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横山プリンを知ってる?50年前の伝説のテレビ番組「プリン&キャッシー テレビ!テレビ!」が今も心に生き続ける物語

読みテレ~読んで楽しいテレビの話

横山プリンを知ってる?50年前の伝説のテレビ番組「プリン&キャッシー テレビ!テレビ!」が今も心に生き続ける物語

©ytv

視聴者とテレビの関わり方が変化していく中、「テレビへの愛」が生んだ心温まるやりとりを紹介しよう。

きっかけはytvに届けられた一つの小包。受け取った竹内伸治は数々の番組を手がけ現在、社報を編纂している。彼がその小包を開いたとき、50年の時をつなぐ物語が始まった。

この話をきっかけに「テレビの役割とは何なのか?」 それを少し考えてみた。

(読みテレ編集部)

番組記念品 50年の不思議な旅

昨年11月、制作局に小包が届いた。

中にはTシャツが4枚とステッカーが1枚。

添えられていた手紙にはこのように綴られていた。

「ytv様が好きで、学生時代から観ております。(中略)

家の中を徹底的に掃除と片づけをしていると、昔の景品を見つけました。私が学生(高校生のころと思います)のときに応募をしていた時の品物です。家にしまっておくのもどうか?と思い、制作をされたytv様にお返しをしようと思いました。宜しくお願いします」 

出石順大

Tシャツの胸には「P&C テレビテレビ」とある。どうやら「プリン&キャッシー テレビ!テレビ!」の番組特製記念品のようだ。

「プリン&キャッシー テレビ!テレビ!」とは?

「プリン&キャッシー テレビ!テレビ!」は横山プリンとキャッシーをMCに、1973年から1975年まで毎週日曜昼の12時過ぎから放送していた関西ローカルの人気番組だ。

特に人気コーナー「パクパクコンテスト」は一世を風靡し、このコーナーのチヤンピオンには後にアイドルデビューする川崎麻世や草川祐馬らがおり、芸能界の登竜門的な存在でもあった。

プリンが「まいど!」と叫ぶと「おいど!」と返すコール&レスポンスに観客の小中学生たちは熱狂した。

その番組の記念品が50年ぶりにytvに帰ってきた。

さて、どうしたものか。

当時の番組スタッフは皆、卒業している。番組を企画・演出された大先輩・広田基氏はすでに鬼籍に入られており、数年前ご霊前にお参りさせていただいていた。

せっかく大切な品を送っていただいたのだから、それを生かす何か良いアイデアは無いかと考えた。そして

「プリンさんにお渡しするのはどうだろう」と思いつくまでに、さほど時間はかからなかった。

横山プリンは今どこに⁈繋がるのか?

社史「ytv50年史」を開いてみた。そこにこうある。

「3年目に入って番組の顔・横山プリンが突如タレントを辞めて外国への放浪の旅に出ると言い出した」

な、なんと!それで、あの人気番組が2年半で終了したのか!では、今はどうされているのか。というか、今もお元気なのか、日本にいるのか⁉️

急いでネットとSNSで検索する。

見つけた!

高井ギャラさん(!)という芸人さんのFBに紐づいて出てきた。アップされていた打ち上げの宴会写真に写っている。高井さんはどうやらお弟子さんらしい。

さらに芸人さんのSNSを探っていくとイベント告知を見つけた。

『横山プリン おいど寄席II」

  1月8日(祝・月)

何というタイミング!

明けて1月8日の天満天神繁盛亭で「横山プリン おいど寄席Ⅱ」

そして、やっぱり「おいど」なのか!

早速、天満天神繁盛亭に電話してチケットを購入した。

本人を直撃! 1月8日午後6時 天満天神繁盛亭

「昭和99年 昭和寄席  横山プリン おいど寄席Ⅱ』

これがイベントの正式タイトルだ。

なるほど今年は昭和99年らしい。

開演前の慌ただしい中、楽屋にプリンさんを訪ねた。

生で見たプリンさんは誰よりも動き回って、スタッフや出演者に大きな声で指示を出している。

御年85歳とは思えぬ矍鑠とした身のこなしと語り口、いやベシャリに驚く。

リハーサルで楽屋と舞台を行ったり来たりの最中にやっとのことでプリンさんを捕まえた。

そして、経緯をお話して記念品のTシャツ4枚とステッカーをお渡しする。

「懐かしい!オレ、記念品持ってないねん。嬉しいわ」と大喜び。良かった〜。

記念品を送っていただいたIさんのためにサインをお願いした。

色紙は用意していたのだが、それでは面白くない。4枚のTシャツのうち薄いクリーム色のものにサインをしてお返しするのが洒落ていると話がまとまった。

このTシャツを改めてIさんにプレゼントすることにした。

今度はIさんに会わないと!

1月11日午後5時 グランフロント大阪 

出石さんから送られてきた手紙には電話番号は記されていなかったが、住所からNTTの番号案内でご自宅の番号が分かった。これも今時、キセキだ。

早速ご連絡を取り、お勤め先のあるグランフロント大阪へ。

出石さんに記念品を送って頂いたお礼を述べ、これまでの経緯を説明してサイン入りのTシャツをお渡しした。 

最初は少し驚かれていたが、やがて事態が吞み込めると

「高校時代、友人と競ってハガキを書いていました。公開収録も何度か見に行きました」

と懐かしそうに話していただき、しばし昔話に花が咲いた。

そして、来年開催されるであろう「昭和100年 横山プリン おいど寄席Ⅲ」は是非観に行くと笑顔で仰っていた。

こうして50年前の番組記念品Tシャツは、番組出演者と番組ファンのもとに辿り着き

その不思議な旅を終えた。 

(文:竹内伸治)

思い出が色褪せずいつまでも心に残る。「一度きり」であるが故に忘れられない…。

そんな役割がテレビには確かにある。

今のテレビが50年後もまた新たな物語を綴るメディアであることを祈りたい。

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