日本のガチ中華と本場東北料理の食べ比べ!瀋陽のグルメ旅を報告します
日本のガチ中華で代表的なのが「東北料理」。東北地方は中国東北部の遼寧省、吉林省、黒龍江省の3省からなり、歴史・地理的要因から日本にいる東北地方出身の人は多い。ガチ中華も同様で東北出身の店主・店員のお店が多いと言われている。
※詳しくは中村さんのブログを参照ください。
https://note.com/deepchina/n/n82926af37dc9
私の中国旅の楽しみが日本のガチ中華と本土中華の食べ比べ。「日本で最も身近なガチ中華【東北料理】は他省と異なる結果になるのでは?今後よりガチ中華開拓が楽しめそうだ!現地で食べて比較してみたい!」と思うようになり、東北地方最大級の都市「瀋陽」に行ってきました。
瀋陽でハマったのが「市場・屋台グルメ」。瀋陽には日中のみならず早朝から夜まで様々な市場・屋台が開かれています。本レポートでは、瀋陽の市場・屋台を時間帯別で紹介しようと思います。市場・屋台では美味しいグルメは勿論、人々の生活や交流を見ることができました!
朝(朝市)
瀋陽の朝は早い。朝5時半に起床し向かったのは瀋陽西部にある朝市「向工街早市」。夏は5時〜8時半、冬は6時〜9時で開かれている。 我々が到着したのは7時前だったが歩くのが大変なほどの賑わい。
向工街早市は東西2つエリアから構成される。西側は食べ物エリア、フレッシュな野菜、果物、魚介が並ぶ。沢山の食べ物に加え、調理の工程がみれたり、セールスのパフォーマンスで盛り上がったりと活気に満ちているのも魅力だ。
東側は日用品エリア、フリーマーケットようで衣類、靴、帽、鞄等がずらっと並んでいる。「洋服安いなー」と思いましたが、おばちゃん向けの服が多くて購入は断念(笑)
向工街早市グルメ①:豆腐脳
豆腐脳は柔らかい豆腐、おぼろ豆腐のようなもので朝ごはんの定番。地方により呼び方、食べ方が様々で台湾スイーツとして有名な「豆花」も同じ食べ物。中国北部では「豆腐脳」と呼ばれ醤油ベースのスープに香草をのせて食べる。
「豆花=甘いもの」だったので塩味にはびっくり。日本の豆腐と比べると口当たりが滑らかでプリンを食べているよう。スープはシンプルで優しい味、体が温まりました。
向工街早市グルメ②:鸡蛋汉堡
鸡蛋汉堡(卵バーガー)は卵や餡を生地で挟んだ朝食。作る工程を見学でき、ビヨーンと伸びる生地、華麗な手捌き・・見ていて飽きない。作り方だけ見ると御座候のような感じですね。
できたてを温かいうちに食べてみると、生地は外側は焼き目がつき香ばしく内側はふわふわ。卵も少し柔らかく絶妙。イングリッシュマフィン、朝マックのエッグマフィンを中華風にした感じでしょうか。
鸡蛋汉堡は日本でも!
鸡蛋汉堡は新大久保駅目の前にある「南南鸡蛋肉汉堡」でも食べることができます。
ここのお店では卵+肉、エビチーズ、チーズ、チャーシューから具材を選べ、お値段も500円前後とお手頃。今回は「卵+肉」を。肉には甘辛の味付け、香辛料がしっかりで中華感はありつつも食べやすい。瀋陽で食べたものとは生地感が少し異なりましたが本場感はバッチリ。新大久保に立ち寄られた時はぜひ。
向工街早市グルメ③:蜂蜜槽子糕
蜂蜜槽子糕は卵を使ったケーキでカステラのようなもの。表面は焼き目がつき香ばしさとシャリっと感があり、中はふわふわで蜂蜜と卵のほのかな甘みが広がる。素朴な味ですがクセになる。瀋陽名物ではないですが向工街早市で一番気に入りました。
昼
朝市が終わる頃に日中営業の市場が開き始める。朝市のように路上の市場もありますが、今回紹介したいのは様々な食品が集結するフードモール「大東副食品商場」。朝8時前後には大半のお店がオープン、瀋陽故宮から徒歩圏なので「瀋陽故宮が開く前に朝ごはんを!」みたいな立ち寄り方も。
大東副食品商場は巨大フードコートのようで、花巻等の代表的な朝食・軽食やソーセージ、キムチ、お菓子、飲み物など様々なお店がずらっと並ぶ。茶葉、調味料やお土産も売られています。
大東副食品商場グルメ①:皇城馋嘴手撕烤鸭
こちらでいただけるのは手撕烤鸭。「手でちぎる(手撕)ローストダック(烤鸭)」の名の通りで、香草類を使いローストされた鴨を手でほぐし、スパイスをかけ大煎餅(クレープ生地のようなもの)で包む軽食。店員さんが目の前で鴨を金具から外して大煎餅に包んでくれる。この手捌きが華麗で鴨を包んでお客さんの持つ紙袋にシュートするまで1分半ほど。
さて実食。鴨は程よく脂が落ちて香ばしく肉質も柔らかく感動。持ち帰って食べたが、冷めてもベトベト感がない。煎餅のパリパリ感もそのままで、生地の甘味と鴨の脂がよく合う。丸ごと一羽入っているのでボリュームもあり首や手足など色々な部位を食べられるのも嬉しい。
大東副食品商場グルメ②:广式流沙包
この店で買える流沙包は広東で食べられる点心の一種で、本来はお饅頭のような生地に餡が入ったものを指すのですが、この店のものは少し変わっておりパイ生地の中に餡が入っている。「広東式(广式)と書いてあるけど広東では見ないよね〜」と中国人友人が話していた。瀋陽オリジナルなのか・・?
味は蟹黄椰蓉馅(蟹味噌・ココナッツ)、緑豆、赤豆、肉松(肉でんぶ)、ドリアン、黒胡麻など。今回は一番オーソドックスな蟹黄椰蓉馅を。生地は焼きたてで外はカリカリで中はほろほろサクサク、餡が甘ジョッパくココナッツの風味もしっかりと効いている。皮が薄めで軽いので幾つでも食べられてしまう。冷めた時の口触りは(餡は異なりますが)「パイの実」に近いかも。これは日本でも受けそう。
夜(夜市)
朝昼と沢山の美味しいグルメに出会えて大満足!しかし瀋陽は夜もアツい!今回、夜市として紹介するのは「彩塔夜市」。テレビ塔である彩電塔のすぐ下の南一経街に延びる通りで開かれる夜市で様々なローカルフードに出会える。射的や輪投げなどの遊戯系の出店も多く、お祭りのような雰囲気なのも特徴的。写真は18時40分ごろのメイン通りの様子。金曜日夜ということもあり大混雑。
彩塔夜市グルメ①:叶大姐冷面卷臭豆腐
烤冷面(焼き冷麺)は平たいカット前の冷麺の生地を揚げ焼きにする東北料理。このお店では烤冷面に焼き臭豆腐を巻く冷面卷臭豆腐が食べられます。
具材は、臭豆腐の匂いの強さ、追加トッピングから選択でき、焼いた冷麺の上に臭豆腐を置き甘辛ソースを塗り提供される。
麺は焼き目がついて香ばしくパリパリ。臭豆腐も表面が焼き目がつきパリパリで臭豆腐特有の匂いに香ばしさがプラス。ソースと臭豆腐の相性も良い。臭豆腐単体が得意ではないのですがこちらは美味しくいただけました。
彩塔夜市グルメ②:炒焖子
炒焖子はイモデンプンの煮こごりを鉄板で焼きをニンニクたっぷりの胡麻ソースをかけた東北地方のローカルフード。冷製でも食べられているのだとか。夜市に2店舗ほどあり、お姉さんたちが「これ美味しいからもう一つ買いたい!」と言って並んでいたのを見て我々も購入。
焖子はわらび餅に近いが歯応え、もちもち感がある。ソースは胡麻の甘さ・濃厚さはありつつも、ニンニク等で香づけされてジャンキーわらび餅のような感じで面白い。ビールが進むおつまみだなと。
早朝から夜まで沢山の市場・屋台グルメが楽しめる瀋陽でした。市場・屋台は少しずつ頼めるので色々なものが食べられて良かったです。
瀋陽の市場・屋台で印象的だったのが「人」。瀋陽の人たちの熱心な売り込み、セールストーク等のパフォーマンスには圧倒されました。これまで雲南省や広東省を旅しましたが、また違う気質だなと感じたり。グルメ起点での旅が多いのですが、こうしたエリアごとの文化や人の違いに気づけるのも楽しいですね。
今回も沢山の美味しいものに出会え、新たな気づきも得られ良い旅になりました〜今回紹介したエリア以外にも市場や屋台がありますので、瀋陽に行った時はぜひ覗いてくださいね。
(文香)
店舗情報
向工街早市
辽宁省沈阳市皇姑区向工街昆山西路202巷路口
https://surl.amap.com/7DLL6eNyaf9
南南鸡蛋肉汉堡
新宿区大久保1-7-20
大東副食品商場
辽宁省沈阳市沈河区东顺城街100号
彩塔夜市
辽宁省沈阳市沈河区南一经街(青年公园地铁站C口步行160米)