ミュージカル『ビリー・エリオット』本公演が開幕! オープニング公演での観客の声援に、安蘭けい「鳥肌立った」
2024年8月2日(金)から東京建物Brillia HALLで開幕する、Daiwa House presentsミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』。8月1日(木)にはプレスコールと取材会が行われ、浅田良舞、石黒瑛土、井上宇一郎、春山嘉夢一、益岡徹、鶴見辰吾、安蘭けい、濱田めぐみが登壇した。
ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』プレスコール
本作は、1980年代のイギリス北部の炭鉱の町を舞台に、踊ることが好きなひとりの少年と彼を取り巻く大人たちの姿を描き、世界中を虜にした映画『BILLY ELLIOT』(邦題『リトル・ダンサー』)をミュージカル化した作品。ビリーの圧倒的なパフォーマンスと、作品の持つ巨大なエネルギーが評価され、2006年には英国ローレンス・オリヴィエ賞4部門、2009年にはトニー賞で10部門を獲得している。日本では2017年に日本キャストによる初演が開幕。2020年に再演され、今回は3度目の日本上演となる。7月27日(土)からはオープニング公演が行われているが、その初日には、日本公演通算200回突破するという偉業を成し遂げた。
この日のプレスコールで公開されたのは、劇中の5つのシーン。オープニングナンバーの「The Stars Look Down 星たちが見ている」では、春山ビリーが伸びやかな歌声で観客を魅了した。春山ビリーは続けて「Shine 輝け、今!」も披露。ビリーが偶然、ウィルキンソン先生のバレエ教室に迷い込んでしまうシーンをコミカルに演じてみせた。濱田ウィルキンソンによる力強く響き渡る歌声も必聴だ。踊りながら歌うその声からは頼もしさすら漂い、観客を釘付けにした。
「Expressing Yourself 自分を表現しよう」には、石黒ビリーが登場。バレエのレッスンを続けるべきか、親友のマイケルに相談に行ったビリーだが、マイケルは母親の洋服を引っ張り出してきてビリーに着るように促すというシーンだ。プレスコールでは、マイケル役は渡邉隼人が演じた。二人のハーモニーと踊りが重なり合って、踊ることの楽しさを観客も一緒になって体感できる。
浅田ビリーは、「Angry Dance 怒りのダンス」でタップダンスを観客に見せつけた。このナンバーは、バレエスクールのオーディションに行くことを父親と兄から遮られて、怒りが爆発するというシーン。ビリーの激情を表した赤い照明の中、タップの音に感情を乗せて踊る浅田ビリーの姿は圧巻。非常に印象的なシーンとなっている。
そして、最後に井上ビリーによる「Solidarity 団結を永遠に」。ビリーがバレエを上達させていく一方で、炭鉱夫たちの緊張感が高まっていく様子を描くビッグナンバーだ。炭鉱夫たちによる迫力あるダンスと井上ビリーの美しく軽やかなバレエがコントラストとなって場面を盛り上げた。
プレスコール後に行われた取材会で、オープニング公演の感想を聞かれた浅田は「お客さんにたくさんの拍手をもらえて嬉しかったので、今後、もっとお客さんを感動させられるように頑張りたいです」とコメント。石黒は「今までにない歓声を受けて幸せでした。これからも努力してお客さんを感動させられるように頑張ります」と話し、井上は「初日はたくさん拍手をもらえて楽しくて、嬉しくかったです。今後もどんどんレベルアップしていけるように頑張ろうと思います」と意気込んだ。そして、春山は「お客さまのたくさんの温かい拍手がもらえてとても嬉しかったです。これからももっと拍手をもらえるように頑張っていきたいと思います」と力を込めた。
また、初日に向けて益岡は「(オープニング公演と本公演では)やることに変化は感じないかもしれませんが、いよいよ大きな航海が始まるんだという自覚をより強く持って始められるんじゃないかなと思っています」と思いを語る。
一方、鶴見は「本番を重ねていったら終わるのも早い。ゴールに向かっていく嬉しさと、やがて終わってしまうという寂しさも早くも芽生えてきています。終わる前に多くのお客さまにたくさん観ていただきたい」と呼びかけた。
安蘭は前回公演を「前回2020年の時はコロナ禍だったので、皆さんがマスクをして、拍手はあったんですが、声援はなかったんです」と振り返り、「今回、(オープニング公演で)お客さまが『うわー』とあげてくださる声に鳥肌が立ちました。私も嬉しいですが、ビリーたちは本当に嬉しいだろうなと思って、そんな公演を毎日できると思ったらとても嬉しいです」と笑顔を見せた。
本作に初参加となる濱田は「正直いうと無我夢中で、必死にやっていた」と話すが、同時に客席の観客を見て「舞台上の大人たちと同じ心境で、ビリー、マイケル、そしてバレエガールズの子どもたちを皆さまの暖かさで包んで見守ってくださっていたのが伝わってきた」とこれまでのオープニング公演を思い返した。そして、「二幕では全員でビリーたちを応援しているような気持ちになりました。こういう舞台はなかなかないんじゃないかなと思うし、これからも子どもたちの成長を見られるのが楽しみなので、お客さまと共に楽しんでこの舞台を育てていきたいと心から思いました」と思いを明かした。
安蘭曰く「温かくて、一生懸命なメンバーばかりだった」という今回のカンパニー。ビリー役を始めとした子役キャストたちの成長について鶴見は「パリオリンピックの時期と重なっていることもあって、オリンピックの強化選手をビリーに重ねて見ているような雰囲気でした。ビリーたちは団体で金メダルです」と絶賛した。
本作の注目してもらいたいシーンを聞かれると、安蘭は「ビリーのために炭鉱夫のみんながお金を置いて行くシーンで、胸が締め付けられて熱くなって感動するんです。子どもに対する大人たちの愛情。この子の未来のためにという、次に託していく大人たちの心情がすごく伝わって、あそこは本当に大好き」と熱弁。
続けて益岡は「試験の最後にビリーが『踊っているときにどんな気持ちなのか』と言われて踊るシーンがあります。それを僕がなぜか近くで見ているのですが、『怪我してくれるなよ』とか『そんなに上手くなったのか』とか、ないまぜな気持ちになります。そんな気持ちになったのは初めてで、演じながら幸せを感じています。(炭鉱夫たち)みんなのお陰で試験に来られたというのが土台にあって、私たち家族の幸せはビリーが幸せになっていくことなんだという気持ちを掴み取るシーンなのかなと感じています」と思いを述べた。
ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』は、8月2日(金)〜10月26日(土)東京・東京建物Brillia HALL、11月9日(土)〜11月24日(日)大阪・SkyシアターMBSで上演される。
取材・文・撮影=嶋田真己 動画撮影&編集=登坂義之