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これを読めば完璧!【アサリの潮干狩り】完全攻略ガイド 基本から裏ワザまで紹介

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潮干狩りの風景(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

春の定番レジャーといえば「潮干狩り」。ゴールデンウィークに潮干狩りを楽しもうと計画している人も多いでしょう。そんな方々に向けて、このページでは潮干狩りの代表ターゲット「アサリ」の取り方のコツを徹底解説します。また、持ち物・持ち帰り方・下処理・保存方法などの基本情報についても、まるごと紹介していきます。

アサリの生態と特徴

アサリはマルスダレガイ科の食用の二枚貝で、淡水が流れ込む内湾の水深10mくらいまでの砂泥底に生息しています。

貝殻の模様は横縞やさまざまな幾何学模様など変異に富み、同じ模様をした個体はいないほど。古代から食用として親しまれており、採集が容易で、「漁(あさ)る貝」がなまって「アサリ」と言われるようになったといわれています。

アサリ(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

1~2年かけて稚貝から成長し、成貝の大きさは棲む場所により大きく違いが出ます。一般的に岸寄りはエサ不足のため、貝の形が団子状になり丸く、貝殻も厚くなりやすく、沖側では薄く平べったくなり、成長も早くなる傾向にあります。

したがって、沖側の個体は貝殻が薄くなり割れやすいですが、そのぶん肥満度が増すので食味のいい個体が多いです。

アサリ潮干狩りの基本情報

潮干狩りでとれる貝の代表格であるアサリ。まずは潮干狩りをする場所や時期、注意点など基本的な情報を紹介しましょう。

潮干狩りの場所選び

潮干狩り初心者の方などには、まずお金を払って楽しむ、管理された「潮干狩り場」がおすすめです。

こうした施設は漁協などが運営していることが多く、利用者が確実に楽しめるよう、多くの場合、養殖されたアサリなどが採りやすいように撒かれています。そのため、経験がない方や小さなお子さんでも比較的簡単に多くの貝を採ることができます。

一方、「ちょっと難易度は上がっても天然の貝を採りたい」という場合は、アサリ等に漁業権が設定されていない海域や、特別に開放されているエリアを探すことになります。

ただし、その場合は密漁とみなされないためにも、潮干狩りの前に各都道府県の公式ウェブサイトなどで採捕ルール(禁止区域、期間、サイズ、量、使用可能な道具など)をしっかりと確認してから出かけましょう。

潮干狩りの最適な時期は?

一年の中でも干潮時の潮位が低くなり、潮干狩りを楽しみやすい春がハイシーズンとされています。また、アサリも産卵期を迎えて身が詰まり、美味しくなるのもハイシーズンとされる要因のひとつです。そのため、有料の潮干狩り場も春から初夏ごろにオープンしていることが多くなります。

真夏や秋、冬のシーズンにも潮干狩りが行えるかというと、実はアサリは一年中取ることができる貝です。ただ、高水温期は毒を持つ(貝毒)可能性が増えるので注意しましょう。貝毒については各都道府県で定期検査を行い、HPで情報公開している場合もあるので、チェックしてみましょう。

潮干狩りをする時の注意点

近年潮干狩りに来て、浅瀬に潜むアカエイを踏んで、毒トゲに刺される事故が急増しています。水深10cmに満たない所でもエイが潜んでいる場合があるので十分に注意して潮干狩りを楽しみましょう。

また、溺水事故も発生しているため、遠浅の砂浜でも潮が満ちてきたら沖合からは早めに戻るように心がけ、水深のあるところなど危険な場所での潮干狩りは避けるようにしましょう。

アサリ潮干狩りの必需品&便利グッズ

続いて潮干狩りに必要な持ち物を紹介していきます。

持ち物チェックリスト(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

基本装備:熊手と網袋

砂を掘り起こすための熊手(くまで)と、取った貝を入れる網袋は必須。これらは、ほぼ潮干狩り場の売店などで購入可能です。潮干狩り場ではレンタルが可能なところや、料金に含まれる場合もあるので事前に確認しておきましょう。また、ザルやカゴなどもあると砂ごと入れて効率的にアサリを見つけられます。

熊手と網袋は必須。(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

服装:靴・着替え・手袋

水周りを座った姿勢のまま作業するので、濡れたり汚れたりするのは仕方がないことです。履物は長靴か、サンダルを履き、着替えも必須になります。潮干狩り場には更衣室が設置されているところもありますが、こちらも念のため事前にチェックしておきましょう。手を切らないように薄手のゴム手袋などもあるといいです。

貴重品管理:防水バッグ

貴重品やスマートフォンを持ち歩く場合、防水バッグやジップロック等に入れて濡れないようにする必要があります。

持ち帰り用:クーラー・氷・保冷剤

貝とはいえ、気温の高い時期なら保冷は必須となります。休日の帰り道は混雑しやすく、渋滞も避けられません。電車で出かけた場合でも、クーラーボックスやソフトクーラーなどを用意し、ペットボトルに水を入れて凍らせたものや、保冷剤を忘れずに入れておきましょう。

また、砂抜き時に現地の海水を使うと砂を吐きやすいので、海水を汲むための空のペットボトルもクーラーに入れるなどして持っていくといいでしょう。さて、次は本題のアサリの探し方を詳しく解説していきます。

アサリの見つけ方とポイント選びのコツ

アサリを多く取るには、アサリの多い場所を見つけることが当然ですが重要。沖の深いところでは大きいものが取れますが、数を稼ぐなら潮がいち早く引く、波打ち際のほうがいいことも。

掘ったポイントのアサリの大きさと密度を見ながら、次の点を頭に入れてポイントを探してみましょう。

海底の起伏

砂浜の底は海流や波の影響により、岩のある場所や、海藻が生い茂る場所もあります。アサリが一番溜まりやすいのは沖にできる砂山の斜面。

一級ポイントは岸から見てカケアガリになるところで、波の影響が少なくてエサのプランクトンや有機物が流れて漂うよどみに集まります。手付かずの場所なら大型がザクザク取れる可能性は大きいです。

障害物周りも狙い目

障害物周りは条件次第でアサリが溜まりやすいほか、人の手が入りにくいのも大きな魅力です。人が入ると大型は少なくなり、しまいには稚貝だけになってしまうこともあるのが潮干狩り。例えば死貝の貝殻が集まっているポイントなどは、人の目では完全に選別しきれないので、先にだれかが掘っている場合でも生きた貝が多く残っている可能性が高くなります。

また、岩場のかげやテトラポッドの間など、アサリが残っていそうな穴場を探してみるのもオススメです。

アサリの目を見つけよう

アサリの目とは、砂に隠れた貝が水管を伸ばして海水を吸い込み、エサの有機物やプランクトンをこし取って吐き出したときにできる小さい穴のこと。3mmくらいまでの小さい穴が二つぴたりと並んでいます。

アサリが密集している場所は砂の目がこまかく、条件のいいところでは無数の穴が空いている場合が多いです。見つけたらすぐに掘り出して調査しましょう。

初心者でも簡単!アサリの基本的な掘り方

アサリは水中に「水管(すいかん)」と呼ばれる管を伸ばして呼吸し、エサとなるプランクトンを濾(こ)し取って生活しています。

そのため通常、水管がちょうど砂の表面に出る程度の深さに潜っており、小さい貝なら深さ1cm、大きな貝でも3cm程度と、ごく浅い層にいることが多いのです。したがって、アサリを狙って掘る深さは5cm程度を目安にし、深くても10cmくらいまでと考えるのが基本です。それより深い場所では、生きたアサリが見つかる可能性は低くなります。

熊手などで砂の表面を浅く広く掻き進めるように掘っていき、「カツッ」あるいは「ゴツッ」といった貝の手応えがあれば、一旦掘るのを止めて、手でその貝を掴み、生きているかどうか選別しましょう。

アサリのいる場所(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

効率よく探すコツ

掘ってみてキープサイズがある程度交じるポイントを見つけたら、移動するのを我慢して選別しながらその周辺をくまなく掘るのが堅実な取り方になります。

人間一人が漏れなく掘れるのはせいぜい半径1m。濃い場所なら少しズレただけで居残りアサリが取れる可能性は上がるので、こまかく動いて周囲を探りましょう。

また、好ポイントでは掘ってできた穴や砂山も、取りこぼしがないか一度見返してみるのがおすすめです。

アサリの持ち帰り方

採ったアサリなどの貝を、そのまま海水に浸けて持ち帰る方が多いですが、輸送中の酸欠や水温上昇により貝が急激に弱ってしまうため、この方法はあまりおすすめできません。

貝は海水には浸けずにクーラーボックスなどに入れ、砂抜きに使う海水は空のペットボトルなどで別途汲んで持ち帰るのが、貝を元気に持ち帰るための基本です。

海水に浸けたまま持ち帰る方法としては、携帯用エアーポンプなどでエアレーションを行いながら持ち帰る方法があります。この方法なら、海水に浸けたままでも元気に持ち帰ることが可能です。

温度管理も行おう

どちらの方法で持ち帰る場合も、適切な温度管理が重要です。冷やし過ぎるのは禁物ですが、ペットボトル氷や保冷剤を、貝に直接触れないようにタオルで包むなど工夫してクーラーに入れ、低温(20℃以下、高くても25℃が目安)を保って持ち帰るのがベストです。

エアレーションをして海水ごと持ち帰る場合も、保冷剤を入れるなどして水温を20℃前後に保てると、より良い状態で持ち帰ることができます。

美味しいアサリにするための下処理(砂抜き・塩抜き)

家に帰ったらまずは殻が割れたアサリや、殻をぶつけるとカラカラと乾いた音がする中身のないものを取り除いていきます。これを怠ると料理に砂や泥が入り台無しになってしまうので、慎重にやりましょう。

また、別の死貝選別方法としては、台所のシンクなどに殻が割れないぐらいの高さからアサリを落してぶつけると、中身のない貝から砂が出てくるので、大まかにですが選別できます。

アサリの砂抜き方法

水洗いはシャワーを強く掛けながら、貝の入った網を揉むと、殻と殻がこすれて砂やアサリ自体が出すぬめりが取れてきれいになります。

砂抜きはアサリが完全に浸からない程度の海水に入れ、暗くしておけば4時間ほどで抜けます。このときできるだけ平面に並べて、上の貝が吐いた砂を下の貝が吸い込むことを防止し、重ならないようにするのが重要です。また、底に落ちた砂を再度吸い込まないようにザルなどに乗せて行うといいでしょう。

エアレーションも行うとアサリが弱りにくく、砂の抜け具合もよくなりますが、水を動かすことで砂が舞いアサリが砂を吸い込んでしまうと意味がないので、工夫して配置する必要があります。

砂抜きを行う海水は2.5%ほど(水1lに塩を25g)の食塩水を作ってもいいですが、アサリがよく砂を吐くのは現地の海水です。空のペットボトルを持っていって予備の海水を汲んでおくといいでしょう。

塩抜きで旨味アップ

砂が抜けても海水につけておいたアサリは塩水を殻のなかに蓄えています。そのまま洗ってすぐ調理すると塩辛くなってしまうので塩抜きをしましょう。

ボウルに入れて常温で最低2時間、できれば半日ほど空気中にさらしておくと塩が抜けて美味しく食べられます。室温の高い季節はトレイなどに並べてラップをかけ、冷蔵庫で塩抜きするといいでしょう。

50度洗いでの時短砂抜き

すぐに食べたい場合は、50度の湯に漬け、暗くして15分ほど待ちます。その後、強めに殻と殻をこすると汚れや砂を一気に吐き出すため、時短で砂抜きと塩抜きが行なえます。

汚れがひどいときは、2度目は同様に、3度目は水で行います。コツは温度が50度でないと煮えてしまったり、身が悪くなったりするので、きっちりと温度を計ることです。

臭いアサリの処理方法

泥が混じるようなポイントに自生しているアサリは、貝殻が黒っぽくなっていることがあります。これは、泥に含まれる有機物から発生する硫化水素が原因で、貝殻に硫黄のような特有の臭いが付着していることが多いです。この現象は、特に赤潮が発生しやすい東京湾奥などの富栄養化した海域のアサリによく見られます。 

注意したいのは、そのまま料理に使うと、アサリの身自体に問題はなくても、貝殻に付着した臭いが料理全体に移ってしまう可能性がある点です。

対策としては、まず貝同士をこすり合わせるようにして、貝殻表面の汚れや臭いの元を念入りに洗い流します。 その後、砂抜きの時間を通常より長めに取ります。この際、途中で水を何度か換えることで、臭いが抜けやすくなります。

黒いアサリは長めに砂抜きしよう(提供:TSURINEWS編集部・渡辺)

アサリの正しい保存方法

アサリは20度以下の温度で海水に浸けておけば三日程度なら生かしておけますが、基本的には弱りやすく死んでしまう個体も出てきます。そこで、長く保存する場合は砂抜き・塩抜きしてから冷凍するのがオススメです。

アサリは解凍しないでそのまま味噌汁にしても風味や味は変わらず、逆に旨味成分のイノシン酸がアップします。冷凍する際の処理は、しっかりと殻の水気を拭き取って、ジップロックに入れたり、真空パックにしたりするなど、なるべく空気に触れないように保存しましょう。

冷凍の保存期間

保存期間は家庭用冷蔵庫の場合、霜取り機能などで温度が上がり、徐々に美味しくなくなっていくので、1ヶ月程度を目処に食べきりましょう。ただし、真空パックなどで劣化の進行を最低限に抑えられれば3ヶ月近くは美味しく食べられます。

真空パックすれば長く持つ(提供:TSURINEWS編集部)

<TSURINEWS編集部>

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