女性が知っておきたい検査とは?乳がんや子宮がんの検査、経腟超音波検査について解説
乳がんや子宮がんをはじめ、女性が特に注意しなければならない病気について、さまざまな検査が行われています。
各検査の特性を理解し、必要に応じて受診しましょう。
教えてくれたのは…
【乳がん検査】マンモグラフィと超音波(エコー)検査
マンモグラフィは、乳房専用のエックス線検査です。
石灰化というごく小さな病変の検出が得意で、初期の乳がん発見に有効です。
検査時に乳房を圧迫するため、「痛いから」と敬遠する人もいますが、圧迫によって乳腺を広げることで病変がより見つかりやすくなり、被ばくを低減する効果もあります。
マンモグラフィ推奨の目安は40歳以上とされているので、乳腺が発達しているそれ以下の年代の人は超音波検査がおすすめです。
これは乳房に超音波を当てて反射波を画像として映し出すもので、しこりができる病変を発見するのに力を発揮します。
検査時の痛みもエックス線による被ばくもありません。
自費の場合の検査費用は、マンモグラフィが8000円前後、超音波検査が6000円前後(※)。
乳がんにもさまざまなタイプがあり、マンモグラフィと超音波検査では見つけやすいがんのタイプが異なるので、40歳以上の人は両方受けるとより安心です。
ただし自治体の補助の対象年齢の人は、これより少ない負担で受診することができます。
※病院によって異なります
【子宮がん検査】子宮頸(けい)がんと子宮体がんの違いって?
子宮頸がんは閉経前の、子宮体がんは主に閉経後の女性に多いがんです。
子宮頸がんは子宮入り口に近い部分にできるがんで、主にHPVというウイルスによる感染が原因で発症します。
一般的な検診で行うのは子宮頸がん検査で、細胞を専用のブラシやヘラでこすり取って異形成(がんの兆候)の有無を見ます。
性交経験のない人はHPVにほぼ感染しないので、検査をするよりワクチン接種で予防する方が効果的。
小学校6年生~高校1年生相当の女性は公費の対象(自己負担なし)となっています。
子宮体がんは子宮体部にできるがん。
発症の最大の危険因子は肥満なので、若い世代にも患者はいます。
肥満がホルモンバランスの乱れを引き起こすと、排卵が抑制されて子宮内膜が厚くなり、がん発症のリスクが高まるといわれています。
検査は子宮の奥の方の細胞を採取して行います。
個人差はありますが痛みや出血を伴うので、異常のない人が定期的に受ける必要はありません。
不正出血があった場合や、経腟超音波検査で子宮体がんが疑われた場合などに受診を検討するとよいでしょう。
どちらもなるべく月経時は避けて受診しましょう。
経腟超音波検査とは
経腟超音波検査とは、超音波で子宮や卵巣などの骨盤内臓器を観察する検査。
子宮の大きさ、内膜の厚さ、卵巣の大きさなどを見ることで、子宮体がんの兆候や、卵巣がんや良性腫瘍(子宮筋腫・子宮内膜症)、卵巣嚢腫などの有無を調べることができます。
卵巣や子宮の病気は若い世代でも発症します。
現在、子宮頸がん検査は20歳以上で2年に1回の実施が推奨されていますが、それと同じ頻度(卵巣や子宮に疾患がある人は毎年)で経腟超音波検査を行うといいでしょう。
子宮頸がん検査と同時に行うのがおすすめ。検査費用は自己負担で6000円前後です。