小島陣屋跡の書院を訪ねる
2024年9月1日放送の「静岡市歴史めぐりまち噺し」。今日は、小島陣屋跡に移築復原をしている書院を訪ねます。
語り:春風亭昇太
国指定の史跡となっている小島陣屋跡。
ここで移築復原が進められているのが藩主が暮らした御殿の一部である書院と呼ばれる建物です。
この書院は、昭和初期に元の陣屋の場所から移転され間取りを変えて、長く地元の公会堂として使われていました。
令和4年から公会堂を解体して調査が行われ、復原図面が作成されて書院は幕末の姿を取り戻すことになりました。
書院は藩主が居住した御殿の中で居間や書斎などの役割をした部分です。復原される書院には4つの部屋があり、中央の10畳間と東側の8畳間は接客に使われていたと考えられます。
南側に突き出した10畳間は藩主の居間、西側の8畳間は藩主の寝間であったと見られています。
この書院は、大きな藩が持つ城郭にある御殿の書院、広間、政を行った中奥を一体化した建物にあたると考えられ、小島藩のような小さな藩が持つ陣屋の御殿建築を知ることができます。
小島藩瀧脇松平家の家紋である桔梗があしらわれた屋根瓦。残されていた貴重な元の瓦を主に南側に使い、忠実に再現した新しい瓦を加えて、当時の姿を再現しています。
復原した書院の完成は令和6年12月頃。約100年ぶりに元の場所に戻って、再びここで歴史を刻んでいきます。
静岡市歴史めぐりまち噺し、今日のお噺しはこれにて。 <!-- tag:東海道/area:静岡市清水区 -->