<仕事の人間関係……ツラすぎ>正社員歴15年⇒パートに!雑用からスタートだけど……?【まんが】
私はミムラサユリ。夫と小学生の子ども2人がいます。近所に住む母に子育てを助けてもらいながら、15年間ずっとフルタイムで働いてきました。しかしその母も最近だんだん足腰が悪くなり、私が面倒をみる必要が出てきたのです。私自身の持病もあって仕事をセーブする決断をし、このたび正社員からパートへ転換することにしました。新しく配属される店舗のスタッフともうまく付き合っていけたらいいなと思っていたのですが……?
この店舗では長年働くパートさんが多く、人間関係はすでにできあがっている様子です。最初に「厄介な人」と思われたらやりづらいに決まっています。どんな業務も真摯に取り組む覚悟でしたが、ベテランパートさんたちからはこんな声も……。
他の人からも遠慮がちに「ごめんね、こんな雑用を社員だった人にまわして」などと言われ、気を遣われているのが分かります。なんとなく私のことを扱いづらいと思っているのかなという空気は感じていました。そうして3ヶ月ほど経った頃……。
今振り返れば、この店舗に配属されたばかりの頃は「仕方なくパートに変わった」というネガティブな心情があったように思います。その気持ちは私の言動にもにじみ出ていたことでしょう。もしかしたら「正社員だったのに」という思いが、知らず知らずのうちに周りに気を遣わせていたのかもしれません。 それに比べてウダさんの立ちふるまいはとても感じがよく、店舗での新人のふるまいとして理想的だと思います。私はさわやかに仕事をこなすウダさんを見て、あらためて気持ちを切り替え前向きに頑張ろうと思ったのでした。
コミュ強の新人さん登場!あっさり追い抜かれ……立場ナシ
ウダさんのまわりには不思議と人が集まります。彼女はとても感じがよくて、私よりずっとコミュニケーションが上手。ウダさんはパートの先輩たちから可愛がられ、先に入った私よりもあきらかに早く職場に溶け込んでいったのです。
指導係の私はウダさんに、新しく入ってきたパートがまず覚える清掃や備品管理などを教えました。そして指導をひととおり終えたある日、ウダさんからこう声をかけられたのです。「ミムラさん、備品の片づけお願いしてもいいですか?」「え……」
ウダさんは早々にベテランパートさんたちと仲良くなり、職場のノウハウや裏事情なんかもたくさん教えてもらっているようです。懐に入るのが上手いというのもありますが、ウダさんは仕事の能力もそれなりに高いんだと思います。私は黙々と仕事をするタイプですが、ウダさんはしゃべりながらもちゃんと手を動かしています。仕事もテキパキこなすのです。 そしてウダさんは、早くもメインの仕事に関わらせてもらえることになりました。私なんてまだ雑用レベルなのに……。 後から入ってきたウダさんにあっさりと追い抜かれて、自分の能力のなさを思い知らされたようななんともいえない気分になりました。
評価されず、私はずっと雑用!?「格下扱い」にモヤっ!
ウダさんの態度があからさまに変わったことも、私をモヤモヤさせます。なんだか彼女に都合よく使われているだけのようにも感じて……。そんなある日、地区を統括している本部長の巡回がありました。店舗のスタッフ全員に緊張が走ります。
本部長の巡回は、店長や正社員のスタッフが対応しています。いくら元社員だったとはいえ、今やただのパートの私が気軽に声をかける立場にはありません。ひとり黙々と雑用をこなしていると、近くを通りすがった本部長から声をかけられました。
世渡り下手な自分がイヤになります。正社員からパートに転換したとき、たまたま家からいちばん近いという理由でこのA店舗に配属してもらったのですが……。誰かに取り入るだの気に入られるだの、こんなにつまらないことで悩むなんて思ってもいませんでした。 ウダさんも私も、どんどん仕事をしたいという点では共通していると思います。ただ仕事のもらい方が違うのです。私はコツコツと着実に業務をこなして仕事を回してもらおうとしますが、ウダさんは何よりもまず人に取り入ることで仕事をゲットしていくのです。 そして実際に周りからの評価が高いのは彼女の方。ウダさんがいる限り、この職場で私の居場所はないのかもしれません。
やる気みせても意味ナシ?ストレスMAX「潮時かも……」
ウダさんは気の利いた冗談なんかも交えながら、うまく教えてもらって手早く仕事をこなしています。その姿を私は呆然としながら見ているだけでした。頭の回転の速さやコミュニケーション能力の差を見せつけられたような気がしたのです。
思いがけない言葉をかけられて驚きました。パート同僚のなかには今の状況に疑問を抱いている人もいるようです。媚びを売って取り入るウダさん、彼女ばかりをちやほやするベテランパートたち、現場に任せて見て見ぬふりをしている店長……。
そもそも正社員からパートに転換したのは近所に住む母の面倒をみるため、そして私自身の持病のためです。それだけでも大変なので、さらに職場で大きなストレスを抱えるのは避けたいのです。辞めるのは逃げるようでイヤだけど、思い切って職場を去るのもひとつの方法かなと思いはじめました。最近は空き時間にスマホを開いては、求人情報を眺めています。 しかし一方で、躊躇してしまうのも正直なところ。今の会社には思い入れもあるので、すぐに退職の決意をすることはできません。正社員として15年間も勤めてきた会社だし、パートになったとはいえ自分の経験が活かせる職場でもあるのです。気持ちが定まらず、悶々とする私なのでした。
指摘にドキッ!「目が死んでる」伝わっていた職場の空気
本部長がわざわざ、ただの店舗パートである私に話を聞きたいと思っているとは驚きでした。私は仕事がステップアップできていないこと、ウダさんばかりが重用されて自分が雑用にとどめ置かれていることなどを打ち明けました。
本部長は巡回のときの私の様子を気にしてくれていたようです。けれど本部長にも気づかれてしまうほど、落ち込んだ顔を見せてしまっていたのかと思うと反省しかありません。本部長は言葉を続けます。「ミムラさんだけではなかったんですよ」
元上司も本部長も、私の話にじっくり耳を傾けてくれました。だからつい抑え込んでいた気持ちがあふれだし、積もり積もった思いをすべてさらけ出してしまいました。 私は客観的な判断ができていなかったし、周りの雰囲気まで配慮できていませんでした。もっとうまい立ち回り方もあったのだと思います。退職を思い悩むだけでなにも前に進んでいないことにも気づかされたので、今後どう動くかのヒントを得ようと気持ちを切り替えたのでした。
コミュ強でも悩む?仕事で大事なこととは?気づきと反省
私はウダさんと自分を比べて、本当に視野が狭くなっていたと気づかされたのです。元上司や本部長とじっくり話をさせてもらい、職場環境の改善をはかると言ってもらえたので退職はいったん保留にしました。そして数日後、出勤すると……。
ウダさんにとってもこの職場は決して心地いいものではなかったのかもしれません……。その後新しくやってきた店長は、パートの業務体制を見直しました。これからはパート全員、公平にステップアップしていってもらうとのことです。
ウダさんは人の顔色やその場の状況を見てコミュニケーションを取るのが上手でした。その分、常に周りに気をつかう努力をしていたのかなと今になって思います。望んでいない業務を次々と任され、空気を読んで愛想よく引き受けているうちに限界が来てしまったのでしょう。 元上司や本部長からの的確な指摘もあり、私は私自身の仕事上の強みを再認識することができました。いくつになっても気づきの機会は多くあるものです。これからも自分自身を成長させていきたいと思っています。