【働くママの労働問題】「有休は理由を言わないと取れない?」[社労士が回答]
働くママの「有給休暇の申請」にまつわる疑問に、社会保険労務士が回答。子どものために休みを取りたい、という方は多いでしょう。とはいえ、有給休暇の申請理由に「子どものため」と書くのはためらわれ……。働くママの仕事周りの疑問や働き方に関する悩みなどに、社労士の小西道代先生がお答えします。
【画像】増える「連休明け不登校」 親の5人に1人が「不登校離職」驚きの実態正社員で働いているママだけでなく、派遣や契約、パート、アルバイトなど、どんな形態でも家庭と仕事の両立は大変。そこには問題や困りごとが生じます。社会保険労務士であり、行政書士でもある小西道代先生が、ママたちが持つ仕事周りの疑問や働き方に関する悩みに回答。第2回は、有給休暇の申請にまつわる疑問について答えます。
─働くママの声─
子どものために仕事を休みたいのですが、有給休暇の申請時に「子どものため」と理由を書きたくありません。
申請理由は、書かなくても有休は取れるでしょうか?
有休は理由を伝えないと申請は通らない?
有給休暇の申請理由は空欄でもOK
会社に有給休暇の申請をするとき、申請用紙などに理由を書く欄があっても何も書かずに空欄で出して大丈夫です。
労働基準法では、有休の取得理由には特に触れていないので、理由を書かなくても有休は取れます。
また、会社は理由を書く・書かないを根拠に、有休の取得を判断してはいけないことになっていますし、会社が理由を元に取得を認めない場合は、「有給休暇の取得妨害」の可能性があります。
とはいえ、空欄での申請に気が引ける場合はあるもの。そのときは「私用のため」で問題ありません。
─働くママの声への回答─
会社は事情を書く・書かないを理由に、有休の取得を判断してはいけないことになっています。
そのため有給休暇の申請理由は、何も書かず空欄で出してもOK。
気が引ける場合は、「私用のため」と書くといいでしょう。
申請理由は書かなくてもいいのに、記載欄があるのはなぜ?
有給休暇の申請理由は空欄で出してもOKなのに、理由を書く欄があるのはなぜか……。これには会社のBCP対策が考えられます。
BCPとは、Business Continuity Planの略で、事業継続計画のこと。地震などの自然災害や事件、事故が起こった場合でも、事業を継続あるいは早期復旧ができるように備えておく計画のことです。
このため、有給休暇を使って海外旅行や遠方に帰省をするなら、どこへ行くのか場所や理由を記載することをおすすめします。
休暇中に不測の事態に見舞われた際には、会社が安否確認をするなど、相応の配慮や対応をしてくれるはずです。