治療後の生活支援 川崎市 アピアランスケア助成 がん以外の疾病も
川崎市は6月から、がんなど病気の治療の過程で生じた外見の変化に対する「アピアランスケア」への助成金交付を開始する。がん以外の病気にも適用する。
アピアランス(外見)ケアは、抗がん剤治療の副作用でおきる脱毛や、乳がんの手術による乳房の切除など、がん治療等に伴う外見の変化に対する医療者のケアとして、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)の外見関連患者支援チーム(現・アピアランス支援センター)が取り組み始めた患者サポート。
ウィッグや胸部補整具のほか、化粧品など日用品での生活支援、皮膚科や形成外科との連携など、各地で様々な支援が広がっている。
6月から市が始める助成の対象は、がん治療中またはがん治療を経験した人か、健康保険の保険給付対象となる傷病や先天的な疾患の治療をした人で、いずれも申請時点で川崎市に住民登録があり、治療による外見の変化を補う装具類を購入、またはレンタルした人。今年4月1日以降に購入またはレンタルした【1】ウィッグやウィッグ着用時のネット、【2】胸部の補整下着やエピテーゼ(人工乳房)などに対し、3万円を上限に助成する。
申請者が18歳以上の場合は【1】【2】について各1回ずつ助成するが、18歳未満の場合は【1】【2】とも18歳に達するまで年度ごとに助成を受けられる。がん以外の傷病や疾患の場合、アピアランスケアの必要性を証明する医師の「意見書」が申請時に必要となる。
神奈川県の概算では、市内には約9千人のがん患者がいるとみられる。市の担当者は「がんは治る病気になりつつあり、回復して社会生活に戻る方々が増えている。先行自治体の動向も踏まえて導入した」としている。
問い合わせは市地域包括ケア推進室専門支援担当【電話】044・200・3801。