バルサに唯一黒星をつけた、ジェフ千葉U-12エスクデロ監督が語る、日本人に必要な「勇気を持って挑む」メンタリティ
U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで、ホストチームを務めたジェフユナイテッド千葉。予選リーグでFCバルセロナに2対1で勝利し、今大会バルサに唯一黒星をつけたチームとなりました。
ラウンド16では優勝候補のバディサッカークラブ(東京)とスコアレスドローの末、PK戦で敗退したものの、強豪相手に一歩も引かない姿勢は鮮烈な印象を残しました。
試合後、ジェフユナイテッド千葉U-12監督、アルゼンチン出身のエスクデロ・ホアン氏に、大会を通じた感想と指導哲学について、うかがいました。
(取材・文:鈴木智之 写真:兼子慎一郎)
指導者インタビュー
■バルセロナの特徴を分析した
――バディサッカークラブとの試合はPK戦で敗退となりました。試合の感想を聞かせください。
エスクデロ 緊張感がある中で、強い相手との試合でした。ゲームプランとしてはボールをしっかり持つことを選手に伝えていたのですが、前半はちょっとバタバタしてしまって簡単に失うことが多く、もったいないと感じていました。
後半は落ち着いて相手を引き付けてボールを保持し、循環させることができました。そこからゲームを作り、チャンスも増えましたが、残念ながらPK戦で負けてしまいました。
相手に能力の高いFWの選手がいたのですが、最後までしっかりと対応して頑張れたのは良かったと思います。
――予選リーグでバルセロナに勝利しましたが、それについてはいかがですか?
エスクデロ バルセロナの特徴を分析し、どうすれば嫌がるかを考えました。重要なのはプレッシングの部分です。守備では相手センターバックの正面に入り、ボールを前に運ばせないようにしました。
バルセロナはそこがメソッドとして特徴的なので、最終ラインからボールを運ばれると、数的優位の状況を作られてしまいます。そこをまず抑えて、どこかでエラーが出ればチャンスが生まれると思っていました。
結果的にプレッシングから、我々のショートカウンターにつながりました。バルセロナのリアクションは早かったですが、カウンターの綺麗な形でゴールまで行くことができました。
■日本とアルゼンチンのメンタリティの違い
――監督はアルゼンチン出身とのことですが、バルセロナ戦に対して、どのような気持ちで臨まれましたか?
エスクデロ 海外のチームと対戦し、外国人コーチもいる中で、選手たちもモチベーションが高く、自分のプラスアルファを出せることが大事だと思います。自分もこういう試合ではゲームプランを選手に伝え、選手をうまく活かすことを考えました。実際に結果も出て、本当に良かったと思います。
――日本の選手の球際について、アルゼンチン出身の監督として、どう感じますか?
エスクデロ 自分の育った国の基準から見ると、日本やアジアの選手たちはまだ低いと感じます。ただし、やろうとする意識はありますし、連続して球際に行ったり、しっかりと体をぶつけ合うことができる選手もいます。そうでない選手はやはり、後押しが必要だと思います。
――バルサのメンタリティ的な部分ではいかがですか?
エスクデロ バルセロナの選手たちが声を出して雰囲気を作るのは、向こうでは普通のことです。アルゼンチンもそうですが、ラテン系の選手たちはそれが当たり前になっています。日本の選手もやろうとしていますが、全員はできませんし、試合の流れがうまくいかなくなると、静かになることが多いですね。
日本の選手たちもメンタル的にコントロールすることができれば、ゲームは常にやり直せると思います。日本には他者をリスペクトする文化がありますが、アルゼンチンやスペインでは「全力を出して戦うこと」がリスペクトであり、戦わないとリスペクトしていないという考え方です。
■成長のために「勇気を持って挑むべき」
――バルセロナ戦の勝利を、選手たちに今後どう活かしてほしいですか?
エスクデロ 日本のチームは相手が強いと引いて守ったり、リスペクトしすぎる傾向がありますが、それでは成長することはできません。
強い相手が目の前にいるからこそ、成長するチャンスだと思って、勇気を持って挑むべきです。負ける可能性はありますが、それをしないと成長はできません。この経験を今後に活かしてほしいですし、バルセロナ相手でも勇気を持ってプレーすることが、成長につながると思って臨みました。
――ワールドチャレンジという大会の意義についてはいかがですか?
エスクデロ 本当に素晴らしい大会だと思います。海外の選手たちと対戦できることで成長できますし、サッカーだけでなく様々なコミュニケーションを取ったり、みんなで話したりすることができます。試合中も色々な言葉が飛び交っていましたよね。11人制ということもあり、中学年代に向けた準備ができる、素晴らしい大会だと思います。
――ホストチームとして、どのような意識で大会に臨んでいますか?
エスクデロ この大会では、選手たちがベンチやコーナーフラッグを置くといった、会場の設営を手伝っています。ホストチームとして感謝の気持ちを忘れず、プレーで全力を出すことはもちろん、オフザピッチでの行動も大事だと思っています。
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