横須賀を釣りの「メッカ」から「特区」 ㈱アングラーズ釣り船予約と派生プラン提案 スタートアップオーディション in YOKOSUKA
横須賀を拠点に新しいビジネスを展開する事業者を応援する「スタートアップオーディションinYOKOSUKA」の最終審査が10月9日、ヴェルクよこすかで催され、釣り船予約システムで市内への集客促進を図る(株)アングラーズ(東京都町田市)の事業プランが最高評価で入賞した。奨励金100万円のほか、協賛企業5社からも協賛賞を獲得した。
同社は釣り人に向けた釣果情報の共有サービス「アングラーズ」を2013年から展開。釣った魚の写真をアプリから投稿すると位置情報からその日の天気・気温・風速を記録、ユーザーは投稿から「いつ、どこで、どんな種類の魚が釣れたか」を一目で確認できる仕組みだ。現在ウェブ上で月間約130万ユーザーが利用している。
同社が今後拡大を目論むのは、今年6月から展開している釣り船予約システム。CEOの若槻嘉亮氏は「飲食業や美容業でウェブ予約が取り入れられている中、釣り業界はまだ電話予約が中心。予約の敷居を低くすることでより多くの釣り人を呼び込める」と導入の意図を話した。10月現在で全国158、横須賀市内6の釣り船業者が同システムを利用している。
消費単価の底上げに
「横須賀は釣りのメッカなんです」
最終審査で若槻氏が声を大にして叫んだのは、「海釣りではトップクラスに多い」累計3万件以上の釣果情報が市内の釣り場から投稿されていることから。続けて経済効果についても言及。市内130の釣り船が予約システムを導入し、月間で満席になると約7・5億円の売り上げが見込まれる(同社調べ)ほか、横須賀市の日帰り消費単価が3428円に対し、釣り船は約1・2万円である点からも「来訪者により多くの消費を促せるのでは」と釣りの優位性をアピールした。
さらなる展開として、釣った魚を飲食店が調理してくれるプランや早朝の釣り需要に対応した前泊プランなど、地元事業者と連携した施策も構想中。「横須賀を釣りのメッカから特区へ」を合言葉に、初心者層からコア層まで幅広く釣りを楽しめる仕組みを構築していくとしている。
17回目を迎えた同オーディション。今回は過去最多33件の応募から7組のファイナリストが選ばれ、10分間のプレゼンを実施。アングラーズのほか3社が入賞した。