【横須賀 グルメレポ】blue green akiya-西海岸通りに誕生した生産者の顔が見えるハンバーガーダイナー
国道134号線は葉山町から横須賀市の秋谷に入る長者ヶ崎から佐島を抜ける林交差点まで「西海岸通り」という別名で親しまれています。きらめく波光と富士山を望む美しい海岸線を右手に見ながら南へ。多くの人が県営立石駐車場(24時間無料)に車を停めて訪れるのが秋谷・立石海岸。海に突き出た巨大な奇岩「立石」で有名な景勝地です。
画像出典:湘南人
岩場で磯遊びをしたり、砂浜でビーチグラスを集めたり、あるいは広い空を眺めてボーッとしたりの海時間を過ごした後「小腹が空いたな」というタイミングで立ち寄るのにぴったりなハンバーガーダイナーが"海から20秒"の西海岸通り沿いに2025年2月にオープンした「blue green akiya」です。
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首都圏で評判のキッチンカーが実店舗に
千葉県市川市で居酒屋や日本酒Barを経営する佐野夫妻が秋谷への移住を機に始めたハンバーガーのキッチンカー。それが首都圏で評判を呼び、実店舗としてオープンすることになったそうです。オープンから2ヶ月しか経っていないのに古民家をリフォームした店内には木の匂いとともに、長年ここで営業しているような懐かしさを感じました。
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生産者の顔が見えるフライドポテト&瀬戸内レモンスカッシュ
お店のポリシーは「可能な限り生産者の顔が見えるものを提供したい」というもの。
「フライドポテトには居酒屋でも17年取引きさせて頂いている北海道洞爺湖畔の白石農園さんのキタアカリを使っています」
収穫後に雪を入れた貯蔵庫で越冬させることで糖度が増したキタアカリを固茹でし、冷凍保存して揚げることで究極の旨味を引き出しているそう。
「北海道には越冬キタアカリを出荷している農家さんがたくさんいらっしゃいますけど、やっぱり白石農園さんのがすごく美味しいんですよ」
佐野さんの言葉には食材が誰にどのような環境で育てられたのかを自分の目で見て来たからこその自信と生産者へのリスペクトが溢れていました。そんな"食材の物語"とともに揚げたてで提供されるフライドポテトはジャガイモの甘さと塩加減が絶妙の逸品です。
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同じように食材を求めて佐野さんが訪れたのが瀬戸内海に浮かぶ広島県尾道市の高根島。年間を通じて降水量が少なく、温暖な気候に恵まれたこの島は別名「レモン島」と呼ばれ、国産レモンの3割が栽培されています。
「LORO farmっていう、若い生産者さんの無農薬レモンです。見つけたときは"これだ!"って感じでした」
農薬も化学肥料もワックスも防腐剤も使用せずに栽培されたレモンを皮ごとシロップ漬けにして、瀬戸内レモンスカッシュ(450円)と瀬戸内レモンサワー(550円)として提供。どちらも濃厚な果実味と爽やかな甘味に溢れています。
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神は細部に宿る妥協なきハンバーガー
そしてイートインでは切り株に載せて提供されるのが"熟成肉BEEF100%バーガー"。
「オーツ麦とひまわり種、ごま、亜麻仁を使ったマルチリアルバンズというパンを使っています。ハンバーガーのパンにしているところは少ないと思いますね」
単品でも美味しい黒っぽいバンズはカット面も鉄板で焼かれています。
「パティには牛100%の熟成肉を使っています。部位はシンタマで、牛脂に葉山牛を使っています」
"神は細部に宿る"。こうした妥協のなさが全体の完成度を高めているのでしょう。肉々しさと新鮮なレタスのシャキシャキ感、そして酸味と旨味のバランスが絶妙な自家製ソースとの相性も抜群の美味しさ。チェダーチーズ、ハラペーニョ、スコッチボネットホットソース、ベーコン、アボガドと、トッピングで好みの味にカスタマイズすることも可能です。
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「地元の人が普段使いできるようなお店を」
相模湾に夕陽が沈む頃、小腹を空かせた学校帰りの子どもと訪れたわたしは一番人気だというアボカドチーズバーガーをフライドポテトとサラダ、ソフトドリンクのついたセット(2000円)で頂きました。
「見た目はちょっとボリューミーですけど、おばあちゃんやおじいちゃんでも全然食べられるようなバランスを考えて作ったので残さず食べられると思いますよ」
確かに逆流性食道炎気味のわたしも食後に胸焼けやもたれを感じることはありませんでした。子どもがうれしそうに飲んでいた果実が皮ごと入った瀬戸内レモンスカッシュにも無農薬ならではの安心感がありました。
「地元の人が気軽に来られる店を目指してるので、観光地にありがちな高価格にはしたくなかったんです」
そんな佐野さんの言葉に「持続可能性」への思いを感じました。労働力に見合った適正な価格で買い支えることで生産者は栽培を続けることができる。顔の見える食材で作った料理を地元の生活者が普段使いできる価格帯で提供することで長く愛される店になっていく。"育てる人"と"つくる人"そして"食べる人"の三者が笑顔になる最適なバランスを考えたお店作りをされているのだなと。加えてテイクアウトのハンバーガーには環境に配慮した紙パッケージを使用。経済、社会、環境の3つがバランス良く調和することで今の営みが未来へと繋がっていく。
「海も山も好きなので、っていう意味です」
サーフィンなどを通じて自然と共生している佐野さんの海と山への愛が込められた「blue green」の名を体現したようなお店だと感じました。
画像出典:blue green
blue green akiya
営業時間
金・土・日 11:00 - 21:00
LUNCH 11:00〜15:00
BAR TIME 15:00〜21:00(日曜はSUNSET迄)
定休日
月曜 火曜 水曜 木曜
支払い方法
現金、カード、電子マネー、QR決済(楽天Pay・PayPay)
禁煙・喫煙
禁煙
設備
カウンター席(6席)、テーブル席(2席)、テーブル席(4席)
アクセス
京浜急行バス「立石」下車徒歩0秒
住所:〒240-0105 神奈川県横須賀市秋谷3-4-3
駐車場 なし
基本情報
お店の種類
レストラン、カフェ、Bar
ジャンル
軽食
メイン料理
ハンバーガー
利用シーン
お一人様、家族・子連れ、デート、ランチ、Bar
こだわり条件
落ち着いた空間、子ども歓迎