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Hey! Say! JUMP髙木雄也、8役で挑む10の情事の物語ーー舞台『東京輪舞』では「人間のリアルな会話劇を楽しんで」

SPICE

髙木雄也

オーストリアの劇作家アルトゥル・シュニッツラーが1900年に発行し、当時のウィーン社会にセンセーションを巻き起こした問題作『輪舞』を、「現在」「東京」に翻案し、3月にPARCO劇場にて、4月に福岡、大阪、広島にて『東京輪舞(トウキョウロンド)』と題して上演する。台本は、劇団「範宙遊泳」を主宰し、2022年に『バナナの花は食べられる』で第66回岸田國士戯曲賞を受賞した山本卓卓。演出はプロデュース公演カンパニーKUNIOを主宰し、演出家・舞台美術家として活躍する杉原邦生が担う。出演はHey! Say! JUMPの髙木雄也と、清水くるみ。それぞれ5人の「男」と「女」、計10人の登場人物を演じ分け、10の情事の風景をリレー形式で描いていく。

葛藤の末に選択した「やる」という思い

同作で一人8役を演じる髙木が、大阪での取材会に登壇。作品への思いや、今後の展望などを語った。

まず、オファーを受けた当時の心境を次のように明かした。「正直、今の自分にできるのかという不安もあったのですが、作品自体は面白いので、どうしてもやりたいなという気持ちがありました。まだ実力が伴っていないという葛藤もすごくありましたが、悩んでいくうちに、「やらないで後悔するより、努力を選んだ方が今後の自分のためになる」と思って、出演させていただくことになりました」。

この取材会は読み合わせ稽古が始まったばかりのタイミングで開かれた。感触を尋ねると「セリフが多い(笑)!」と真っ先に回答。「でも、山本さんと杉原さん、清水さんとしゃべりながら読み合わせを進めていって、悩んでいるところをちょっとずつ解消しているので、まだ悩みもいろいろとありますが、楽しみも大きくなってきています」と和やかな笑みを見せた。

当初は5役だった髙木。ところが、この取材会で8役に増えたことが発表された。「Hey! Say! JUMPの東京ドームのコンサートに、杉原さんたちが観に来てくださったんです。コンサートが終わって挨拶をしたとき「あ、そういえば1役増えるかも」と言われてお帰りになりました(笑)。「え? 俺、1役増えんの?」と。で、蓋を開けたらもう2役、増えていました。自然と増えてましたね。でも、5役に挑戦するなら8役でも大丈夫という気持ちです」。

初めての杉原演出だ。「杉原さんが演出した舞台を観させていただいて、時代物の作品だったのですが、急にラップが出てきたりして。(時代背景を考えると)あり得ないけど、そのラップが作品にとっていい刺激になって、いろんな世代の方が楽しく観られる作品になっているのかなと思ったり。『東京輪舞』でも、どんなふうになっていくのかなという楽しみはありましたね。杉原さんは、すごく話しやすい方で、会話のキャッチボールもしてくれるので、話し合いながら自分の可能性を広げてもらえたらいいなと思います」。

ハイテンションの役は「自分の課題」

髙木雄也

演じる年齢層も幅広い。それだけに、自身より年上の登場人物はより向き合いたいと気を引き締める。年齢に限らず、未知なるキャラクターはいるのだろうか。「「夫」か「インフルエンサー」ですね。そもそも僕は恋愛でしか知らないし結婚もしていないので、夫の気持ちが……。女性への一言も、付き合っているときと、結婚しているのとでは、言葉の重さも違ったりするので、難しいなと思っています。不倫とか、浮気とかの感情も、付き合っているときとどう違うのかもわからない。結婚している友達に聞きながら演じようかなと思います(笑)」。

インフルエンサーは、ハイテンションであることが「克服すべく課題」という。「まだ(キャラ設定がどうなるか)わかりませんが、今、作っている感じではちょっとテンション高めで。僕は普段から「イエーイ!」という方じゃなくて。以前『裏切りの街』に出演した時に、演出の三浦大輔さんから「(テンションを上げる演技が)すごく苦手だね」と言われていて、自分の課題でもあります。高いテンションを持続している姿は、自分とはちょっと違うなと思います」。

なお、杉原は根っからのお祭り男。「じゃあ、杉原さんをモデルにします(笑)。杉原さんを見ていたら、そのテンションも引き出せるかもしれません」。

相手役の清水とも初共演。「お会いする前に、舞台『月とシネマ』を観劇させていただきました。ステージの上でもすごく存在感があって、目が行く方。なにか、自然と追っかけちゃうなと思いました」と、その印象を語った。

目指すはリアリティを体現できる役者

稽古は始まったばかりだが、初の杉原演出かつ、一人8役で挑むこの会話劇は、自身のキャリアにどう影響を及ぼすと思うかと尋ねた。「まず8役をやるということは、これから先もなかなかないと思うので、それを経験できることが自分の中で大きいのかなと思います。これから先も人間のリアルさを演じていきたいと思っているので、この作品でちゃんとできたら、別の作品にもどんどんチャレンジしていけるようになるのかなと思いますし、リアリティを体現する役者になっていけたらと思います」。

大阪公演は4月12日(金)から15日(月)まで、森ノ宮ピロティホールでおこなわれる。最後に、改めて意気込みを聞いた。「『東京輪舞』は東京のリアルとエロスを描いた、10の情事の前後の物語ですが、劇中に情事の描写は出てきません。「情事」と聞いてドキドキしているファンの方とか、「わ~、観たくないよ~」というファンの方の言葉も届いていますが、そういう描写はありません。でも、だからこそ、言葉がすごく大事になってくる。(セリフをどう受け止めるかは)ご自身の捉え方でいいので、人間のリアルな会話劇を楽しんでください」。

取材・文=Iwamoto.K 撮影=川井美波(SPICE編集)

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