東京都内でおすすめの画材店3選!初めての方も手に取りやすい商品を店員さんに取材
「絵を描いてみたいな」と思ったとき、どこで画材を買えば良いか、迷ってしまうことはありませんか? 東京都内にはたくさんの画材店があり、最近では海外から訪れる方も増えて、ますます注目を集めています。 しかし、「どのお店に行けば良いか迷ってしまう」「画材の選び方が分からない」と感じている方もいらっしゃるでしょう。筆者は美術大学で学んでいましたが、専門の学生でも、いくつもの店舗をめぐり、多くの道具に触れながら、自分に適した画材を探していました。 そこで、この記事では、初心者の方にもおすすめしたい画材店を厳選してご紹介します。 今回お伺いしたのは、Tools お茶の水店、月光荘画材店、PIGMENT TOKYOの3店舗。各店舗の方に取材し、手に取りやすい商品をピックアップしました。筆者が実際に使っている道具にも触れていますので、選ぶ時の参考にしてみてくださいね。
おすすめの画材店① Tools お茶の水店
JR御茶ノ水駅から徒歩1分と、アクセスも良好なTools お茶の水店。1987年の発売以来、多くの人々に愛されるカラーマーカー「コピック」の直営店で、アクリル絵の具『リキテックス』をはじめ、筆やキャンバスなど幅広いラインナップが揃っています。
また、文房具やマスキングテープなどの売り場も好評で、様々な年齢層のお客様が来店しています。1階がコピックやステーショナリー、2階は画材が中心で、お気に入りの商品がいくつも見つかる、ワクワクが詰まったお店です。
店員さんのおすすめ商品
1:初めての『リキテックス』セット
これから『リキテックス』を使ってみたい方に向けて、店員さんが画材をセレクトしてくださいました。まずは基本的な道具を揃え、小さめのキャンバスから始めてみるのがおすすめです。ミニイーゼルに作品を飾って、おうちで楽しむこともできますよ。
①リキテックス12色セット 1,650円(税込)
②筆洗器 396円(税込)
③筆セット 1,210円(税込)
④ペーパーパレット 297円(税込)
⑤ミニイーゼル 341円(税込)
⑥プチキャンバス 341円(税込)※各サイズ共通の値段です
合計4,235円(税込)
2:変形キャンバス
キャンバスというと四角形のイメージがありますが、Tools お茶の水店では色々な種類を取り扱っています。
写真右下の蝶の絵は、店員さんの作品。丸い形にパステルカラーで描かれた、優しい雰囲気の一枚です。キャンバスの形によって、作品の印象に違いが生まれるので、様々な形を試してみてください。
①三角型 15cm 748円(税込)
②六角型 15cm 858円(税込)
③楕円 12cm×18cm 891円(税込)
④丸形 20cm 946円(税込)
⑤丸形 25cm 1,474円(税込)
3:「おうちで ひとやすみ 図工室」のラインナップ
Tools お茶の水店の2階の催事コーナーでは、季節ごとにおすすめの商品をピックアップしています。
2025年7月から開催している「おうちで ひとやすみ 図工室」は、夏休みにおうちでの制作活動を提案する企画。木版画やシルクスクリーン、石塑(せきそ)粘土など、普段手に取る機会が少ない素材を中心に、夏の創作を楽しむ画材が紹介されています。
初めての方やお子さんも安心して制作できるよう、入門セットとキットも揃っているのが魅力的です。店員さんが刷ったTシャツや、石塑粘土で作った作品が展示されているので、見ているだけでアイデアが広がりますね。
涼しいお部屋で、のんびりとモノづくりを楽しんでみませんか?
筆者のお気に入り商品
筆者のお気に入りは、「コピック」シリーズです。「すべての人をクリエイティブに」というコンセプトで生まれた「コピック」は、Tooグループの画材ブランド。カラーマーカーを中心に、世界70カ国以上で愛用されています。
筆者は、中学生の頃によくイラストを描いていましたが、色をつける際、ペンでなぞった輪郭線がにじんでしまうのが悩みでした。そんな時、「コピックスケッチ」に出会い、カラーバリエーションの豊富さと、混色など多様な使い方ができる点に惹かれました。
「これからイラストを制作してみたい」という方におすすめなのが、「コピックチャオスタートボックス 12色」。
・コピックチャオ 12色
・マルチライナー 4本組
・コピックスケッチブックS
・書籍:はじめてのコピックイラスト
・ぬりえ5柄
がセットになって、5,980円(税込)というお手頃価格です。
イラストの描き方や、練習に役立つぬりえが付属しているので、ビギナーの方も始めやすいセットです。
発売からおよそ40年の間、いくつものシリーズを展開している「コピック」ですが、2024年6月には「コピック アクレア」という新商品が誕生しました!
乾くと耐水性になるのが特徴で、紙に限らず、ガラス瓶など多様な素材に描くことができます。筆者も試し描きしたところ、発色が鮮やかで、質感がある紙でもきれいに線を引けました。
メッセージカードにひと手間加えたり、ノートの表紙にオリジナルのイラストを入れてみたりと、日常でも活躍する一品です。
あなたにぴったりの画材が見つかるお店
Tools お茶の水店では、作りたい作品のイメージや探している画材について、店員さんに相談することができます。
予算に合わせて検討したり、「風景画を描いてみたい」など希望に添って提案してもらったりと、あなたにぴったりの画材をコーディネートしてもらえるでしょう。
Tools お茶の水店で、新たな画材との出会いを楽しんでみてくださいね。
《店舗情報》
店舗名:Tools お茶の水店
住所:東京都千代田区 神田駿河台2-1-30
アクセス:JR線「御茶ノ水駅」から徒歩1分、東京メトロ「御茶ノ水駅」から徒歩3分
TEL:03-3295-1438
FAX:03-3295-1440
営業時間:平日 9:30~19:00/土日祝日10:00~18:30
※土日祝日は、営業時間が変わります
Tools お茶の水店
アクセス(Google Map)
おすすめの画材店② 月光荘画材店
月光荘画材店は、1917年創業の老舗で、銀座エリアで広く知られるアートスポットです。新橋駅から徒歩6分、銀座駅から徒歩10分の場所にあります。
創業当時から、職人による本物の物作りと、色と音の感動を通じてあらゆる人々が交流する場作りを大切にしています。どこか懐かしさのある、温かみのある空間で、ゆったりと画材を選べるのが魅力です。
そんな月光荘画材店の棚に並ぶのは、すべてオリジナルで開発した商品。お客様と丁寧に対話する中で生まれた画材が、多数取り揃えられています。初めての道具選びに悩んでいる方も、店員さんに気軽に相談できるので、安心して足を運べますよ。
店員さんのおすすめ商品
1:透明水彩3原色セット
月光荘画材店は、日本で初めて、顔料から純国産の油絵の具を開発したお店でもあります。油絵の具のほかにも、透明水彩絵の具とガッシュ(不透明水彩絵の具)を取り扱っています。職人のこだわりが込められた絵の具は、顔料の粒子が細かく均一で、発色が鮮やかです。
「水彩画に興味があるけれど、何から始めたら良いか分からない」という方にぴったりなのが、「透明水彩3原色セット」(税込2,035円)。トライアンロース、イエローライト、コバルトブルーの3種類で、混色によって幅広い色合いを生み出せます。水彩画の始めの一歩を、手軽に踏み出せる商品です。
2:カラーコンテ
初心者の方やお子さんに好評の画材が、こちらの「カラーコンテ」(税込2,750円)。窓ガラスや鏡に絵を描けるのが人気の理由です。濡れた布で拭けばきれいに落ちるので、汚れる心配もありません。
店内の試し描きコーナーを見ると、「カラーコンテ」で描いた絵がいくつも集まっていました。クレヨンタイプの画材なので、紙に描いたり、水をつけた筆でなぞってにじませたりと、色々な楽しみ方ができる一品です。
筆者のお気に入り商品
1:スケッチブック - ウス点
月光荘画材店では、幅広い用途で使えるスケッチブックが充実しています。デッサンに最適な滑らかな薄紙や、画用紙のように厚みのある紙など、使いたい場面によって選べるのが魅力です。
筆者も、作品のアイデアを書き留めたり、屋外でスケッチしたりする際に使用しており、欠かせないアイテムになっています。
今回、筆者が手に取ったのは、「スケッチブック - ウス点」。店員さんにお話を伺ったところ、パナソニック創業者・松下幸之助氏の依頼がきっかけで生まれた商品だそうです。
アイデアを出す時に、まっさらな紙を前にすると、身構えてしまうことがありますよね。しかし、このスケッチブックは、1センチ四方の薄い点が印刷されており、ガイドとして役立ちます。図面を描いたり、思いついたことをスケッチしたりと、創作をそっと後押ししてくれる存在です。
アイデアが浮かばず手が止まってしまう時も、強い味方になってくれるでしょう。
《商品情報》
「スケッチブック - ウス点」(65g/60枚綴じ)
0F(18×12cm)440円(税込)
2F(24×21cm)660円(税込)
4F(31×24cm)880円(税込)
5F(36×27cm)990円(税込)
6F(40×31cm)1,210円(税込)
8F(40×31cm)1,430円(税込)
2:8B鉛筆・8B芯鉛筆
スケッチブックと合わせて、筆者が愛用しているのが、こちらの「8B鉛筆」(税込330円)。
芯が柔らかく、線の強弱や濃淡を自在にコントロールできます。一本あるだけで、表現の幅がぐっと広がります。
また、芯だけの「8B芯鉛筆」(税込275円)も、筆者のお気に入りです。カバー付きの商品もあるので、手を汚さずに使用できます。
手の動きがダイレクトに伝わるため、人物のスケッチなど、線の勢いを伝えたい時に重宝します。自分の感覚を大切に、のびのびと絵を描きたい方におすすめの鉛筆です。
こだわりの画材でアイデアが膨らむお店
こだわりの画材を手に取ると、創作意欲が刺激され、新たなアイデアが浮かんできます。店員さんに使い方を尋ね、試し描きコーナーでお試しすれば、あなたにとって特別な道具が見つかるはずです。
月光荘画材店では、作家が展示を行うギャラリー「月光荘画室」や、月光荘と親交のあったアーティストの作品や民藝の名作を見ながらお茶を楽しむことのできる「月光荘メゾン」、生演奏を毎晩楽しめるサロン「月のはなれ」を運営しています。
創業当時から大切にしてきた「人と人との交流」を、美術や音楽に親しむスペースを通じて育み、多くの出会いが生まれています。日常に芸術が入り込む体験に浸りながら、お気に入りの一品で創作を楽しんでみてくださいね。
《店舗情報》
店舗名:月光荘画材店
住所:東京都中央区銀座8-7-2 永寿ビル1F・B1F
アクセス:JR線・東京メトロ「新橋駅」から徒歩6分、東京メトロ「銀座駅」から徒歩10分
TEL:03-3572-5605
営業時間:平日11:00~18:00/土日祝日11:00~17:00
※年末年始以外無休
月光荘画材店
アクセス(Google Map)
おすすめの画材店③ PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)
りんかい線天王洲アイル駅から歩いて3分の場所にある、PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)。寺田倉庫が運営している、絵画材料を専門に扱う複合クリエイティブ施設です。絵具のもとになる顔料を自分で選べたり、技法を体験するワークショップに参加できたりと、素材に触れながら画材を学びたい方にぴったりのお店です。
「顔料ってどうやって扱うの?」「画材の使い方が分からない……」という方も、店員さんに丁寧に説明してもらえるので、安心して来店できます。
顔料選びと絵具作りにチャレンジ
店内でひときわ目を惹くのが、たくさんの顔料が並んだディスプレイ。「表通りからきれいな棚が見えて、気になって立ち寄りました」と話すお客様もいるほどで、思わず足を止めたくなる存在感です。
今回、筆者も顔料を選ぶ体験をしてみました。色の種類が多く悩みましたが、店員さんにおすすめしてもらった「新岩 美群青」(税込1,320円)に決定。鮮やかさと深みのバランスが美しいと感じました。
※顔料の種類や細かさによって金額が異なります。瓶の裏面に価格が記載されていますので、店頭でご確認ください。
お好きな商品を選んだら、カウンターへ。PIGMENT TOKYOでは、15g単位の量り売りで顔料を販売しています。購入するだけでも特別な体験を味わうことができ、ワクワク感が高まります。
顔料はサラサラとした粉の状態なので、絵具として使うには、展色剤(てんしょくざい)が必要です。展色剤は、顔料を紙やキャンバスなどの素材に定着させる「のり」の役割を果たし、使う種類によって水彩や油彩など、絵具のタイプが変わります。
たとえば、筆者が購入した「ガムアラビック」を顔料に混ぜると、水彩絵具を作ることができます。
店員さんに、水彩絵具を簡単に作る方法をお聞きし、自宅で試してみました!
用意するものは、
・ペーパーパレット
・パレットナイフ
・絵筆
・筆洗器
・画用紙 ※お好きな紙をご用意ください
の5点です。ペーパーパレットの上に顔料を出し、「ガムアラビック」を一滴ずつ加えます。パレットナイフを使って、ペースト状になるまで顔料と「ガムアラビック」を混ぜ合わせましょう。
絵筆で画用紙に試し描きしてみると、顔料の粒がしっかりと画面に定着し、独特の質感が生まれました。ご自宅で手軽にできるオリジナルの絵具作りを、ぜひ楽しんでみてください。
店員さんのおすすめ商品
1:岩絵具 初心者キット改
「日本画にチャレンジしたい」という方におすすめなのが、「岩絵具 初心者キット改」(税込6,380円)。
こちらのキットには以下9点が含まれており、基本的な画材が揃うのが魅力です。
絵具(9色)
下絵(2種)
念紙
絵皿(3枚)
麻紙ボード(胡粉引き/2枚)
透膠液
骨描き墨汁
筆(面相筆・平筆)
描き方手順書
「一人で描けるかな」と不安に感じる方も、店員さんに説明してもらったり、公式サイトのPIGMENTチャンネルで解説の動画を視聴したりできるので、安心して挑戦できますよ。
2:筆と陶器の皿・筆洗器
PIGMENT TOKYOには、筆や刷毛(はけ)、陶器製の皿・筆洗器など、制作に欠かせない道具がひと通り揃っています。
広い面を塗る作業には、こちらの刷毛が便利です。幅が狭いものから広いものまであり、品揃えが充実しています。
店員さんにお聞きしたところ、次の3点を使うと、様々な絵が描けるそうです。
①細かい線を描く「面相筆(めんそうふで)」
②色を塗る「彩色筆(さいしきふで)」
③背景など大きな面を塗る「刷毛」
「もっと道具を揃えたい!」という時は、陶器の皿や筆洗器も用意すると、より本格的な制作ができるでしょう。
3:ゴンドラパステル
より気軽な画材としておすすめなのが、「ゴンドラパステル」。日本初のソフトパステル製造メーカーの商品で、コロッとしたかわいらしいフォルムが特徴です。短く太い形で、衝撃が加わっても折れにくいため、屋外でのスケッチにもぴったり。
「ゴンドラパステル」をバッグに入れて、スケッチブックを片手に出かけてみてはいかがでしょうか?
《商品情報》
48色セット 6,380円(税込)
66色セット 9,680円(税込)
100色セット 14,080円(税込)
150色セット 23,980円(税込)
242色セット 38,500円(税込)
新しい表現に出会えるお店
PIGMENT TOKYOでは、ビギナーからプロのアーティストまで、幅広い人々が訪れ、新しい表現を楽しんでいます。
絵具作りや日本画を体験できるワークショップも定期的に開催していますので、「画材についてもっと知りたい」という方は、ぜひPIGMENT TOKYO ホームページをチェックしてみてください。
PIGMENT TOKYOに通うたびに、あなたの表現がさらに磨かれていくでしょう。
《店舗情報》
店舗名: PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)
住所:東京都品川区東品川2-5-5 TERRADA Harbor Oneビル 1F
アクセス:りんかい線「天王洲アイル」駅から徒歩3分/東京モノレール「天王洲アイル」駅から徒歩5分
TEL:03-5781-9550
営業時間:11:00〜19:00 (定休日:月曜日)※月曜日が祝日の場合は営業いたします。
公式ホームページ:PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)
アクセス(Google Map)
お気に入りの一品で楽しい創作を
この記事では、美術大学で学んだ筆者がおすすめする東京都内の画材店を、3つご紹介しました。
どのお店でも店員さんに気軽に相談できるので、初めての方も安心して足を運べます。お気に入りの一品を手に取れば、創作の時間がさらに楽しくなりますよ。
訪れるだけでもワクワクする画材店で、あなただけの表現を見つけてみてくださいね。
《取材協力》
Tools お茶の水店:Tools お茶の水店 店長 野村紘陸様
月光荘画材店:株式会社月光荘画材店 広報・教材事業部・額装責任者 後藤麻衣子様
PIGMENT TOKYO:寺田倉庫株式会社