パリ五輪マラソン6位入賞の鈴木優花選手が五輪史上最難関コースを振り返る
日本代表として、パリオリンピックの女子マラソンに出場した鈴木優花選手が9月25日、6位に入賞したパリでのレースを振り返り、4年後に米国で開催される予定のロサンゼルスオリンピックに向けて意気込みを語った。
パリオリンピックではレース直後に「すごく楽しかった」という言葉を残した鈴木優花選手。パリオリンピックでのマラソンコースはルーブル美術館やオペラ座などをバックにして走る美観コースではあるが、過酷なアップダウンを繰り返すため、五輪史上最難関コースと呼ばれた。28キロすぎから続く最大勾配13.5%とされる上り坂を実際に走った鈴木優香選手は、「重力が10倍くらい違うんじゃないかと思うくらいの坂で、歩いた方が速いんじゃないかと思うほどでした」と、解説した。だが、そのような激しいコースだったからこそ、「そこに挑戦することはなかなかできませんし、思い切って向き合ったことが結果的に『楽しかった』という表現になりました」と語った。
今回のレースは自分でも映像を見返したといい、「上り坂で前を走る選手に追いつくあたりは、映像で見ると実際に走っている時に感じた距離感とは異なり、急に追いついたという印象を受けました」と語り、またオリンピック新記録で優勝したオランダ代表のシファン・ハッサン(Sifan Hassan)選手については「底知れないものを感じた。レースを心から楽しんでいる」とし、ゴール直後にハッサン選手と言葉を交わしていたことについて、「英語でおめでとうと伝えました。ハッサン選手からは『あなたは何位だったの?』と聞かれました。憧れの選手でしたので、一緒に写真撮影もお願いしました」。
また、ナイキ契約アスリートでもある鈴木優花選手は、レースで着用していた「ナイキ(NIKE)」の「アルファフライ 3」について「足下はランナーにとって一番光るところだと思いますし、履いて出たいとモチベーションになる存在です。今回のシューズもオレンジが映えて、柄もアーティスティックな感じがして、とても履くのが楽しみでした」と話した。
マラソンは2時間以上にわたって競い合う、もっとも長時間の競技だ。スタミナも消耗する過酷な競技だが、マラソンの魅力について鈴木優花選手は、「その土地の景色を楽しみつつゴールに向かって走っていくのですが、沿道からたくさんの人が絶え間なく応援してくれます。耳と目でしっかり感じとり、沿道から力をもらいます。こうした湧き上がるような体験はマラソンならではだと思います」と話す。
来年9月には東京で世界陸上競技選手権大会(東京2025世界陸上)が開催される予定だ。すでにコースも発表されており、国立競技場をスタート・フィニッシュとし、東京ドームの近くを通り、古書店が並ぶ神保町を回る。さらに、4年後には米国でロサンゼルスオリンピックが開催される予定だ。鈴木優香選手は今後の目標として、日本新記録を狙いたいと宣言した。「どんどん自分をアップデートして、大会だったりタイムだったり、いろんなことに挑戦していきたい」とコメントした。可能性を秘めた鈴木優花選手に今後も注目したい。