児島虎次郎のアトリエ(無為村荘)を使った滞在制作
AM倉敷(Artist Meets Kurashiki)

AM倉敷は画家・彫刻家以外に、身体表現・映像表現など幅広いアーティストを対象とし、アーティストが倉敷との出会いを通じた作品を制作し、公開をおこなう事業です。

17回目は「高松明日香 ― 光は世界を駆け巡る」となりますが、本来2020年4月~7月に開催を予定していました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により延期となり、その後4年間で最新作も加えての開催となりました。

なお前回(Vol.16)の開催は、2020年1月1日~3月15日で、4年ぶりの開催となります。

「高松明日香 ― 光は世界を駆け巡る」の概要

展示室毎の説明文

高松明日香さんの作品は「大原美術館 本館」内の4つの展示室で、大原美術館の所蔵作品と組み合わせながら展示がおこなわれています。

組み合わせる」がどういう意味なのかと思いましたが、普段の展示とはまったく異なった雰囲気を感じました。

有り体にいえば「ランダムに並べられた」という感じですが、筆者にはこれがとても新鮮な感覚でした。

たとえばこの展示は、地上の高いところ(山の上)と海の底の深いところ(タコ)を象徴的に示すことで、空間の広がりを強調しているそうです。

額におさめられた絵だけでなく、空間そのものが作品であるような感覚。

普段美術館に足を運ぶことは少ない筆者も、思わず見入ってしまいました。

高松明日香さんインタビュー

高松明日香さん

画家の高松明日香さんに、「AM倉敷 vol.17 高松明日香 ― 光は世界を駆け巡る」について話を聞きました。

──作品数がかなり多いと感じました。もともと2020年の予定が4年間延期されたことと関係があるのでしょうか。

高松(敬称略)──

もともと組み合わせるスタイルで、ちょこちょこと多いのはいつもの感じです。

──大原美術館の収蔵作品と組み合わせるのが新鮮に感じたのですが、最初から「これ」と決めて、展示するときのことまで意識して制作していたのでしょうか。

高松──

いえ、そこまで意識は届かないです。
1枚1枚の絵はこうしたい、あれとあれをつなげたいとかはもちろんありますが、最終的には大原美術館に来て展示しながら決めています。

イラストレーションボードに書いてここに来たけど、省いたものもあります。なので、最終的にこういう形状にしたっていうのは、ここ(大原美術館)に来て決めています。

お弁当みたいなもので、具(要素)は決まっているんだけど、最終的な配置は並べてみて決まるみたいな感じでしょうか。

──美術館の展示は、わりと整然と並んでいるイメージがありますが、高松さんの展示は自由というか、いろいろな形があると感じます。あえてそのような配置にしているのでしょうか。

高松──

はい、そうです。

簡単にいうと「漫画のコマ」みたいなものもあります。
私は自分で撮った写真や映像から引っ張ってきて作品を作るんですが、そのまま「1つの作品」にしてしまうと、どこに自分の意識が滑り込んでいくんだろうと考えてしまうんです。

なので、私が見たものを、どう置くかまでが作品かなと思って作っています。

──最後にメッセージをお願いします。

高松──

美術作品って私のだけじゃなくてどの作品でも、何か自分に関係があると思った瞬間に、その作品は他人じゃなくなるんですよね。

そういう瞬間があって、それがたまらなく好きで私は絵を描いているわけなので、そういう「とっかかりのフック」みたいなものを、たくさん用意したつもりです。

なので、自分のフックを探してほしいなと思います。

おわりに

アート作品と聞くと、どうしても「何かを読み取らなければ」と難しく考えてしまいがちです。

高松明日香さんの作品を見ると、そんな考えは不要なのかなと感じました。

高松さんがたくさん用意してくれた「フック」を、大原美術館でぜひ探してみてください。

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