夜泣きの原因と対策 ~赤ちゃんが生まれたらやるべきこと(13)~
「子どもは3歳までに一生分の親孝行をする」とよくいわれます。小さな子どもの無邪気な行動や愛らしさ自体が親にとっての最大の親孝行であるという意味を含む言葉ですが、それを強く実感するのが、寝顔を見ているとき。かわいらしい寝顔を見つめているだけで、幸せで満たされてしまいます。
でも、“ある時期”は寝室に入るたびに、今夜も大変なんだろうな…と不安に思うことも。
それが、今回のテーマでもある「夜泣き」です。寝入ったはずの赤ちゃんが夜中に突然大声で泣き始めどうしても泣き止まない。しかもそれが毎晩しばらく続く。夜泣きは、乳児期の子育ての中でもママ、パパにとって大きな試練の1つともいえますね。「赤ちゃんはどうして夜泣きするのか」「どうやって乗り越えればいいのか」などをまとめてみました。
目次理由がわからないのに夜間に泣くのは「夜泣き」ですいつかは終わる、とはいうけれど親子の絆が深まる時間と考えて…
理由がわからないのに夜間に泣くのは「夜泣き」です
「夜泣き」とは、単に赤ちゃんが夜中に泣くことを指すわけではありません。体調も悪くなく、寝る前までは機嫌もよかったのに、すやすやと眠っていた子が夜中になって突然泣き出し、しばらく泣きやまない状態をいいます。
初めて夜泣きを経験するママ、パパは「お腹が空いたのかな」「おむつが汚れて気持ちが悪いのかな」「具合が悪いのかもしれない」と心配し、いろいろ試してみるのですが、なにをやっても泣き続ける赤ちゃん。
夜泣きは、はたから見ると「理由がわからない」ために、ママ、パパはどうしていいかわからず、すっかり困りはててしまうのです。
早い子は生後2~3か月ぐらいから始まりますが、一般的には8か月ぐらいで夜泣きがひどくなるケースが多いようです。なかには1歳半ぐらいまで続くことも。
泣き方や時間帯、いつまで続くかも赤ちゃんによって違います。突発的に夜泣きをしたかと思うと1日、2日で治まる赤ちゃんもいれば、何か月も毎日のように泣く赤ちゃんもいます。
また夜泣きをしないまま成長する子もいます。またグズグズ泣きの赤ちゃんもいれば、火がついたように大声で泣きつづける赤ちゃんも……。ただ、一度泣き出すとなかなか泣きやまない点は共通しています。
いつかは終わる、とはいうけれど
夜泣きの原因は正確にはわからないとされていますが、生活・睡眠リズムが未発達であること関連があるのではないかともいわれています。
人間は浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返しながら眠っています。夢を見るのはレム睡眠の時です。赤ちゃんはこの切り替えがうまくいかず、レム睡眠の時に起きてしまい、夜泣きをするのではないかというわけです。
また脳が未発達なことも原因のひとつとの指摘も。成長する過程で記憶力などの知能が発達すると、昼間の経験や刺激がストレスとして脳に刻みこまれ、それがうまく処理しきれないまま怖い夢を見て泣くとも考えられています。
赤ちゃんの夜泣きはママ、パパの睡眠時間を削ってしまうだけでなく、気力も奪いがち。個人差も大きく、上の子と下の子でも、夜泣きの出方が全然違うこともよくあります。
夜泣きは病気ではなく、睡眠サイクルができあがる過程でよく起こるもの。泣くことで気持ちや欲求を伝え、成長していくのも赤ちゃんの特徴です。
それゆえに母親や先輩ママに相談しても「いつかは終わるよ」といわれることもしばしば。それはそうだと頭では理解できるのですが、実際に当事者となり、毎晩同じように激しく泣かれると本当につらいものですよね。
そうなると、ついつい赤ちゃんに苛立ったり、子育てから離れたくなることもあるでしょう。でも、こんな時にこそ協力し合って乗り越えていきたいものです。
親子の絆が深まる時間と考えて…
では、どうしたらいいのか。誰にでも効く特効薬はありませんが、これらの方法を試してみてはいかがでしょうか?
ママ、パパの「早く寝たい」「早く泣きやんでほしい」という焦りは、赤ちゃんに伝わってしまうようです。なるべくゆったりとした気持ちで、根気強くつき合ってあげましょう。
「先輩ママに教えてもらって、毎日寝る前にぬるま湯を入れたポットを枕元に置き、寝ぼけていても適温のミルクが作れる用意をしていました。夜泣きしてもお腹がいっぱいになると眠ってしまう日もあって助けられました」(30代ママ)
「うちの子は、おっぱいに見向きもせずに大泣きしていても、泣くだけ泣いて疲れたら、おっぱいを飲んで寝てしまうというパターンでした。親の忍耐力が試されているようでつらかったけれど、がんばろうと思うことができました」(20代ママ)
このように、おっぱい、ミルクといった方法ひとつをとっても、赤ちゃんによって結果はそれぞれ。いろいろな方法を試してみて、その子のお気に入りを見つけましょう。
そのほか、「外へ連れていき、家のまわりを1周すると落ち着いて寝てくれました」(20代ママ)
「パパに車を出してもらい、夜中のドライブをしたことも。振動が気持ちよくてすぐに寝てくれ、あわてて家に帰ったこともあります」(30代ママ)
という人も。
最後に、添い寝をやめてみたというママの方法をご紹介します。
「おっぱいをあげながら添い寝していたのですが、思い切って一人で寝かせてみることにしました。寝る前30分ぐらいは明かりを落とした部屋でお気に入りのタオルを持たせ、子守歌を歌ったり背中をトントンしたりして気持ちが落ち着くようにし、寝入ってしまう前に部屋を出ます。最初は寂しがって泣いていて私もつらい気持ちでしたが、そのうち一人で寝つけるようになり、夜泣きも治まりました」(30代ママ)
ママ、パパの気持ちの問題でなかなかできないと思う人も多いでしょうが、欧米では1人で赤ちゃんを寝かせることはそれほど珍しいものではないようなので、このことを頭に入れておいてもいいかもしれません。
夜泣きにつき合うことで、赤ちゃんはいつもそばで見守ってくれるママ、パパの存在を感じ、情緒を安定させていきます。一方で無理をしすぎるとママとパパもパンクしてしまいます。寝不足でしんどいときは、パートナーと交互にお昼寝をするなりして、休息を取ってください。子育ては始まったばかり。ママだから、パパだからと気負わず、赤ちゃんと一緒に成長していきましょう。