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糸島・前原で発見!120年続く町のやさしい古民家カフェ『古材の森』(福岡・糸島市)【まち歩き】

福岡・九州ジモタイムズWish

■時を超える町屋、前原『古材の森』へ

福岡・糸島市の中心部、前原商店街。
その一角に、明治34年(1901年)に建てられた豪商・西原家の邸宅を活用した古民家カフェ『古材の森』があります。
建物の歴史は120年以上に及び、現在も訪れる人を温かく迎え入れる空間として息づいています。

■歴史と再生の物語

この旧西原邸は、かつて前原宿として栄えた唐津街道沿いに建つ町屋造りの建物。
立派な梁や柱、漆塗りの吹き抜け廻廊など、現代では再現が難しい意匠が随所に残り、訪れる人に明治時代の面影を伝えています。
一時は解体の話があがったこの建物ですが、「油機エンジニアリング株式会社」がその価値に心を動かされ、修復し、現在の姿へとよみがえらせました。
単なる保存ではなく、人が集い、学び、味わえる場として蘇らせたその姿に、地域への深い愛情が感じられます。

■地域の恵みを五感で味わう「町屋御膳」

『古材の森』がカフェとしてオープンして今年で20年。
ここでは、糸島の豊かな自然に育まれた食材を活かし、体にやさしい料理が提供されています。
筆者がいただいたのは、予約が必要な人気メニュー「町屋御膳」(2200円 税込)。
まず登場した前菜は、直営の阿蘇蔵農園から届く新鮮野菜に、糸島・高倉農園の生姜を使った自家製生姜ドレッシングが添えられていました。
ほんのりピリッとした生姜の風味がサラダに心地よいアクセントを添え、食欲をそそります。
メインには「どんぐりポークの甘辛焼き」。
やさしい味付けで、素材本来のうまみが生きています。
季節や仕入れによって内容は変わるそうですが、どの小鉢も丁寧に作られており、一品一品から料理人の思いが伝わってきます。
食後には日替わりデザートとコーヒーが付き、心も体も満たされる御膳です。

■光とともに過ごす、時間帯ごとの表情

店内奥には「歓古園(かんこえん)」という名の庭園が広がり、食事をしながらその四季折々の風景を楽しめるのもこの場所の魅力の一つ。
また、カフェメニューでは、スイーツやドリンクなどの軽食も充実。
不定期で夜カフェ営業やギャラリー展示、コンサートイベントも行われており、いつ訪れても新しい発見や感情に出会える場所となっています。

■糸島の恵みと町屋の記憶を、自宅でも

前原商店街は、かつて唐津街道の宿場町・前原宿として栄えた場所。
糸島の農村や漁村から人と物が集まり、米や魚、野菜といった豊富な食材が流通していました。
その歴史性を大切にしながら、『古材の森』では地域の特産品やオリジナル商品、唐津街道のつながりから生まれた商品も販売されています。
オリジナルブレンドのお米、ドリップバッグコーヒー、そして九州産のこだわり調味料たち。
どれも“地のもの”にこだわり、カフェで味わった優しい味や香りを自宅でも楽しめるようにという想いが込められています。
ただの「販売品」ではなく、店内で過ごした時間や記憶を持ち帰ることができる、そんな温かいアイテムばかりです。

■町屋で過ごす、五感が喜ぶひとときを。

明治の町屋建築の風情を残しつつ、現代の感性と丁寧に融合された『古材の森』。
その空間と料理、そして物語は、訪れる人に静かな感動を与えてくれます。
季節ごとに変化する庭の風景、時間帯によって表情を変える光のゆらぎ、そして、どこか懐かしくて優しい味わい。
そこには、日常の中ではなかなか味わえない“ゆっくりとした時間”が流れています。
糸島の魅力を五感で感じられる場所として、旅の途中にも、ちょっとした気分転換にもぴったり。
きっと訪れるたびに、新しい発見や感情に出会えるはずです。
前原の街を歩いた際には、ぜひ『古材の森』に足を運んでみてください。

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◼️『古材の森(こざいのもり)』
住所:福岡県糸島市前原中央3-18-15
電話:092-321-4717
営業時間:ランチ 11:30~14:00 / 喫茶 14:30~17:00
定休日:水・木曜
駐車場:あり(10台ほど)
公式HP:http://www.kozainomori.net/index.html
SNS:Instagram:@kozainomori
https://www.instagram.com/kozainomori/
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※情報は8月18日時点のものです。最新情報は公式HP、Instagram等でご確認ください。

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